2020年下期:社長インタビュー「成果へ繋ぐストーリーを描く!データ分析に見る、MM独自の強みとは?」

インタビュー

2020.11.10

みなさん、こんにちは。広報担当です。

今回はカンパニー社長、長野さんのインタビューをお届けします。 10月より下半期がスタートし、メンバーズメディカルマーケティングカンパニー(以下MM)の方向性を新たに考えているという長野さん。

世界規模で起こった新型コロナウイルスの流行により、春以降デジタル化に大きく踏み出した医療業界でMMがやるべきことは何なのか。カンパニー社長として今後のMMのデジタルマーケティングの展望などを語ってもらいました。

コロナ禍で始まった2020年度。MMも新たなステージへ!

10月より2020年度下期が始まり、MMは新たな期のスタートを迎えています。現在、日本全体がデジタル化について真剣に取り組んでおり、MMも引き続きメンバー全員がテレワークで業務に励み続けています。

今回は、コロナ禍の時代を見据えつつ、カンパニー社長の長野さんに今後の目標やMMの方向性を語ってもらいました。

デジタル化で中小の製薬会社にビジネスチャンスが拡大!

――今年度は新型コロナウイルスの流行期から始まり、医療業界にも大きな影響が出続けています。医療業界は、コロナショックでダメージを受けた業界でもあり、デジタル化が必須の業界でもあります。マーケティングの方向性など、今後はどのように変わっていくと考えていますか?

長野さん
「4~5月は、緊急事態宣言が発令されたことで、MRの活動量が減り、そこから強制的に製薬会社のマーケティング形式を変えなければならない状況になりました。新型コロナウイルスの流行とは関係なくMRの数は減少傾向だったので、デジタル化は既定路線ではありました」

「実際、春以降はウェビナーの実施はかなり増えましたし、MRは医師とのコミュニケーションをデジタルで取らざるを得なくなりましたので、ディテーリング資料のデジタル化などはかなり進むと思っています。また、デジタル化が広がることによっていままで製薬会社がフォローできなかった地方や小規模の施設の医師も情報を手に入れることができるので、長いスパンで考えると、医師全体のスキルレベルも上がり、その結果、患者さんのQOLを上げることにも寄与できるのではないかなと考えています」

――クローズだった世界が、少しオープン化されていくイメージでしょうか。

長野さん
「そうですね。MRと医師が1:1だった世界から、1:Nになるわけですから。デジタルはレバレッジが効きますので、中小の製薬会社にもビジネスチャンスが広がると思っています」

マーケティングを支援する「良き伴走者」でありたい

――これまでもデジタルマーケティングを着実に推進してきたMM。自分たちならではの強みも見つけられているのではないかと思います。今期全体の目標として「さらに強化を図りたい」「主軸にしたい」と考えているのはどんなところでしょう?

長野さん
「まずは、しっかりとお客さまに伴走しながらデジタルシフトをしていきたいと考えています。その中でMMが何を実現したいかというと、データ分析を強みにしていくということ。マーケティングに関するあらゆるデータを分析して、どんな対策を取ればお客さまの目的を達成できるのかを提案する。メンバーズは地道にお客さまのアカウント運用をしてきた企業ですから、そこは製薬会社に対しても強みになると思います」

――独自の分析スタイル、ということでしょうか。

長野さん
「データを『点』として捉えるのではなく、『面』で考えられるよう長期的に支援していきます。企業では複数のプロジェクトが常に並行して動いています。それらの施策が別々にならないにように連動性をもたせる。そのためには戦略ストーリーを描くことが必要です」

――これまでの業務の経験が存分に活かされそうですね。

長野さん
「ほかには、データを多面的に見ることも重要です。シングルソースデータで分析するだけではなく、例えば、ドクターのターゲットデータを組み合わせて行動を分析することで、ターゲットのニーズに応じたコンテンツを提供すれば、高確率で反応率が変わります。そういった改善提案する。」

「ここは分析のスキルが必要で、それがないと勘に頼った運用や施策になってしまいます。私たちの分析は実際にお客さまからも評価されており、過去実績も多くあります。また、一度ご依頼いただきましたお客さまに関しては、継続して分析依頼を受けることがほとんどです」

