“医療従事者”はどの職業?20種以上ある医療関係の仕事とは

コラム

2020.06.26

みなさん、こんにちは。広報担当です。

今回は、ニュースなどでも良く聞かれるようになった言葉、“医療従事者”について紹介していきます。みなさんも“医療従事者”と耳にすることはあっても、どこからどこまでの職種を指しているのだろうと感じることも多いのではないでしょうか。

医師、看護師など、イメージしやすい職種以外には何があるのか。仕事の内容も含めて説明していきます。

“医療従事者”の定義は、実はあいまいです

昨今、ニュースなどでも“医療従事者”という単語が飛び交うようになりました。頻繁に耳にするけれど、一体どのような職業が分類されるものなのか気になっていた方も多いかもしれません。

しかし、この“医療従事者”という単語、厳密な定義づけはされていないようです。その言葉から連想されるように医療に従事する者という意味であり、医療の資格保持者としての使われ方ではなく、医療に携わる職業全体を指すものとして使用しています。

医療に携わる職業は多いため、職業一つひとつを列挙するよりは“医療従事者”としてまとめてしまった方がより多くの職業を含めることができます。ある意味では、幅広い意味で使うことができる便利な単語とも言えます。 今回は、そんな“医療従事者”にスポットを当て、医療に携わる数多くの職業には何があるのかを調査してみました。

20種以上ある職種をチェック!

ここでは、厚生労働省が「医療関係従事者数」として公開していた一覧の職業を医療従事者として説明していきます。(以下で紹介する職業は、資格や免許が必要な医療関係の職業です。)

【医師や助産師、看護師など】

これらの職業が最も“医療従事者”として思い浮かびやすいカテゴリに含まれるものではないでしょうか。病院や診療所・クリニックで患者さんの治療や患者さんのケア、診療の介助をされる方々です。

◆医師…病気やケガの治療・診察を行う。病院に勤めている場合は勤務医、診療所などを開業すれば開業医となる。他にも研究機関などに勤務する研究医と呼ばれる職業もある。

◆助産師…かつては“産婆”とされていた職業。現在は国家資格が必要な仕事となっている。日本の法律では女性のみの職業であり、妊婦の出産前後に広く関わりサポートをする。

◆看護師…医師の指示の下で患者の診療や診察の補助をする。血圧や体温の測定、採血など患者と接することが多く、精神面なケアもしている。手術室に配属される看護師は術中の器材の手渡し、麻酔の介助など手術の補助を行う。

◆准看護師…医師や看護師の指示の下、病気や怪我を患っている人の看護や診療の補助を行う。看護師との違いは資格の発行者。国家資格ではなく、都道府県知事が発行する資格となる。しかし、介護福祉士には許可されていない医療行為が可能なため、介護施設など必要とされる仕事場は多い。

◆救急救命士…一般の救急隊員とは異なり、救命救急士国家試験が必要。主に救急車内などの救急現場において医師と連絡を取りながら処置をする。除細動や気管挿管、点滴処置、薬剤投与などの高度な救命処置が認められている。

◆薬剤師…病院や薬局で医薬品の調剤、管理、販売などを行う。製薬会社で働く薬剤師の場合は、薬の研究・開発が仕事となる。病院、調剤薬局、行政機関など、施設によって仕事の内容が変わる。

◆保健師…赤ちゃんからお年寄りまで、その地域の全世代の保健指導や健康管理が仕事。看護師のように病気の治療に関わるわけではなく、病気や健康トラブルを未然に防ぐ予防医療の役割をする。病院や介護施設、企業や教育機関など、活躍の場は幅広い。

【理学療法士、放射線技師、臨床検査技師など】

ドラマなどでも取り上げられることがある、やや特殊な医療業務です。名前だけは聞いたことがあるというものもあるのではないでしょうか。こちらで紹介する職業は、それぞれの分野のスペシャリストのようなものが多いです。

◆理学療法士…医学リハビリテーションを専門に行う。病気やケガをした患者さんや介護施設の利用者の基本的動作能力(歩く、立つ、座る、寝返りなど)の回復を図る。患者の能力や生活環境を考慮しながら、運動・マッサージ・電気刺激などで適切なリハビリを行う。

◆作業療法士…心や身体に障がいのある方に対して、日常生活の能力改善・維持のためのサポートをしていく。運動以外にも食事・更衣・排泄・入浴などのセルフケアや社会復帰のための訓練など、扱う領域は幅広い。

◆視能訓練士…医療機関などで眼科関連検査を行う仕事がメインとなる。視力、眼圧、視野、色覚、光覚を検査するほか、弱視や斜視の改善訓練、視力が低下した患者へ症状の進行を抑えるためのリハビリなども行う。

◆言語聴覚士…聴く・話すことによるコミュニケーションが困難となってしまった方を支援する仕事。状況を改善・軽減するため発声練習や手話などでリハビリをする。ほかにも摂食嚥下の方のサポートや、聞こえの障害に対しては補聴器の装着や人工内耳の調整も行う。

