【社員紹介】医療や地域包括ケア領域のサービス開発経験を通して医療や介護の現場を知るプロデューサー

インタビュー

2024.04.24

【社員紹介】医療や地域包括ケア領域のサービス開発経験を通して医療や介護の現場を知るプロデューサー

みなさん、こんにちは。広報担当です。今回は私たちメンバーズメディカルマーケティングカンパニー(以下、MM)のプロデューサー、内海篤人さんを紹介します。すでに医療関連のサービス開発や営業の経験などもあるため、医療や介護の“現場”を知っている方でもあります。インタビューを通してこれまでの経歴や業界に対する想いなどを語ってもらいましたので、ぜひご覧ください。

“情報を止めない”ことを使命に動いたニュースサイト運用時代

―― 今回は改めて社員紹介というカタチで内海さんの現在やこれまでの経歴についてお話を聞かせていただければと思います。よろしくお願いします。早速ですが、入社歴と社内での担当業務について教えてください。

内海さん「内海 篤人(ウチウミ アツト)です。よろしくお願いします。2023年11月入社なので、現在4ヶ月目(※インタビュー時)です。いまはプロデューサーとして初回提案の企画書作成や提案などをしています。4月からはクライアント案件に入る予定なので、そうすると提案業務と兼任になるかな……という感じです」

―― 業界でのお仕事の経験がある方なので、すでに即戦力として期待されていますね! 過去の経歴についてもお聞きしたいのですが、医療業界でサービスを提供する側である事業者の経験以外にもゲーム制作会社など全く違うお仕事の経験もあるんですね。

内海さん「そうです。ゲーム制作もやっていましたが、Webの運用の経験もあります。2008年に新卒で入った会社はサイバーエージェントの系列の会社でモバイルコンテンツ専門の企画・運用職を担当していました。

この会社は内定が大学3年の1月に出ていたので、バイトの期間を含め6~7年仕事をしました。当時はガラケーの時代で、携帯キャリアの公式サイトというのがあって。僕は野球コンテンツの担当をして更新作業などをやっていましたね。シーズン中はゲーム終了までリアルタイム更新もしていました。

あとは運用経験があったので、そこから提案書も作成するようになりました。各キャリアに新たな企画をするために『こういう視点がユーザーにはあるので、○○をやる価値があります』とか、『こういう画面構成です』という時に提案書で確認をしなければならないのですが、多い時は個人としては3本~4本前後、部署として月に20本ぐらい作成してサービス拡充を図っていましたね 」

―― ということは、社会人になって最初から提案業務をバリバリこなしていたのですね……! それからの業務はどんな風に変わって行ったのでしょう?

内海さん「2~3年はそんな感じだったんですが、その後は僕も運用をやってみたいということでニュースサイトの運用をやりました。

何をやっていたかと言うと、ニュースサイトは自社で執筆する記事以外は新聞社からニュースを買うのですが 、そのニュースに対して見出しを付けたりもしていましたね。当時のガラケーの画面の幅で折り返さなくても見える範囲に収めるように10文字、10.5文字ぐらいだったかな……。

あとは虚偽の見出しにならないようにしつつ、クリック数を稼げるような……という感じで。プラス、ニュースに紐づく掲示板の巡回なんかもしていました。ニュースサイトなので、当時の勤務時間は早番なら7時~とかでしたね。

ちなみに、この時に3.11(東日本大震災)を経験したのですが、この時に初めて自宅にPCを持ち帰って在宅の対応をしました。ニュースサイトの運用者だったので、マスコミの端くれとしても“情報を止めないことを使命にする”という意識を持っていました。

その後は自分がゲーム好きだったこともあってゲーム制作の会社にいくのですが、当時は色々な会社がありましたね」

ゲーム制作会社で版権モノのソシャゲ立ち上げを経験

ゲーム制作会社で版権モノのソシャゲ立ち上げを経験

―― 時期的にソーシャルゲームが流行っていた時代だったかと思うので、企業数もかなり多かったと思います。

内海さん「その当時、転職サイトからのスカウトか何かで僕の好きなタイトルを運営している会社がたまたまあって。その会社の方と話をしてみたら『じゃあ、やりなよ!』ということで入社しました(笑)。

で、そのゲームの運用もやりつつ、新しい事をやってみない? となって新規のタイトルの立ち上げから関わることができました」

―― ゲームの立ち上げってイメージするだけでも大変そうですが、楽しそうでもありますね。

内海さん「大変でしたけど、やりがいはありましたね。何も決まっていない状態からだったので、デザインや画面の構成はどうするか、ソーシャルゲームはカードゲームなので、カードデザインはどうしようとか……。

ちょっと大変だったのが、版権モノだったので販売元はゲームソフトウェアの企業さま、キャラクターの権利は著作権元の企業さまが持っている。なので、何かをやろうとする時はゲームソフトウェアの企業さまから著作権元さまに確認をするというフローが常に発生しましたね。

また、取り扱うキャラクターには根強いファンがいらっしゃるので、“ファンを裏切らないシステム設計”にしないといけなかったり。取り扱った版権キャラクター特有の制約もありました。

その後にいたゲーム事業の会社では、実務というよりカスタマーサポートや品質管理をやっていましたね。バグチェックやお客さまの声を集約・分析して、改善案を出すというような内容です。そんな形でゲーム業界には2018年までいました」

手探り状態の転職から地域包括ケアに関する領域へ

―― それから医療や製薬の方へ向かっていくことになるわけですね。そのきっかけは何でしょう?

