製薬会社で進むデジタルトランスフォーメーション(DX)事例まとめ(2019年末〜2020年5月)

デジタルマーケティング

2020.06.02

みなさん、こんにちは。広報担当です。

当ブログでは、さまざまな切り口からデジタルトランスフォーメーションの必要性をお伝えしてきましたが、製薬会社各社の具体的な動きやリリースが気になる方も多いのではないでしょうか。今回は、製薬会社のデジタル化の取り組みや事例などをご紹介していきます。

withコロナ時代到来!DX戦略で活路を見出す医療業界

5月末にてようやく緊急事態宣言は解除されました。しかし、私たちの生活やビジネスを含め、以前の生活様式に戻るには相当の時間がかかることが見込まれており、治療薬の有効性が確認されるか、またはワクチンが開発されるまではウイルスとの共存を覚悟せねばならない時代へ突入しています。

また、製薬会社は医療機関への訪問規制によって従来通りの営業活動ができなくなり、これまで以上に本格的なデジタルトランスフォーメーション(DX)の波が起きています。

今回は、医療業界全体が新型コロナウイルスの影響を受け、リアルマーケティング中心だった製薬会社がどのようにDX推進を取り入れ始めているのか。昨年秋~5月現在までのマーケティング分野における製薬会社の動きやDXの取り組みをカテゴリごとのリンクにまとめてご紹介していきます。

◆MR活動◆

5月現在もMRの活動量は減っているため、求人件数にも影響が見られます。しかし、MRもリモート業務へと切り替わり、WEBを通じた営業活動等、DXが起きたことで医師・MR双方の業務効率が良くなったという声も上がっています。

MRの求人は21%減…新型コロナ、CROなどで採用に影響も|製薬業界 転職市場トレンド(2020年5月)」AnswersNews

コロナ危機とMR」薬事日報

働き方変わる?「新型コロナウイルスで訪問自粛」MRの本音【匿名座談会】」AnswersNews

◆新型コロナウイルスへの取り組み◆

医療ポータルサイトを提供するエムスリーは3月、医療従事者や製薬会社、一般の方へ向けた支援を発表しました。

訪問規制中のMRから医療機関への情報提供やデジタルチャネルの確保、医療従事者には情報共有や新型コロナウイルスの最新情報を提供。さらに、一般の方に対しては医師へ無料相談できるLINE公式アカウントを開設し、デジタルを駆使したサービスを展開しました。

これらは自社のサービスの特色を活かし、ウイルスが引き起こす人々の健康やビジネスへの影響を拡大させないという、時代に必要とされる取り組みの好例といえるでしょう。

その他、直近ではグーグルとアップルが開発した「濃厚接触通知アプリ」の発表や、オプティムのオンラインで診察が完了するOEMの提供など、医療業界以外も様々なリリースが続きました。

医療業界全体に亘るエムスリーの新型コロナウイルス対策 ~生活者、医療従事者、製薬企業などへの幅広い支援~」エムスリー

公衆衛生機関を支援するために。Exposure Notification API を公開」Google Japan Blog

オプティム、オンライン診察プラットフォームのOEM提供を開始」IoTNEWS

◆チャットボット活用事例◆

世界的な製薬会社であるMSD株式会社は、4月より医療関係者向け情報サイト「AskMSD」にAIチャットボットを搭載し、運用を開始したことを発表しました。「AskMSD」は、製品の適正使用を推進することを目的としており、がん治療薬「キイトルーダ®(一般名:ペムブロリズマブ(遺伝子組換え))」の安全性および承認を取得した適応症などについて、約1,500件(運用開始時点)の想定質問に対する回答を登録。MRが問い合わせに対応するという役割をデジタルに置き換えることで24時間365日、迅速かつ簡便な医薬品情報のアクセスを可能にしています。

他にも、中外製薬では1月より抗インフルエンザウイルス剤の問い合わせに限定したチャットボットを導入。2021年には全製品での対応を目指しています。また、塩野義製薬は、既にリリースされているAIチャットボットに英語での問合せ機能を追加しました。各社とも問合せ対応はチャットボットに置換されつつあります。

医療関係者向け情報サイトでAIチャットボットを搭載「AskMSD」として運用開始― オンコロジー領域からスタート、他の疾患領域にも導入予定 ― MSD

AIを用いた医療従事者向け製品情報問い合わせチャットボット 「MI chat(エムアイチャット)」の運用を本日より開始」中外製薬

塩野義製薬「DI chat」がバージョンアップし、英語での問合せが可能に」木村情報技術株式会社

◆デジタル化推進◆

大手製薬会社エーザイにおいても、3月期の決算説明会において新型コロナウイルスの感染拡大による今後の重要課題として、DXの実現を挙げています。今夏の新薬発売には、デジタルを駆使した情報活動へ取り組むという発表もありました。

同様に塩野義製薬もMRの訪問規制強化に合わせ、情報提供の形をデジタルへ変化させていくことを発表しています。

エーザイ「決算短信・四半期業績2020年5月13日 決算短信

シオノギ製薬「決算短信・補足資料:2019年度決算 短信

◆新会社・新組織設立◆

昨年の秋、塩野義製薬とエムスリーが設立した合弁会社「ストリーム・アイ」は、まさに現在の製薬業界の動きを見通した企業として誕生していました。

「ストリーム・アイ」は、デジタル技術を活用した情報提供と既存のリアルな活動を通した情報提供を融合させた新しい情報提供モデルの確立を目指すと提言しています。

また、MSD株式会社は、今年1月にアジャイル組織を発足させました。アジャイルの手法を取り入れる中で、デジタルやデータ活用を最大化し、意思決定の効率化やパフォーマンスの向上を目指します。患者さんや一般の方が質の高い情報を入手できる環境を提供することで医療リテラシーの向上を促進、DXの取り組みによる組織改革に繋げています。

エムスリーと塩野義製薬による疾患課題解決を目的とした合弁会社「ストリーム・アイ株式会社」の設立について」シオノギ製薬 2019/10/04

アジャイル組織発足 急速に変化する医療環境の中で、患者さんや顧客に最大の価値を提供 MSD株式会社

デジタルとの“共存”で、価値のある医療と未来を創出!

各社それぞれDXの取り組みに注力していることがお分かりいただけたのではないでしょうか。今後は加速的に医療の分野にデジタルを利用した革新的なサービスが続々と誕生していくことが予想されます。

また、私たちもDXへ踏み出していく医療業界の動きに注目しつつ、医療に携わるすべての方々と患者さんのより良い未来創りをサポートしていきます。

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