――この約半年間、医療業界のデジタルマーケティング環境の大きな変化があり、必要とされているものの本質は何かということを考えて来られたと思います。今、医療業界全体が必要としていることは何でしょうか。

長野さん
「今まではMRがリアルマーケティングをしながら、営業を担当する医療機関のドクターの志向(薬効重視、副作用を気にする…等)に合わせた対応をしていました。今後のデジタル化においては、例えばWEBサイトを制作するだけではドクターの志向性に合わせた情報提供はできません。デジタルでありながらもリアルマーケティングに近づくよう、個々が求めている情報をレコメンドするというのが求められると考えています」

――単なるデジタル化とはやはり少し異なってきますね。

長野さん
「今までは、MRがコミュニケーションのほとんどを担ってきたわけですが、それをWEBがやる時代になりました。これまでの製薬会社のWEBサイトは静的な(※あまり更新されない)ものだったかもしれませんが、今後は動的な(※頻繁に更新される)ものに変わっていくと思います。だからこそ、MRの役割の一部を担うのであれば、データを分析し、どのような情報を出すのかを考えなくてはなりません」

――コロナ流行期以降、クライアントからよく挙がるデジタルマーケティング周りのご要望(困りごと)などがあれば教えてください。

長野さん
「コロナが流行する前は、疾患啓発サイトなどで患者を顕在化する…というのを手掛けることが多かったのですが、コロナ以降は、MRのディテーリングが出来なくなり、デジタル化を強制的にしなければならなくなりました。そのため、お客さまからは『減ってしまったコミュニケーション量を増やしたい!』という要望はかなり増加しました。ウェビナーの回数を増やしたいとか、WEBサイトの会員数を増やしたい、そういった声がありましたね」

オールメンバーズ&資格取得で提供スキルを底上げ!

――冒頭で掲げた目標やデジタル化を推進するために、下半期は具体的にどんなアクションが必要になるのでしょう?

長野さん
「今期は、オールメンバーズ(カンパニー共同)で業務に当たって行きます。グループの中には、UXやデータアナリストなど、個別の領域に特化したカンパニーがありますし、メンバーズは大企業に特化したアカウント運用の実績もあります。それらのスキルをMMにも取り入れることでお客様に提供できるものを増やしていきます」

――MM内部としてはいかがでしょうか

長野さん
「今後はデジタルのスキルを上げることがより重要になってくると思っています。それにあたって、現在、メンバー各人のスキルシートを作成し始めています。プロデューススキル、プランニングスキル、分析スキルなどの経験・実績を見える化することで、お客さまに提供できるスキルが具体的になります。また、分析スキルを上げるためにも、メンバーそれぞれに分析に関する資格を取ってもらうようにしています。他にも、分析に特化した勉強会も社内で定期的に開催し、個々の分析スキルは常に磨いています」

――MMメンバーのみなさんは、上半期~下半期の流れの中で、どのような成長や行動の変化が見られましたか?

長野さん
「医療を専門としたデジタルマーケティング企業としての経験は積めたと思っています。設立以来続けてきた内部での勉強会や研修体制、社内のwikiを蓄積してきたことなどで知識レベルはお客さまと仕事をするうえで問題ないレベルには到達しました。中途社員2名もMMの一員として、定量的なデータ分析の基礎が身についてきたと感じています」

――MM全体のレベルの底上げが出来ていると感じますね。

長野さん
「個々のメンバーの意識が高いので、一人ひとりが積極性を持って仕事に取り組んでくれているからこそ…の部分でもあると思っています。企業としての目標を、MMの社員たちが自分ごととして捉えているからできることでもあります。例えば、業務内容が運用の場合、作業的に業務をするのではなく、『お客さまのことが誰よりも理解できていないと運用はできない。』そう思って業務に当たっていますね。MMはメンバーズの方針を体現しているようなチームですから」

――では、少し厳しい質問かもしれませんが…MMの課題(もっと強化した方が良いと感じる点)は何でしょう?

