【生成AI業務改善事例】メルマガ作成への生成AI導入で工数50%削減!

製薬

公開日:2025.02.12
更新日:2025.02.10

メルマガ作成業務で工数を50%削減
ミス発生リスクが軽減

私たちメンバーズメディカルマーケティングカンパニー(以下、MM)による「生成AI」の業務活用の事例を紹介します。自社へ生成AIを導入し、活用を検討している製薬業界の方は他社でどのように生成AIを使っているのかを知りたい方も多いのではないでしょうか。
今回はメルマガ業務に生成AIを活用しているケースをご紹介します。今後の業務改善の参考にしてみてはいかがでしょう。

ますます進む!製薬企業の生成AI活用

製薬企業の生成AI活用は、研究開発からマーケティング、業務効率化など多岐に渡ります。
その中で製薬企業のマーケティングや情報提供に関連する生成AI活用の一例として、自社で配信するメルマガ作成業務で工数を50%削減した事例をご紹介します。
それぞれの企業によって抱えている事情や困りごとは異なる部分もありますが、ほとんどが何らかの業務の工数に関する困りごとなので、全く同じ背景を抱えていなくとも参考になる部分はあると思われます。「こんなことができるのか」という発見が今後の業務改善のアイデアに繋がる可能性もありますので、ぜひチェックしてみてください。

過去記事では、ある製薬企業さまのウェビナー支援のプロジェクトへ生成AIを導入し、効率化を実現した事例をご紹介しました。詳細が気になる方はこちらもご覧ください。

生成AIの導入背景やプロンプト例をご紹介

ウェビナー開催のために必要なメルマガ配信業務に生成AIを活用!

今回ピックアップした事例について、さらに詳しい背景などを含めて説明していきます。

【背景】
こちらの企業さまは、医薬品の情報提供や医療従事者とのコミュニケーション手段としてウェビナーを活用していますが、ウェビナーの認知度向上、参加者数増加を目的として、サイト掲載やメルマガ配信などのアプローチを行っていました。大きな効果が期待できる一方、メルマガ配信の数が多く、作成コストの高さが課題となっていました。1つの講演会について3種類(1週間前告知/1日前告知/当日リマインド)のメールが必要であり、メール本文に記載する情報も多く、テキストメール/HTMLメールそれぞれに(開催日時/講演会タイトル/演題名/座長/演者/共催情報など)を手動でコピー&ペーストする必要がありました。

【導入前の課題】
■1件の作成に30分かかるメルマガを毎月約15件手動で作成。
■メルマガ作成は初心者には複雑で作成が難しく、レクチャーにも時間を要する業務。
■手動でコピペをするため、ミスの誘発にも繋がっていた。

メルマガ作成フロー(生成AI導入前)

これらの課題に対し、テキストメールとHTMLメールを自動作成するプロンプトを作成することに挑戦。新たなメルマガを作成する場合は以下のプロンプトを実行しました。
下記のサンプルのプロンプトを確認いただくと、情報量が多いですがstepごとに作業を指示し、出力形式やルール(step順に実行する、半角全角スペースは修正しない等)を設定していることがお分かりいただけると思います。

【プロンプト例】※一部のみ表示

#指示
あなたはメール作成者です。「テキストメールテンプレート」を使用して以下のstepを実行してください。

#step1:下記の文章を返して確認
下記をコピーして内容を記述し、返答してください。
講演会の時間:
視聴予約URL:
開催日時:
講演会タイトル:

#step2:下記の文章を返して確認
下記をコピーして内容を記述し、返答してください。
座長の肩書:
座長の名前:
差し替え箇所:
講演名:
演者の肩書:
演者の名前:

#step3:座長・演者が他にあるか確認してください。
・yesの場合はstep2を行いもう2つ目の講演を作成
・noの場合はstep4に移行

#step4:主催か共催共済か確認してください。

#step5:○○○○製薬のままでいいか確認。異なる場合は記載されたものに書き換える。

#step6:返答内容を確認し出力してください。

#出力形式
コードブロックで出力

#ルール
・step順に対話する
・記述したコメントは改行して反映する
・半角全角スペースは修正しない
・全角文字をそのまま使用してください
・テキストメールテンプレートの書き換え箇所以外は変更してはいけない
・記入したURLに変更を加えてはいけない
・変更箇所以外はそのまま反映する
・『』記号をプロンプト内で削除しないでください
・「テキストメールテンプレート」の改行を保持してください

以下「テキストメールテンプレート」
差出人
○○○○製薬 ウェビナー運営事務局<xxxx@xxxxx.jp>
件名
○○○○製薬 講演会 yyyy年mm月dd日(a)hh時mm分開催
本文
講演会 yyyy年mm月dd日(a)hh時mm分開催
◇視聴(予約)ページURL
(本講演会は、PC、スマートフォン、タブレット端末からご利用いただけます。)




【導入後の効果】
プロンプトを導入し、具体的には以下の効果がありました。
■作業工数 50%削減(30分から15分の工数削減)
■ミスの発生リスクが軽減された。AIの指示に従って講演会情報を入力していくだけなので、直接テキストファイル/HTMLファイルを触る必要がなくなった。

施策を実行して運用を続けた結果、レクチャー時間の削減とともに初心者でも安心して作成することが可能となり、脱属人化に成功。作業フローの1つを省くことができました。

メルマガ作成フロー(生成AI導入後)

こちらの事例や過去事例も作業を生成AIに置き換えて工数削減に繋げた事例として紹介しましたが、生成AIは『形式値の再現性が非常に高い』というところに本質的な価値があるツールです。この特長は、活用する際に覚えておいていただきたいポイントです。

その他にも、生成AIはアイデア出しをする時の壁打ちツールやコーディングのセルフチェックツールとして使うこともできます。無料で使えるAIツールも多いので試しに動かしてみるのも良いと思います。有料版に比べるとできることが限られたり、セキュリティ対策の確認は必要ですが、使っていく内に生成AIができること、できないことに関しての感覚が掴めるようになり、「(業務の)この部分をAIに置き換えられないだろうか?」というイメージやアイデアが湧きやすくなります。

医療機関と製薬企業の関係強化に生成AI活用を!

医療・製薬・ヘルスケア業界の生成AI導入・運用支援はメンバーズへ!

メルマガ業務での生成AI活用の事例を紹介しました。
医療機関と製薬企業の関係強化として医療機関向けマーケティングを担当されている方は、今回の事例を参考に作業フローの一部を生成AIに置き換えてみてはいかがでしょうか。作業時間を短縮し、精度の高い成果物を手軽に作成することができるようになります。

メンバーズメディカルマーケティングカンパニーでは医療・製薬・ヘルスケア業界に特化した生成AIの導入・運用支援を行っております。自社業務に生成AIの活用を進めたい企業さまはお気軽にお問い合わせください。

この記事の担当者

Niwa Ayana

Niwa Ayana
職種:Webディレクター
入社年:2024年
経歴:2024年新卒入社後、大手外資系製薬会社さまの運用案件にアサイン。

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