【コラム】2021年3月運用開始「マイナ健康保険証」!デジタル化で変わっていく私たちの生活

コラム

2020.11.18

公開:2020年11月18日

みなさん、こんにちは。広報担当です。

今回は、政府が新設すると宣言した「デジタル庁」に関連し、これから導入される「マイナンバーカードの健康保険証利用」の仕組みにスポットを当てて紹介していきます。

2021年の3月にこのシステムが取り入れられることで、これまで不便さを感じていた手続きが変わっていくかもしれません。政府がデジタル化を推進することで、私たちの身の回りがどう変化していくのかをみなさんも考えてみませんか。

デジタル庁創設でスピードアップするDX! 日本のデジタル化がようやく始まる!

9月に発足した菅内閣。その中の政策でも「デジタル庁」の設置には、みなさんも関心を高めているのではないでしょうか。

今回創設される「デジタル庁」の改革内容として挙げられているのは、主に以下の4つです。

◇国や自治体のシステム統一
◇マイナンバーカードの普及促進
◇スマートフォンによる、行政手続きのオンライン化
◇オンライン診療やデジタル教育の規制緩和

当ブログでも、オンライン診療については取り上げていましたが、今回は改革の一つに含まれる「マイナンバーカードの普及促進」に焦点を当て、健康保険証の代用ができる「マイナンバーカードの健康保険証利用」について解説していきます。

健康保険証は、私たちも病院・歯科医院などへの通院で欠かさず持参しています。今後、マイナンバーカードの健康保険証利用ができることで、一体どんなメリットがあるのでしょうか。これからに備え、その便利さや追加される機能について知識を付けておきましょう。

また、新設される「デジタル庁」は、年内に基本方針を定め、来年の通常国会に必要な法案を提出…というスケジュールで動いています。今後も政府が発表する具体的なデジタル改革の内容に、私たちも大いに注目しています。

マイナンバーカードで変わる日常!2021年3月より「マイナ健康保険証」運用開始

マイナンバーカードの健康保険証利用は、来年の3月より開始されます。

これによって、マイナンバーカードが病院・歯科医院・薬局で保険証として利用可能になります。さらに、医療機関での受付はマイナンバーカードで対応ができ、月が替わるごとの保険証の提出も不要になります。

また、医療従事者側はマイナンバーカードで受付することによって、患者の同意があれば医療データの共有もできるようになります。口頭で説明しなくとも、薬の情報や手術歴などに医師がアクセスできるため、医療従事者にもメリットがあるシステムです。

引用:厚生労働省資料より抜粋

単なる一元管理だけじゃない!「マイナ保険証」を持つメリットをチェック

ここからは、マイナンバーカードの健康保険証利用が患者、医療機関、それぞれにどんなメリットがあるのかを見ていきましょう。(※ここでご紹介する機能は、段階的に追加されます)

◆患者側のメリット◆

顔認証により受付が自動化される
・自動受付によって、人との接触を最小限に抑えることができる。
・顔認証で、本人確認と保険証確認(※)を一度に実施可能。

(※) 法令により義務付けられている。健康保険法施行規則第54条には、「当該保険薬局等から被保険者証の提出を求められたときは、当該処方箋及び被保険者証を提出しなければならない」と記載されている。

データに基づく診療・薬の処方が受けられる
・過去の薬や特定健診の情報が自動で連携されるため、口頭での説明をしなくても良い。
・データを見たうえでの診察・薬の処方によって、より良い医療が受けられる。
・旅行先や災害時に医療機関等で診察を受ける場合にも、薬の情報等が連携される。

窓口での限度額以上の医療費の一時支払いが不要
健康保険証を忘れた場合、保険が適応されず医療費も満額の支払いになる。マイナンバーカードを保険証として利用することで一時支払いをしなくて済む。

転職や引越し時、健康保険証の発行前でも受診ができる
健康保険証が発行されない期間に医療機関で受診したい時は、マイナンバーカードを保険証として利用することができる。医療費が全額自己負担となる心配もない。

医療費控除の申告が簡単になる
マイナポータルからe-Taxへの連携が可能。

薬や特定健診の情報をマイナポータルでいつでも見られる
自分の記憶に頼らず、過去の正しい履歴をチェックできる。

◆医療機関側のメリット◆

オンラインで資格確認ができる
マイナンバーカードから患者の資格情報を取り込めるようになるため、受付担当者が患者情報を都度入力する手間を省ける。

顔認証により受付が自動化される
自動受付によって、人との接触を最小限に抑えることができる。

データに基づく診療・薬の処方ができる
患者の記憶のみに頼らず、データを基に患者に最適な医療を提供することができる。

窓口での限度額以上の医療費の一時支払いが不要
患者から一時的に自己負担で支払われなくても、直接公的医療保険からの支払いを受けられる。

こうしてチェックすると、患者側のメリットもかなり多く見られます。自身が受ける医療にも反映されるほかにも、普段の生活の利便性も上がることが分かります。

「マイナ保険証」利用開始に向けた取り組み状況と今後アップデートされる機能

新たなシステムの導入にあたり、医療機関側での取り組みは現在どのような状況なのでしょうか。私たちには見えない部分でもありますが、国からの多額の予算が投入され、システム周りの整備が進んでいる模様です。

