【生成AI業務改善事例】マニュアル更新を生成AIで簡単に!ノーコード×PHPで効率化

DX事例

公開日:2025.10.22
更新日:2025.10.21

必要なファイルの軽快な動作が作業効率のカギ 膨大なページ数のPowerPointマニュアルを、生成AIとPHPを活用してWebマニュアルへと改善!

メンバーズメディカルマーケティングカンパニー(以下、MM)による「生成AI」の業務活用の事例を紹介します。今回は、膨大なページ数のPowerPointマニュアルを、生成AIとPHPを活用したWebマニュアルへと改善した事例をご紹介します。実際の作業の手順も含めて解説しますので、みなさまの業務にもお役立てください。

作業効率低下の要因は、重くて開かないファイル!?

所要時間1項目→5分で軽快な動作環境を構築 専門的知識がなくても誰でも作成・更新できるWebマニュアルへと改善

業務で使うマニュアルをPowerPointで作られている企業さまも多いのではないでしょうか。
しかし、PowerPointは高解像度な画像など含んでいるとファイルサイズが大きくなってしまい、開くのに時間がかかったり、ページ数が多く目的の情報にたどり着くのが難しいなどの問題が起こりがちです。
今回は、500ページ超のPowerPointマニュアルを、生成AIとPHPを活用して更新しやすいWebマニュアルへと改善した事例をご紹介します。PowerPointの「マニュアルが重くて開けない」「更新に手間がかかる」そんな悩みを抱えている方は、参考にしてみてください。

実際に行った作業の流れや、AIによるノーコード移植の工夫、PHPを活用し利便性を上げる方法について解説しますので、みなさまの業務改善にもぜひお役立てください。

【背景・課題】

■背景:
・500ページを超えるPowerPointの運用マニュアルがSharePoint(Microsoft提供の情報共有・業務コラボレーションのためのプラットフォーム)に格納されているが、オンライン上ではデータが重く読みにくい。

■課題:
・現状のままでも運用は可能なため、Webへ移植するのであれば少ない工数で行う必要があった。
・誰でも運用できるようにノーコードでマニュアルを更新したい。

【取り組み内容】

こちらの課題の解決には、Google開発の生成AI、Geminiを使用しました。Geminiを介してマニュアルの移植作業を行い、PHPを生成。生成したデータを動作の軽い自社サーバーにアップし、マニュアルサイトを構築しました。
また、ノーコードで運用ができるようにデータベースを活用し、オンライン上でマニュアルを修正して更新できるようにしました。

全体の作業手順やプロンプトの一部をご紹介しますので参考にしてみてください。

<作業手順>

■STEP1:知見のあるメンバーが、AIと壁打ちしながらPHPのテンプレートを作成

■STEP2:テンプレートの特定箇所を修正するプロンプトを作成

■STEP3:Geminiの内容をチームに共有し同環境にする。各ページの担当を割り振りチームで作成

■STEP4:生成されたソースコードをPHP形式で保存

■STEP5:自社サーバーにアップして完了

<プロンプト例>※こちらはサンプルですので、作成時の参考としてください。

運用マニュアルページのPHPソースコードを作成してください。

# ルール
Step 1:はじめにpageIdの入力をユーザーに求めてください。
Step 2:次に、マニュアルに使用するPDFのファイル名リストを、1行1ファイル名ずつテキストで入力するようユーザーに求めてください。
Step 3:pageId とPDF名とファイル名リストが入力された後、下記の「要望」に従ってPHPソースコードを生成してください。

# 要望
ー pdftemplate.phpのソースコードをベースとして作成してください。
ー $pageId = “●●●●”; の ●●●● の部分に、Step1で入力されたpageIdを挿入してください。
ー pdftemplate.phpに記述されているxxxxxの部分に、Step2で入力されたファイル名リストを記述してください。
ーファイル名リストをxxxxxに記述する際は、必ずファイル名の番号順(例:p_slide_Part32,p_slide_Part33,p_slide_Part34…)になるように並び替えてください。
ー xxxxxとpageId以外の記述は一切修正しないでください。
ー ソースコード内で参照される画像の拡張子は.pdfに固定です。
ー ソースコード内で参照される画像は、/slide/配下の画像です。

【成果】

Geminiを使用した改善施策によって、SharePointよりも軽快な動作環境を構築することに成功。専門的な知識がなくても誰でも作成・更新できるため、業務の運用効率の向上へと繋げることができました。
施策実施時の作業ポイントも併せてチェックしてみてください。

<改善内容>

■目次付きで項目整理:
500Pを超えるページは項目分けをして目次として整頓

■ページ内検索が可能:
ページ内検索など、元の使い方と同様の作業が可能なので効率も向上

■Web上で直接編集可能
軽度な修正はオンライン上で可能にしたことで効率アップ

<ポイント>

■楽に移植ができるようにAIとの対話を極力削減
■コメントの入力は3回で完成するようにGeminiのプロンプトを作成
■マニュアルの文章はページ内検索など、SharePoint内と同等の操作が行えるようにPowerPointデータをpdfに変換してページ内に挿入
■PHPなのでパスワードの変更など日々の運用で発生する簡易修正はオンライン上で更新することが可能で運用負荷が下がる

生成AI活用有無での作業手順before/after比較 生成AIを活用し、マニュアルの軽快な動作環境を構築

※その他、MMの生成AIに関する業務改善の記事はこちらでもご紹介しています。 

※生成AIのワークショップも実施中! 

ページ数が多く、重い資料も生成AIで軽快に!

生成AIで日常業務を軽快に! 医療・製薬・ヘルスケア業界の生成AI導入・運用支援は、メンバーズへ!

生成AIを使用し、専門的な知識がなくても誰でも作成・更新できる仕組みを整えた事例をご紹介しました。
日常業務において、作業の元データとなるPowerPointが重いというだけでも、作業者にとっては大きな負担になります。このような場合、現場の使いやすさを高めるツールとして生成AIを取り入れるのも一つの手段です。「今あるものを、もっと使いやすく」という視点で生成AIを活用してみるのはいかがでしょうか。

また、生成AIの導入や活用に興味はあるものの、技術を効果的に活用できる人材が確保できない企業さま、AIの結果の検証や信頼性、セキュリティに対する不安があるという企業さまもいらっしゃるかもしれません。MMは医療・製薬・ヘルスケア業界に特化した生成AIの導入・運用支援を行っておりますので、自社業務で生成AIを活用したい企業さまはお気軽にお問い合わせください。

この記事の担当者

安原 哲也/Yasuhara Tetsuya
職種: Webディレクター
入社年:2008年
経歴:2008年新卒入社後、メンバーズ→メンバーズキャリアを経て現在はメディカルマーケティングに所属。主に運用案件に従事。

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