【勉強会:前編】レプリコンワクチンから考える医療リテラシー

製薬

公開日:2025.01.15
更新日:2025.01.22

SNSでもさまざまな議論が飛び交っている新たなワクチンとは

私たちの顧問であり、株式会社メディカル・インサイトの代表取締役社長を務める鈴木英介氏と弊社の社員による勉強会のレポートです。 
テーマは、「レプリコンワクチンから考える医療リテラシー」。SNSでもさまざまな議論が飛び交っている新たなワクチンの特徴とともに美容室の来店拒否の騒ぎが起きたきっかけなどにも触れていきます。医療リテラシーの重要性を改めて認識できる内容となっていますのでぜひ、ご覧ください。 


勉強会の参加者

2018年中途入社
営業
佐塚さん

2021年新卒入社
デザイナー
村上さん

2023年新卒入社
Webディレクター
田辺さん

2024年新卒入社
Webディレクター
丹羽さん

2024年新卒入社
Webディレクター
土方さん

2024年新卒入社
Webディレクター
森田さん


接種者の来店拒否で話題「レプリコンワクチン」とは?

それでは鈴木さん、よろしくお願いします。テーマは、『レプリコンワクチンから考える医療リテラシー』です。
出席者は僕と、村上さん、田辺さん、丹羽さん、土方さん、森田さんです

よろしくお願いします。今日のテーマは若い参加者のみなさんにぴったりですね。

最初にみなさんにお聞きしたいのですが、レプリコンワクチンがどういうものなのかはご存知ですか?
(画面を見て)首を振っている人が多いですね(笑)。では、新型コロナウイルスのワクチンを接種した記憶はありますか?
(画面を見て)うん、あるようですね。みなさんが接種したワクチンというのはファイザー製かモデルナ製かと思いますが、あれはmRNAワクチンという新しいタイプのワクチンなんです。
では、なぜ先ほど今回のテーマがみなさんにぴったりだと言っていたのか気になるところだとは思いますが……最近、美容室に行かれた方はいらっしゃいますか?

はい、行きました

佐塚さんが行ってらっしゃいますね!
実は最近、レプリコンワクチン接種者の来店を拒否する美容院があることが話題になっているんです。レプリコンの話をする前にまず、みなさんが接種したmRNAワクチンについてお話をしていきたいと思います。

新型コロナウイルスの細胞の表面にはスパイクタンパク質という分子が表面に乗っかっているのですが、新型コロナのmRNAワクチンは、そのスパイクタンパク質を『作れ!』と命令するコードが組み込まれているんですね。だからmRNAワクチンを接種すると、その命令によって身体の中で新型コロナと同じスパイクタンパク質を作ろうとするわけです。
つまり、新型コロナウイルスの破片が体内に増えることになります。私たちの身体は体内に異物が入ると、それを排除しようとする免疫反応が起きます。免疫反応が起きる際に、スパイクタンパク質の形を覚えるんです。『これと同じものが来たらやっつけろ!』と。
だから、ワクチンを接種した後に新型コロナウイルスに感染すると、同じスパイクタンパク質の形を見つけて『敵だ!』となって、スムーズに自分の身体の免疫が反応してやっつけられるようになる……と

効率的に増殖できるのがレプリコンワクチンの特徴

効率的に自己増殖するのが特徴のレプリコンワクチン 〜ワクチンを打っただけなのになぜ?〜

ワクチンにも色々ありますが、基本的にワクチン接種というのは細菌やウイルスに感染する前に身体に同じようなものを入れておいて、『敵だ!』と反応できるようにトレーニングしておくということです。……と、ここまでがmRNAワクチンのお話です。

次がレプリコンワクチンのお話ですが、これは9月に承認されたMeiji Seikaファルマの新型コロナワクチンです。明治製菓というのはお菓子の企業として有名ですが、Meiji Seikaファルマはお薬を作っている企業です。今回お話をするレプリコンワクチンはMeiji Seikaファルマが開発をして日本国内で販売をしています。

で、このレプリコンワクチンは基本的にはmRNAワクチンと同じようなもの、仲間です。でも少し違いがあって、レプリコンワクチンは自己増殖といって、自分のコピーをどんどん作ることができます。
先ほどmRNAワクチンはスパイクタンパク質を『作れ!』と命令できるワクチンと説明しました。けれども、こちらのレプリコンワクチンの場合は身体に入れた時に『自分のコピーを作れ!』という命令を出せる。イメージするなら、コピー機で印刷したときにバババババッ……とコピーがどんどんできるような感じですね。そうしてスパイクタンパク質を作るように指令を出すmRNA自体が、身体の中にブワッと増えることになる。だから、より効率的に新型コロナウイルスのスパイクタンパク質を身体の中で製造することができます。
例えばmRNAワクチンだったら100入れなければ効果が無かったものが、レプリコンワクチンだったら10で効果が出る。勝手に身体の中で増殖してくれますからね。……というのがレプリコンワクチンです

レプリコンワクチンはmRNAワクチンと全く別物かと思い込んでいましたが、仲間だったんですね

そうなんです。ちょっと冒頭の話に戻りますが、『来店お断り』を掲げている美容院やエステ、マッサージ店、飲食店があると言われても、本当にそんなお店はあるの? と思っていたのですが、週末に近所のパン屋さんのオーナーから『この間、こんな怪しいチラシを貰っちゃって……』なんていうお話が出ました。その時のチラシがこれです(実際のチラシを画面共有)おどろおどろしいですよね(笑)。
でも、実際に出回っているんですよ。そして、これを見た美容院や飲食店が影響されてレプリコンワクチン接種者の来店拒否の流れになったと。みなさんはこのチラシを見てどう感じました?今日は初めて出席されている方も多いので一人ひとりにお聞きしてみましょう。
では、チラシをじーっと見ていた村上さん、どうですか?

