
私たちの顧問であり、株式会社メディカル・インサイトの代表取締役社長を務める鈴木英介氏と弊社の社員による勉強会のレポートです。今回のテーマは「診断技術の発展:AIとリキッドバイオプシー」です。前半はAIを使った診断の話から、診断の種類とその診断の精度について説明していきます。
勉強会の参加者

2018年中途入社
営業
佐塚さん

2017年中途入社
Webディレクター
嶋田さん

2024年新卒入社
Webディレクター
鈴木さん

2008年新卒入社
Webディレクター
安原さん

2023年中途入社
プロデューサー
内海さん

2024年新卒入社
Webディレクター
及川さん

2024年新卒入社
Webディレクター
森田さん

2018年新卒入社
エンジニア
浅川さん

2017年中途入社
Webディレクター
平嶌さん
進展を始めたさまざまなAI診断!
それでは、よろしくお願いします。
出席者は、嶋田さん、鈴木さん、安原さん、内海さん、及川さん、森田さん、浅川さん、平嶌さん、僕です
よろしくお願いします。
今日は『診断技術の発展』というテーマで、AIとリキッドバイオプシーという2つのお話をします。まず、AIの方から説明していきますが、みなさんは、会社のお仕事の中でも深く関わられている領域かと思います。医療の中でもAIはどんどん出てきていて、特に診断という所でAIはかなり活躍し始めています。みなさんの中でこういった話を知っている方はいらっしゃいますか?
診断ではないですが、論文のAI翻訳は良く聞きますけど(笑)
以前見た動画では、診断に関しては医師よりもAIの方が優れている……という結果が論文で出たという話は聞いたことがあります
そうそう、その辺りは気になる話題ですよね
海外では、医師だけじゃなく、AIの診断を受ける権利があると訴えられたというケースもあって驚きました
あぁ、これも医師よりAIの診断の方が良いんじゃないかというのと同じですね。ありがとうございます。本題に入る前に、AIを使った診断には大きく2つの流れがあるので、それを挙げていきたいと思います
MRIなどの画像を解析する「画像系AI診断」

まずは、画像ですね。
AIが画像を読み取って、それに基づいた診断をするモダリティ(検査や治療で使われる医療機器の種類や技術)はたくさん出ています。これはみなさんもイメージできるかなと思うんですけれど、診断にあたって病院で色々な画像を撮ったりしますよね。
X線、CT、MRI、あれはみんな画像です。あとは、検査で胃カメラとか大腸カメラを飲むこともありますが、あのカメラで画像を得ることができますよね。
これまでは、人間の目で画像を見て、がんがあるなとか、影があるなとか、人の目で判断をして、この病気が怪しそうだと診断を下していった。優れた病理診断をするお医者さんは、基本的にはパターン認識をしているんですよね。『こういう画像があったら、ここの部分ががんです』というような。
その中でレアなパターンを理解しているのが、経験豊富な医師ということになるんですが、ここに関してはAIがメチャクチャ得意なところです。今までの『こういう画像で、こういう内容だったら、こんな診断が下される』という内容を勉強させるとパターン認識することができるので、かなりのクオリティで診断ができるという考え方です。
で、これはもう、世の中にたくさん出てきていて、例えば、みなさんに馴染みがありそうなもので言うと、インフルエンザ。これに罹ると喉が赤く腫れますよね。その腫れ方や赤みの出方のパターンが普通の風邪とは異なるらしいんです。で、喉の画像と問診の情報を使ってAIがそこからインフルエンザかどうかを診断する。これは2022年から出てきた診断支援の医療機器です。
あとは、大腸カメラなどの内視鏡カメラのお話をしましたが、カメラから得られる画像を見ながら判定の支援をする、内視鏡の画像診断支援のソフトウェアもあります。
今紹介した2つの事例は、実際に厚生労働省から承認されているものですね。
最近、学会で聞いたのは、乳がんのエコー検査支援です。40歳未満ぐらいの若い方は乳腺が発達しているので、実はマンモグラフィーはあまり良くないんです。うまく画像に写らなくなってしまうので。で、それ以外のやり方ということで超音波があるのですが、エコーを撮りながら、がんなどをディテクト(発見)していきます。このような形で、画像を使って診断をしていくものが大きな括りとして1つあります
症状から推論する「ロジック系AI診断」