長野さん
「上期の反省点としては、お客さまの困りごとと、こちらが提供できるものをフィットさせられなかった…ということがあります。ある意味では、MMの強み、自分たちのセールスポイントにきちんとフォーカスできていなかったのかなと。今期の目標でもありますが、きちんと強みをアピールしていこうと思っています」

成果へ繋ぐストーリーを提供できる「高度な分析スキル」を持つ!

――医療業界のデジタル化の流れの中で、デジタルクリエイターの需要は高まり続けていきます。その中でも質の良いクリエイターが選ばれていくことになると思いますが、MMのクリエイターがこれからもクライアントに選ばれるために、下半期の人材育成はどのように強化していこうと考えていますか?

長野さん
「私たちはお客さまが求めている成果を出す、というのが最終的な目的です。どんな案件でも、お客さまのご要望に対してデータを分析し、成果を出せるストーリーを描けなくてはなりません。しかし、そのようなスキルを持つ人材を集めるのは非常に難しいものです。ならば、私たち自身が個々のスキルを常日頃から磨かなくてはならない。」

「先ほどもお伝えしましたが、今後は業務の経験だけではなく、特にデータ分析スキルを中心に資格取得や勉強会を継続し、スキルのエッジを立て、成果型の人材を増やしていく予定です」

――MMは、まだ数少ない医療業界を専門としたデジタルマーケティングの企業です。MMならではの特色をどのような形でアピールしていこうと考えているのでしょうか?

長野さん
「医療業界に特化したデジタル運用支援会社というポジションですね。制作メインという企業が多い中で、私たちはお客さまの懐刀(ふところがたな)、または右腕として、お客さまのマーケティングを支援していこうと考えています」

より良い医療のすそ野を広げていく仲間を増やしたい

――最後に、この時代の中でMMは社会にどんなインパクトを与えていきたいですか? カンパニー社長として、これからの社会課題の解決に向けて歩んで行くためのアプローチ〈MMの方向性〉をお伝えください。

長野さん
「現在、製薬会社に求められているものは言うまでもなくデジタルシフトです。冒頭でもお伝えしたように、デジタル化が広がることで医療格差が少なくなっていくことであったり、間接的には医師の過重労働を減らし、労働環境が改善されれば医師のなり手を増やすことにも繋げていけるのではないでしょうか。」

「私たちはその第一歩として、デジタルマーケティングを推進しています。そして、そのインパクトを与えるためには、私たちが手掛ける疾患の領域を広げ、事例を増やしていかなくてはなりません。そのためには、まず、同じ想いを持つ仲間を増やす必要があります。下期は人材を増やすことにも注力して行きます」

――そのほか、長野さん自身が起こしたい下期のアクションはありますか?

長野さん
「医療業界のデジタルマーケティングを推進するには、この業界のマーケッターのデジタルスキルも上げていかなくてはなりません。そのためのデジタルマーケティングの情報発信をこのブログを通してやっていきたいと考えています。」

「デジタルマーケティングという切り口の情報は大量にありますが、医療業界の…となると途端に情報が少なくなります。そこで、医療業界のマーケッターがこのブログを読んで、デジタルにできることやデジタルマーケティングの知識、世の中のDX事例に目を通していただき、自社のデジタル化に組み込んでもらったり、個々の知識を補ってもらう。そんな役割も担っていきたいと思っています」

――ありがとうございました!

日本の医療課題に寄り添う企業であり続けるために

みなさん自身も含め、私たちは今、医療業界の大きな変化を経験しています。これからの日本の医療業界をデジタルで推進していくためのアプローチをどうすべきか、長野さんを中心にメンバーの一人ひとりが常に考え続けてきました。

10月からの下半期は、自分たちならではの「強み」を活かし、確実にミッションビジョンへ向けて歩んでいくMMの姿を感じてもらえたのではないでしょうか。

医療業界が急速なスピードで変わる中、MMは変化に柔軟に対応しながら進んでいます。そして、これからも医療業界のお客さまの困りごとやご要望に寄り添い、デジタルマーケティングを内部からサポートし続けていきます。