◆義肢装具士…医師の指示の下、患者の手や脚の役割を果たす“義肢”と、身体機能を補い、回復をはかるためのギブスやコルセットなどの“装具”を製作し、病院などで適合を行う。

◆診療放射線技師…医師または歯科医師の指示を受けて放射線を人体に照射する仕事。画像診断やCT検査、がんなどの放射線治療、放射線を使用しないMRI検査も業務内容に含んでいる。それ以外にも、扱う装置の管理や放射線被ばく管理も行う。

◆臨床検査技師…病院などで血液検査や心電図などを取っているのは臨床検査技師。臨床検査によって採取した患者さんのデータを医師に提供するのが仕事。臨床検査技師の仕事は、血液など患者さんの体から採取した検体(身体組織)を検査する「検体検査」と、脳波や超音波検査などの医療機器を使って患者さんの身体を直接検査する「生体検査」がある。

◆臨床工学技士…医療機器を使いこなすための知識や技術を持つスペシャリスト。医師の指示のもと人工透析や血液浄化装置、人工呼吸器などの生命維持管理装置を操作して治療のサポートをしたり、医療機器が安全に正しく使用できるように保守点検を行う。

【歯科関連】

歯にまつわる医療従事者は、みなさんにとっても比較的接点の多い職業ではないでしょうか。しかし、この中には治療中には殆ど会うことがない歯科技工士が含まれています。

◆歯科医師…虫歯・歯周病の治療や予防、歯列の矯正、インプラント手術などを行う。そのほか、ホワイトニング等の審美歯科やインプラント手術、口内炎や顎関節症などの診療も含まれる。

◆歯科衛生士…虫歯や歯周病の予防や歯科医師の診療サポートをする仕事。また、介護が必要な方に対する訪問歯科としての口腔ケアのニーズも高まっている。歯科助手とは異なり、患者の口腔内に触れる医療行為が行える。

◆歯科技工士…歯科医師の指示書に従い、患者の歯に合わせた詰め物や被せ物を作成する。ほかにも、入れ歯・矯正器具・インプラントなどの製作やメンテナンスも行う。就業場所の約7割が歯科技工所で、残りが病院や診療所となる。

【はり・きゅう関連】

すでに一般用語のように扱われている「鍼灸師」という言葉ですが、実は「鍼灸師」という資格は存在していません。正確には、「はり師」と「きゅう師」という2つの資格に分かれており、「はり師」と「きゅう師」の資格を同時に取得しているため、2つをまとめた呼び方になっているようです。

そのほか、「あん摩マッサージ指圧師」や「柔道整復師」など、違いが良く分からない職業の仕事内容についてもチェックしてみましょう。

◆あん摩マッサージ指圧師…東洋医学に基づき、あん摩、マッサージ、指圧の技術を用いて患者の自然治癒力や免疫力を高める。器具を使用しないため、なでる・押す・揉む・叩く・さするなどの手技で血行を改善し、不調を和らげる。

◆はり師…注射針とは異なるステンレス製の細い針を使って体のツボを刺激することで治療を行う。はり師によっては鍼に電流を流して治療することもある。鍼の太さは一般的な注射針の約3分の1で、刺したときの痛みもほぼない。

◆きゅう師…薬草から作られる“もぐさ”を使い、ツボに刺激を与えて治療を行う。体への負担がほとんどないため、肩こりや腰痛、冷え性以外にも幅広い治療に使われる。

◆柔道整復師…かつては“ほねつぎ”や“接骨師”とされていた仕事。骨折や脱臼、ねん挫などの損傷を骨や関節を整復・固定し、器具を使わず自然治癒力で治療する。接骨院や整骨院で働くほか、スポーツトレーナーとしての働き方もある。

ほかにもある、医療現場を支える仕事

主な医療従事者を説明してきましたが、上記に含んでいない医療関係の職業として、管理栄養士や医療事務、院内の清掃をしている方もいます。

直接患者さんと触れあったり、治療に関わらなくとも各分野のプロフェッショナルがいることによって、患者さんの健康は支えられています。

医療従事者の負荷を減らし、働きやすい未来を創るために

今回説明した職業以外にも“医療従事者”としての仕事は存在するかもしれませんが、これだけ多くの医療に関するプロフェッショナルがいるお陰で、私たちは質の高い医療を受けられているのはないでしょうか。

しかし、少子高齢化社会にある日本の医療現場は常に人手不足であり、私たちもブログで何度も取り上げているように製薬会社のMRも減少しています。さらに、ピークは過ぎたものの、新型コロナウイルスの影響も深刻です。医療従事者の人手不足を解消するための新たなテクノロジーとしてデジタルの重要性は増す一方です。

これからの未来、私たちの健康をサポートしてくれる“医療従事者”のみなさんが安心して働ける環境を創るためにも、メンバーズメディカルマーケティングカンパニーもデジタルトランスフォーメーションを通し、より良い医療を提供できるよう支援を続けていきます。