◆医療機関・保険者などの導入準備◆

医療情報化支援基金により、令和2年度は768億円の予算で医療機関・薬局のシステム導入を支援している。カードリーダーの申込み受付は8月に開始されており、12月から運用テストが順次開始される予定。支払基金・各保険者においては、オンライン資格確認に対応したシステム整備・改修を実施。7月より運用テストを実施中。

◆被保険者へのカードの取得支援、医療機関・薬局等への周知◆

国家公務員、地方公務員共済組合は、マイナンバーカードの取得申請書を配布。国民健康保険を運営する市町村は、被保険者証の更新時にマイナンバーカードの取得申請書等を送付し、カード取得を支援している。各都道府県の保険医療機関・薬局への周知としては、WEBの説明会や直接訪問で導入に働きかけている。歯科医院は、歯科医師会によるカードリーダー申込みの取りまとめを実施中。

◆今後の追加機能◆

医師は手術、移植、透析、医療機関名等の情報も共有できるようになっていく予定。また、電子処方箋の仕組みは、令和4年夏を目処に構築される。これによって薬剤情報の共有がリアルタイムにできるようになる。

従来の健康保険証は使える?保険者が変わったらどうする?「マイナ保険証」の疑問をピックアップ!

マイナ保険証Q&A

マイナンバーカードが保険証代わりになることで、「こんな場合はどうするのだろう?」という疑問もいくつか浮かんでくるかと思います。

基本的な疑問をピックアップしていくので、みなさんもチェックしてみてください。

Q.2021年3月以降は、これまで使っていた健康保険証は使えますか?

A.はい。従来の健康保険証も使えます。

Q.マイナンバーカードがあれば健康保険証が無くても、どの医療機関でも受診できますか?

A.いいえ。オンライン資格確認が導入されていない医療機関・薬局では、マイナンバーカードでの受付ができません。従来の健康保険証が必要です。

Q.健康保険証としてマイナンバーカードを利用するための手続きは、どうしたら良いですか?

A.マイナポータルの画面に沿って申し込み手続きをしてください。
※マイナンバーカードの申請をしていない方は、ここ(PDF)から申請方法をチェック

Q.子供が医療機関で受付する場合、窓口での手続きはどうなりますか?

A.親御さんなどの代理人が、お子さんのマイナンバーカードを使って受付をします。その際に、暗証番号の入力をすることで本人確認を取ります。

Q.保険者が変わった場合(保険者を異動した場合)の手続きは必要ですか。

A.はい。保険者への異動届等の手続きは必要です。

さらに詳しく利用時についての疑問や、使い方等を知りたい方は、厚労省のページもチェックしてみてください。
厚生労働省:マイナンバーカードの保険証利用についてお知らせします(被保険者向け)

「マイナ健康保険証」は健康管理の味方!デジタル化で、全国民の生活の質を上げる未来へ

マイナンバーカードを保険証として利用するメリットや注意ポイントの大部分は、ご理解いただけたのではないでしょうか。今回のデジタル庁新設によって、日本が抱えている医療の課題を解決に導くための人員やコストがさらに整えられ、より良い医療環境になっていくことに期待しましょう。

現在のマイナンバーカードの発行枚数は約2,600万枚と、総人口に対して20.5%程度(令和2年10月1日現在)です。国としてはマイナンバーカード取得をさらに広めるために、マイナポイントを付けるなど、今後のデジタル化に向けてさまざまな形で普及に努めています。

そして、マイナンバーカードの保険証利用を検討している方は、ぜひ使ってみてください。「思ったより使いやすかった」、「こんな機能も欲しい」という利用者の声が多いほど、さらなる便利な機能へのアップデートに繋げていけるのではないかと思っています。

また、政府が運営するオンラインサービス「マイナポータル」を覗いてみると、行政手続きの検索やオンライン申請ができるコンテンツが沢山あることが分かります。まだマイナンバーカードを作っていないという方も、今後のために何ができるか、どんな機能があるのかなどをチェックしてみるのも良いかもしれません。