内海さん「僕の妻が看護学校に行っていて、医療系の仕事をやっていたというのがあって。なので、僕も興味があったし、その頃に親が病気で倒れてしまったというのもありました。でも、その当時は、医療系の職種といってもどこで働けるか分からなくて」

―― 今までと畑が全く異なりますからね……。

内海さん「看護師、医師、薬剤師etc…そういうものを目指すなら医療系の学校に行かないと……と考えたりしました。でも、どの学校でも実習が入るし、働きながらやるには長い期間と会社の理解も必要です。

そんな事を考えていた当時、転職サイトに掲載されていた企業が自分の働いている会社から歩いていけるほど近い所にあったんです。そこから縁に繋がりましたね(笑)。

この会社は地域包括ケアに関する領域の事業をやっていて。地域包括ケアというのは、医療、介護、福祉など、さまざまなサービスや専門家が協力して地域住民の健康やQOLを向上させることです。

なので、医療と介護は密に連携を取ってくださいね、という国の方針に対して医療従事者・介護従事者・患者さんを繋げる専用のSNSを作っていました。とはいえ、僕は畑違いの仕事をして来たので、この領域にチャレンジできるとは思っていませんでした」

―― そんな思いがありつつも、医療系のお仕事を始める第1歩になったのですね。

内海さん「ここではカスタマーサクセスのディレクターとして入社させてもらいました。当時は10人程の会社でしたが、このSNSツールの使い方をさまざまな施設などに説明しに行かなくてはならないわけです。

全国に900箇所ぐらい医師会は存在するのですが、問い合わせがあれば僕と副社長でその場所へ説明に回りました。これで朝から晩まで、多い時は週に4日とか(笑)。

覚えているのが、群馬のとある場所へ訪問した時です。夕方から説明をしに行って、終電ぐらいで帰って。この頃は移動で1日が終わってしまいましたね。

そんな形でカスタマーサクセスとして仕事をやっていましたが途中で営業の人間が減ってしまって、カスタマーサクセス+営業というような形になって、その後は営業に注力するようになっていきました。

それからは介護用おむつの販売促進を大手製紙メーカーさんと一緒にやり、施設単位で話を聴きに行ったりとか、学会に出展をして医療従事者の方に話をさせていただいたりとか」

―― 単純に、製紙メーカーさんがやってくれれば良い……というものでもないのでしょうか?

内海さん「ここで何がしたかったかと言うと、新しい販売チャネルを増やしたかったというのがあって。会社としては在宅サポートのサービスとして業務用の介護おむつを売りたいと思っていたのですが、在宅で介護を受ける方がおむつを使う一連の流れの中で何ができるかを考えてみると、そう簡単なものでもないというのが分かるんです。

例えば、販売チャネルを増やすためにドラッグストアに在庫や販売状況が検索できるような仕組みを作ったとして、利用者がわざわざ特定のメーカーの商品の在庫を探してまでそれを買うのか? ということも考慮しなければならなかったりしますし」

―― 使い心地などが明らかに違わなければ、メーカーなどはこだわらないかもですね。

内海さん「あとは、ドラッグストア以外に自治体も関わってきます。自治体にもよりますが、介護用おむつの支援をしている自治体もあります。

それに、支援がないところだってあるし、○○円まで、という補助が出るところもある。他にはカタログ形式でそこから選ぶとか。あとは、介護施設との関わりもあります。

もしも足りなければ施設で使っているものを置いて行ってあげることもありますから。……となると、おむつを選んで買うという能動的な行動をする理由って少ないんですよね。

介護用おむつについては、メーカーごとの性能の差が一般の方の視点では区別がつきにくいだろうと思いますし、赤ちゃん用のおむつほど好き嫌いが分かれるものでもないので、ちょっと難しいことが分かりました(笑)」

コロナ禍で拡大したWeb問診サービスでカスタマーサクセスに従事

コロナ禍で拡大したWeb問診サービスでカスタマーサクセスに従事

―― 自治体や介護施設など、他からの働きかけが案外多いんですね。

内海さん「何でもビジネスを考案する時に『可視化する』っていう事をすると思うんですが、病院と在宅の間には“退院カンファレンス”もありますし、そこにはいくつもの職種の方が関わります。医師、看護師、リハビリ支援、ソーシャルワーカー、訪問看護・介護、ケアマネジャー、薬剤師etc…。