うーん、なんでワクチンを打っているだけでこんな感じになるんだろうって思います

田辺さんや他のみなさんはどうです?

『日本が封鎖される危機です』とか書いてありますし、怖い……怪しいなと思いますね

そうですねぇ。純粋に本当なのかなぁと思います。mRNAワクチンが体内で増殖して周囲に感染させる……って、ちゃんとした医師の方から伝えられれば信じられるのですが、こういったチラシだと信じられないという気持ちがありますね

私は、mRNAワクチンはウイルス化しないと認識していて。スパイクタンパク質ぐらいしか入っていないのでウイルスは入っていないと認識していたので。あくまでワクチン接種をした人の体内で抗原が増えるのであって、それが感染力を持つとか、それでパンデミックが起きるとか、そういう風には思っていなかったので本当かなぁと

私も土方さんと同じ認識ではあったんですけど、私も昨日美容室に行って来たのですが(笑)、もし、このようなチラシを貰ったら情報を鵜呑みにできないとはいえ、信じてしまうかも……と思いました

ありがとうございます。佐塚さんはどうです?

これ、デザインが良くないですね(笑)。デザイナーさんが入っているの?と思ってしまいますし、その以外の感情が生まれないので、僕は見ないですね(笑)

レプリコンワクチン騒ぎのきっかけ?看護師団体が出した「声明」

看護師団体が出した「声明」に関するキーワード:レプリコンワクチン・mRNA・シェディング・情報の受け取り方

では、次に共有したいものをお見せしますね。一般社団法人日本看護倫理学会という学会がこんな声明を出しています『【緊急声明】新型コロナウイルス感染症予防接種に導入されるレプリコンワクチンへの懸念 自分と周りの人々のために』というものです。

“1. レプリコンワクチンが開発国や先行治験国で認可されていないという問題”とありますが、これは日本が世界で最初にレプリコンワクチンを認可したのが問題である、ということが書いてあります。

“2. シェディングの問題”というのは、“レプリコンワクチンが「自己複製する mRNA」であるために、レプリコンワクチン自体が接種者から非接種者に感染(シェディング)するのではないかとの懸念があります”と、論文らしきものを参照しているように見せていますね。それから、 “レプリコンワクチンが、望まない人にワクチンの成分が取り込まれてしまうという倫理的問題をはらんでいることに加え、10 月からの定期接種が、シェディングの有無を確認するための実証研究になってはいけないと考えます。”と。

あとは、“3. 将来の安全性に関する問題”には、“遺伝子操作型 mRNA ワクチンは、人体の細胞内の遺伝機構を利用し抗原タンパク質を生み出す技術であることから、人間の遺伝情報や遺伝機構に及ぼす影響、とくに後世への影響についての懸念が強く存在します。”と書いています。他にも、インフォームドコンセントの問題とか色々ありますが、こういう怖いワクチンだということを分かったうえで接種を承諾するんだったら良いけれど、そうなっていないなら良くないんじゃないかと、そういった内容です。
ちなみに、こちらは看護師さんの団体なので医療従事者の方がワクチンを接種することになるんですけれど、レプリコンワクチンを接種しなければならない状況に追い込まれるような事はあってはならないということが書いてあります。で、これを日本看護倫理学会が声明として出していますということですね。

……こちらについて、みなさんはどう思いますか?

先ほどのチラシは一般の方が作った情報だから……と、根拠のない情報としてみなさんも不安・不審に感じたのだと思うのですが、これは看護師さんの団体の資料で、しかも問題点まで書いてありますから、こちらを見たら信用できるというか、レプリコンワクチンは危ないのかな?という感じが伝わるのかなと思いました

私自身がシェディングするのかどうかということに納得いっていないということと、あとは細胞内の遺伝子情報に影響を及ぼすということがどうなっているのだろうと。それから、引用してきた論文についてもどういう基準で選んできたのかも気になっています

素晴らしい指摘ですね!土方さんはある程度サイエンスについてのバックグラウンドをお持ちですか?

あまり触れたくはないのですが(笑)、大学はそちら系でした

そうですよね。これはそういったバックグラウンドがある人・ない人で受け取り方が全然違ってくるかと思います。そして世の中の大半の人は“ない人”ですよね。
だから、この声明が出たことで反ワクチン派の人が一気に活気づいてしまったんです。『それ見たことか!』と(笑)。医療関係者や看護師の学会までこんなことを言っているわけですから。例えばX(旧Twitter)でレプリコンワクチンに関して検索をするとさまざまな言論、怖い情報が出てきますし、かなり盛り上がりを見せていることがお分かりいただけると思います。

では、これをどう考えていけば良いかということを話していきますね

―― 前半は一旦ここまでとなります。後半では引き続きレプリコンワクチンについて、専門的な知識を持っていない方にも理解ができるように問題として取り上げられている部分についてしっかりと解説していきます。正しい医療リテラシーを身に付けるとともに、SNSなどに飛び交う真偽不明の医療情報を見極める時の基準として役立つ内容です。続編も楽しみにお待ちください。 

後編はこちら

この記事の担当者

佐塚 亮

佐塚 亮/Satsuka Ryo
職種:sales
入社年:2020年
経歴:大手スポーツメーカにて店舗sales,エリアマネージメント業務を担当。のちWEB制作会社にてWEBサイトの提案からディレクションをこなし、コンサルタントとしてサイト立ち上げ後の売上向上まで支援。その後2020年にメンバーズへ入社。主にクライアントからのヒアリング及び検証データを基に要件定義を行い、サイトの構築運用を実施。定常的に支援サポートを行う。クライアントはもちろんエンドユーザーの立場・視点に立ち、問題抽出から改善案の立案までを手がける

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