
メンバーズメディカルマーケティングカンパニー(以下、MM)による「生成AI」の業務活用の事例を紹介します。今回は、アプリのお知らせ配信の分析・改善業務への生成AI活用事例です。データ管理の属人化や施策のPDCAが回りにくいなどでお困りの方は参考になるかもしれません。実際の作業の手順も解説しますので、みなさまの業務にもお役立てください。
配信施策、回すだけになっていませんか?生成AIでPDCAを本来の姿へ

メルマガやアプリ通知などのテキスト配信業務を、「人力のみ」で運用しているチームも多いのではないでしょうか。日々の運用には問題がなくとも、「配信施策が本当に効果を上げているのか?」「改善すべき点は何か?」といった検証や改善活動(PDCA)が十分に機能していないケースも少なくありません。
属人的な運用に頼っていた配信業務に生成AIを取り入れることで、PDCAを円滑に回すための基盤を整えることができます。運用負荷の軽減に加え、配信施策全体の質とスピードの向上につながりますので、配信業務のPDCAが上手く回らず困っているという方は、生成AIの活用に踏み出してみてはいかがでしょう。
詳しい内容について以下から解説していきます。
【課題】
■配信施策のPDCAが回りにくい、データ管理が属人化している
案件ごとにデータ取得・管理は行っているものの、施策全体の改善サイクルへの活用方法が不明確な状況にあった。そのため、ナレッジが共有されずに同じ失敗を繰り返すリスクがあるほか、得られた知見を次の改善施策に活かしきれないという課題もあった。
【取り組み内容】
これまで分析要件・数値結果(CTR、CVRなど)に関して、チームメンバーによる考察が行われていた部分を生成AIによる作業に置き換え(1)、成功要因を原稿チェックツールに反映。さらに、新しい配信の原稿チェックも生成AIで行い、フィードバックを元に原稿を修正する(2)。
課題を踏まえ、生成AIに置き換えた作業手順やプロンプトの一部をご紹介しますので参考にしてみてください。
<(1)分析の作業手順 >
■STEP1:分析要件の設定
↓
■STEP2:プロンプトに、分析要件・数値結果(CTR、CVR等)・文面データ記述し、生成AIにインプット
↓
■STEP3:出力された結果を見て考察・判断。調整が必要そうであればデータの追加等を行う
↓
■STEP4:クライアントへ報告
<プロンプト例> ※実際のプロンプトの一部となるため、作成時の参考としてください。
あなたは優秀なデータ分析担当です。
通知メッセージについて「#成果がでたもの」と「#成果がでてないもの」の違いを分析し、箇条書きで要因をまとめてください。
# 成果がでたもの
## 成果がでた案件1
### タイトル
○○○○キャンペーン実施中
### 内容
おトクなチャンス到来!今なら◯月◯日までの期間限定で、○○○○プレゼント
○○○○の方は、この機会をお見逃しなく!
詳しくはアプリ内の[キャンペーンページ]をご確認ください
# 成果がでていないもの
## 成果がででていない案件1
### タイトル
おトクな○○○○キャンペーン実施中!
### 内容
○○○○キャンペーンをやっています!
期間や対象者は○○○○をチェックしてみてくださいね。
おトクかどうかはあなた次第!?
詳しくはアプリ内で確認
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<(2)原稿チェックの作業手順>
■前準備:原稿チェックツール作成・更新
↓
■STEP1:プロンプトに、文面データを追記し、生成AIにインプット
↓
■STEP2:出力されたFBを元に原稿の修正を行う
↓
■STEP3:調整した原稿を元にデザイン制作
<プロンプト例> ※実際のプロンプトの一部となるため、作成時の参考としてください。
あなたは優秀なアプリ通知担当です。
新たに使った内容が、以下の観点を満たしているかをチェックしてください。
満たしていない場合は、要因・改善案を教えてください。
# 観点
## 1. 具体的なツール名やサービス名を明記:
「○○○○」「○○○」「○○」「○○○○」など、ユーザーが日常的に利用するツール名を含めることで、関心を惹きやすくなります。
## 2. 具体的なアクションや解決策を提示:
「徹底解説」「使い方」「対応」など、具体的なアクションや解決策を示すことで、ユーザーはメリットを感じやすくなります。
## 3. ターゲットユーザーを意識した表現:
「日本一分かりやすく」「世界で一番わかりやすく」「プロが徹底解説」など、ターゲットユーザーに響くような表現を用いることで、興味を引きやすくなります。
・
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【成果】
取り組みによって課題となっていた2点を解消することができました。
■生成AIを活用した迅速な分析と示唆の抽出
分析要件・数値結果(CTR、CVRなど)・文面データをプロンプトに記述し、生成AIにインプット。生成AIを使ったことによって短時間で有効な示唆を得られ、施策の改善スピードが向上した。
■成功要因のナレッジ化と配信原稿チェックの自動化
過去の成功要因を生成AIのプロンプトに記述し、新たな配信原稿のチェックツールとして活用。成功要因が新しい配信に反映され、成果につながる文面の配信が可能になった。

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今回は、配信施策のPDCA改善最適化の事例をご紹介しました。
示唆出しや分析は運用において非常に重要ですが、マンパワーのみだと時間が掛かる作業です。生成AIは大量のテキストやデータから要点を抽出したり、仮説提案や次の打ち手の提案など短時間で有効な示唆を得ることができます。生成AIによって施策対応のスピードを飛躍的に向上させられることがご理解いただけたのではないでしょうか。
また、生成AIの導入や活用に興味はあるものの、技術を効果的に活用できる人材が確保できない企業さま、AIの結果の検証や信頼性、セキュリティに対する不安があるという企業さまもいらっしゃるかもしれません。MMは医療・製薬・ヘルスケア業界に特化した生成AIの導入・運用支援を行っておりますので、自社業務で生成AIを活用したい企業さまはお気軽にお問い合わせください。
この記事の担当者

加藤 美羽 / Kato Miu
職種: Webディレクター
入社年:2023年
経歴:2023年新卒入社後、Webinar運用案件→ イベント事務局運用案件に従事。