また、先ほど話したように施設や自治体が関わる部分も多いので、可視化する要素として病院と在宅介護のラインだけでは全然足りないという事です。だから、病院経由で在宅ケアを受ける方に『これを使ってくださいね』と伝えるだけで済む話ではなかったです。

なので、おむつをどう選んでいるか、どうやって使っているかを知るために、在宅介護をされていらっしゃる方のお宅にユーザーインタビューをしに伺ったりもしましたね。

その後はWeb問診事業をやっている会社に転職し、医療機関を受診する前にWeb上で問診ができるサービスを作って売っていました。カスタマーサクセスとして入社しましたが、当時は創業者の社長を含め4,5人しかいなかったので、営業以外のすべての業務に携わっていましたね。サービスのオンボーディングや経理周りの入金作業もしていました」

―― 会社を動かしながらサービスを売っていくという(笑)。ハードそうです。

内海さん「そうですね。経理って大変だな、経理の方もちゃんと雇わないとな……と思いました。でも、楽しかったですよ。やりがいはありました」

―― Web問診は近年広まっているサービスなので、売る側としても楽しめそうです。

内海さん「開業医の先生とのやり取りが多かったので、導入の判断が早かったのも良かったですね。また、当時はコロナ禍の時期だったので、特需が発生していましたし。

それでも、医療業界は紙の文化が根強いので『紙でイイや』っていうのもありました。FAXも使っていますし、パソコンが1人1台支給されない医療機関もまだありますしね。さらに医師に関して言えば、『メールを見てください』、『メールは見る価値があるんですよ』という段階だったり……」

国の働きかけと医療現場のDXにはまだ乖離がある

―― 現場の実情を知るとDXなんてまだ遠い……っていう話になってしまいそうです(苦笑)。

内海さん「実の所、そんな話もあります。ただ、この先の高齢化と労働人口の減少は確実なので、国としては何かしら医療現場の効率化はしていかなくてはならないわけで。

2024年の診療報酬改定を見る限り国はDX化を推進しない医療機関に対して報酬を下げるように舵を切り始めています。その期間の一つの区切りを 2030年として定めているのが厚生労働省の『医療DX令和ビジョン2030』ですね。

で、MMに入社する直前に居た会社の話に繋がるのですが、ここでは医療機関向けのDXの推進プロジェクトで改修や機能拡充などを担当していました」

―― タイムリーなプロジェクトですね。

内海さん「しかも、病院のDX化を推進するうえで一つのことに対して多くの人が関わっていることがわかりました。例えば電話一つをピックアップしてみてもそうですよね。医事課の方や診療科の受付、それぞれの診療科……と。

あとは料金がどれくらいになるか、システムを導入するより人に取り次いでもらう方が結局コスト的にも良いのか? 何が障壁になるかっていう所もキチンと考えてみないと分からないこともたくさんあります。なかなか一筋縄ではいかないですし、この業界ならではの難しさというのもあるんですよね」

―― 勉強になります……! 実際に事業者としてサービスに関わったことがある内海さんだからこその貴重なお話が聞けました。では最後に今後MMで業務をするにあたってメッセージをお願いします。

内海さん「医療の現場にいらっしゃる医師や看護師さん、薬剤師さんには遠く及びませんが(笑)、とは言え、ドクター、医師会、介護関係の方とはかなりの数の方と話はさせていただいてきたと自負しています。

なので、新たなサービスをどう普及させるのか、または、実現可能なのかという視点で考えられることが僕の強みです。関連各所の対応であったり、そういうリレーション対応の部分で力になることはできるのではないかと考えていますので、よろしくお願いします」

――ありがとうございました!

今後も内海さんのインタビューを通してこれまでの業務経験から顧客理解をするためにどのような点に気を付けるべきなのかなどについての記事を掲載いたします。ぜひ楽しみにお待ちください。

【プロデューサーインタビュー:顧客理解 前編】現場を知る大切さを実感! 介護支援サービスの販路拡大時代


メンバーズメディカルマーケティングカンパニーでは製薬業界に特化したプロフェッショナルによるDX推進や生成AIの導入・運用支援を行っております。スピーディーにデジタルマーケティングの活用を進めたい企業さまはお気軽にお問い合わせください。

この記事の担当者

医療や地域包括ケア領域のサービス開発経験を通して医療や介護の現場を知るプロデューサー 内海 篤人

内海 篤人/Uchiumi Atsuto
職種:プロデューサー
入社年:2023年
経歴:Web業界(企画・ディレクター)→ゲーム業界(プランナー・カスタマサポート)→ヘルステック企業(カスタマーサクセス・事業責任者)に従事