もう1つは、ロジックでやっているものもあって。これは、一般の方も使えるものなのですが、みなさんは『ユビー』ってご存知ですか? あ、嶋田さんが頷かれていますね。どのようなものでしょう?
時々活用しています。身体のあちこちに色々出てきているので、ユビーに相談をしています
そうですね。
身体に不具合が出てきた時に『こういう症状がある』と入力すると、ユビーの問診システムから追加で質問がどんどん来るんですよね。『こういう症状はありますか?』『こういう病気になったことはありますか?』というような。それに答えていくと、最後に『あなたの症状は、○○か××か△△の可能性があります』というのが出るんです。診断の一歩前くらいの、可能性のある病気を絞り込んでいくソフトウェアという感じです。これは、一般の方も使えますし、病院の先生に使えるバージョンもあります。ロジック系のAIということで、診断に使われるAIの技術だと思います。
では、これは医師に置き換えられるレベルなのか? という所が気になると思いますが、みなさんは現時点でのAIの診断ツールというのは、『専門医以上のレベル』なのか、『専門医と同じくらい』なのか、『そこまでではない』の3択なら、どれだと思いますか?
全員「(それぞれの選択肢に挙手をする)」
はい、みなさんそれぞれに手を挙げていただきましたが、この答えは正直、ものによるな、というところもありますが、画像診断については専門医のレベルを超え始めていると考えていただいて良いかなと。学会発表でも出てくる内容ですが、専門医よりAIにやらせた方が精度は高そうだという発表も多いですし、承認された技術以外でも、そのレベルになっていると思わせるものが出てきていて、画像診断は医師を超えているくらいになっていると思っていただいて良いと感じています。
いま、嶋田さんが大事なことをコメントしてくれましたが、“医師による経験の差がなくなる”ということですね。見る先生によって診断が変わってくるというのは、人間だとどうしても起きてしまいます。そういったばらつきを無くすという意味でも、AIは必要な技術になってきます
あと、医療機器として、画像は承認を得やすい気がします
画像診断は医師からAIへの置き換えは可能?
そうですね。
画像系の診断医療機器は6つか7つくらいは、世に出てきているかなと思います。
じゃあ、これがお医者さんより精度を高く診断できるなら、置き換えることはできるのか? というクエスチョンが次にあると思いますが、そこに関しては、一部は置き換えられても、完全には置き換えられないかなと思っています。
これを例えるなら、車の自動運転の話を考えていただければいいのかなと。
実際、自動運転はすでに人が運転するより安全なものはできています。Googleの自動運転タクシーのウェイモ(Waymo)は、アメリカの一部エリアで運行されていますよね。人間が運転するより低い事故率だけれど、人間から直ぐに置き換わるかと言われればそうではない。それはなぜかと言うと、法律の壁がある。事故が起きた時に誰の責任になるのかを、ちゃんと整備されないと実際には置き換わらないという話になると思うんですね。これは、医療の世界も似たような話で、AIが間違っていたら誰が責任を取るの? と。責任を取ることは人間(医師)にしかできないので、そういう意味で最後に責任を取る意思決定、判断をする医師を置き換えることはできないんじゃないかなと考えています。とはいえ、補助的な診断という面ではどんどん応用される可能性があります。
例えば、がんもそうですが、難病や希少疾患については、医師が見てもなかなか分からない段階でもAIを使うと見つけやすくなるという期待はあります。一方で課題もあって。先ほど承認された医療機器の話もしたのですけど、どんどん保険適用されるかというと、必ずしもそうでもない。そもそも保険適用されないケースもありますよね。先ほど出た、ユビーさんのWeb問診システムは保険適用されていません。そうなると、ビジネスモデルを作ろうとしても、AIサービスを作る側には難しいところが出てくる。
それに、保険適用されても広く普及するかどうか分からないというところもあって。というのは、医師を置き換えるわけではないとなると、AI診断を使うことは、病院からすると少なくとも短期的にはコストが増えるわけです。医療の質が上がるので、それで良いじゃないと言えばそうかもしれないけれど、現在経営が苦しい病院も多いので、経営面でのメリットが明確にないと導入するインセンティブはそんなに働かない。なので、どう広めていくかが難しいと感じている医療機器メーカーさんもいらっしゃるのではないかなと
AI登場以前に、ネットで見てきたような素人判断を嫌がる医師は多いと思うのですが、ユビーなどにも抵抗があるのではないでしょうか?
そういう意味で言えば、ユビーは医師の監修があるというか、お医者さんが作ったサービスなので、そこまで抵抗感がある方は少ないのではないかなと思います
なら、安心ですね
僕は業務でそういったロジックを実際に作っています
大事なのは、導入する事で病院側の収益面でプラスになる、というのを示すということですよね。だから、収益に結びつくロジックを上手く作れた医療機器は普及していくという話になるかと思います。AIについてはここまでですが、何か質問や感想はありますか?
診断が医師に置き換わるかどうかの話ですが、精度はこれから高くなるのでAIに任せてもいいのかなと感じています。あとは、実際の医療の現場では医師との信頼関係がアドヒアランスへの影響があるかと思うので、そういった面もあるのかなという気がしますね
そうですね。
誰に言われたかによって、患者さんの受け取り方が変わってくるというのもあると思います。でも、もう少し深く考えると、医師のお墨付きを得るために病院で……みたいな話だとお金が凄くかかりますが、何かでデータを取ってポンとAIに読ませてある程度の診断ができてしまうのだとしたら、あえて病院に行かなくてもOKなのでは……というような考え方が広まってもおかしくはないですよね
―― 前半は、AIを使った診断技術の種類と、AIによる画像診断が医師と置き換えられるかどうかについて解説しました。後半は、もう1つのテーマ、リキッドバイオプシーについて解説していきます。続きも楽しみにお待ちください。
この記事の担当者

佐塚 亮/Satsuka Ryo
職種:sales
入社年:2020年
経歴:大手スポーツメーカにて店舗sales,エリアマネージメント業務を担当。のちWEB制作会社にてWEBサイトの提案からディレクションをこなし、コンサルタントとしてサイト立ち上げ後の売上向上まで支援。その後2020年にメンバーズへ入社。主にクライアントからのヒアリング及び検証データを基に要件定義を行い、サイトの構築運用を実施。定常的に支援サポートを行う。クライアントはもちろんエンドユーザーの立場・視点に立ち、問題抽出から改善案の立案までを手がける
