【コラム】「おくすり手帳」誕生の歴史と未来!紙ベースの情報提供からアプリケーションでのクラウド管理へ

コラム

2021.11.02

みなさん、こんにちは。広報担当です。今回は、「おくすり手帳」について調査をしてみました。
ある程度普及しているものなので、実際に手帳を持っている方、アプリで管理している方など、それぞれ自分に合った管理方法を取っているのではないでしょうか。今回は、その「おくすり手帳」の歴史やリリースされているアプリケーションの特長などについてピックアップしてみました。
健康管理の未来はどのように変わって行くのか。ご自身の健康管理の参考にぜひ、お役立てください。

紙タイプの普及率は60%、アプリタイプの普及はこれからさらに広がる予想!

みなさんも、病院などの通院時に診察券・保険証と共に「おくすり手帳」を持って行くことがあるのではないでしょうか。または、手帳型ではなく、アプリとしてスマートフォンにインストールしているという方もいるかもしれません。

今回は、私たちが持っている「おくすり手帳」の歴史や未来について調査をしてみました。

■おくすり手帳とは?

薬の服用履歴や既往症、アレルギーなど、医療関係者に必要な情報を記載する手帳として使われています。

患者自身が医者や歯医者へ受診する時に持参し、これまでにどのような薬をどのくらいの期間使っているのかを確認するために使用しているものです。

また、「おくすり手帳」、「お薬手帳」など、表記もさまざまですが、表記に関しては特に決まりはありません。(※今回の記事では「おくすり手帳」で表現していきます。)

「おくすり手帳」は、調剤薬局で希望すれば無料でもらうことが可能な手帳型のものからスタートし、ここ数年ではスマートフォンにインストールして使えるアプリケーションも数多くリリースされています。

■おくすり手帳の目的

複数の医療機関を受診する際や薬局で医薬品の調剤を行う際に、それぞれの医療機関の医師や薬局の薬剤師に「おくすり手帳」を見せることで、相互作用や重複投与を防ぐことができます。それによって、医薬品がより安全に使用でき、効果のある薬物療法につなげるという目的があります。

さらに、患者さん自身が自分の服用している医薬品について把握するとともに正しく理解し、服用した時に気付いた副作用や薬の効果等の体の変化や、服用したかどうか等を記録することで薬に対する意識を高めることもできます。

■いつから導入された?

「おくすり手帳」は、1993年から導入されました。別々の病院で処方された薬の飲み合わせによる患者の死亡事故があり、導入に至ったとされています。そのほか、震災などの災害時の対応にも「おくすり手帳」の記録から薬の服用履歴や既往症などが分かり、治療に役立つと証明されたことがきっかけで普及されるようになりました。さらに、“電子版”の「おくすり手帳」は、東日本大震災を契機に誕生しました。

■保有率は?

少し古いデータ(2014年 厚生労働省発表)ですが、当時の紙ベースの「おくすり手帳」の保持率は60%ほど。

また、アプリの「おくすり手帳」は、調査会社のシードプランニングが2017年に公表した調査結果(※)によると、2016 年時点で、“電子”おくすり手帳の普及率は入院・外来患者数の約10%程度、2025年に約50%にまで普及すると予測されています。

※参考:デジタルトランスフォーメーションチャンネル「電子おくすり手帳とは?その現状と課題について」

https://www.digital-transformation-real.com/blog/what-is-an-electronic-medicine-notebook

■持っていくだけで医療費が安くなる!

診療報酬改定により、2016年4月からは「おくすり手帳」を持参すると、管理指導料は380円。手帳を持参しなかった場合は500円の負担となります。

※ただし、「おくすり手帳」を持参して医療費が値下がりになるのは、6カ月以内に同じ薬局で薬を処方してもらったときのみなので注意しましょう。

DXによって健康管理の方法は変わりつつある。海外では国民の薬歴をインターネット管理している国も!

冒頭でもお伝えしたように、「おくすり手帳」もデジタル化されつつあります。デジタル化の理由の一つには、紙ベースの「おくすり手帳」が抱える課題を反映している部分もあるようです。

■おくすり手帳の「課題」

<患者側>

「おくすり手帳」の保有率は高いが、実際におくすり手帳を薬局に持参している人は少ない。利用者が複数のおくすり手帳を持つ場合もあり、「おくすり手帳」の持つ本来のメリットが十分に生かされていない状況も生じている。

<薬局側>

厚生労働省が2019年に公開した「かかりつけ薬剤師・薬局に関する調査報告書」のデータによると、薬局の「電子おくすり手帳」の導入率は 48.1%。徐々に導入は増えているものの、導入費用など環境整備にはまだ時間が掛かると思われる。

■おくすり手帳は、PHR(Personal Health Record=個人健康情報管理)でもある。

日本では、一人の患者が複数の医療機関を受診することが可能なため、「おくすり手帳」が薬歴などを管理する役割を担っているということになります。(ちなみに、フランスでは、すべての国民の薬歴はインターネットでも使用可能な個人診療記録システム「Dossier Médical Personnel(DMP)」で管理されています)

多くの企業が「おくすり手帳」アプリをリリース!「目的」に合わせたアプリの導入を

上記に挙げたように、紙ベースの「おくすり手帳」は手帳を持つことによるメリットが十分に生かされていないという課題があります。これを解消するためにも、日本の医療のDXが進んで行くことによって、近い未来一人ひとりの医療に関するデータは一元管理の方向へ向かうということも十分に考えられるのではないでしょうか。セキュリティの面や薬局側への導入など、配慮しなければならない事は多いかもしれませんが、クラウドサーバーにデータが保存されていれば、たとえスマホを紛失したときもデータが失われずに済みます。また、病気の治療に関するビッグデータ分析などにも役立てられるというメリットも多く、新たな健康管理の手段になって行くかもしれません。

すでに導入している人も多いかもしれませんが、「おくすり手帳」のアプリは、実は数えきれないほどリリースされています。さまざまな企業がリリースしているので、自分に合ったアプリを選んでみてはいかがでしょうか。以下では、それぞれのアプリの特長と併せて、いくつかのアプリをピックアップしてみました。

【現在リリースされているアプリ】

 ■おくすり手帳Link (株式会社NTTドコモ)

  特長:病院でもらった処方箋を撮影して、薬局に処方箋の画像を直接送れる。すぐに調剤準備の依頼が可能なので、薬局で待つことなく、スムーズに薬を受け取れる。

 ■EPARKお薬手帳(株式会社くすりの窓口)

  特長:最大10人まで手帳に登録が可能。家族の分もまとめて管理できる。薬の効能や副作用、食前・食後など薬を飲むタイミングもチェック可能。

 ■お薬手帳プラス (日本調剤株式会社)

  特長:日本調剤の薬局で渡された薬は服薬情報が自動で反映される。もちろん他の薬局でのお薬情報もQRコードで読み取ることも可能。服用タイミングを教えてくれるお薬アラームや近くの薬局検索機能や、血圧・脈拍、血糖値、体温など日々の体調変化を入力し数値・グラフで確認できる「健康管理」機能も搭載。

 ■日薬eお薬手帳 (公益社団法人 日本薬剤師会)

  特長:日本薬剤師会が展開するアプリで提携先の薬局が多く、利用しやすい。シンプルで無駄のないデザイン設計で、処方箋情報送信や複数人の情報管理機能など、定番機能も搭載。

【使い方】

1.アプリをスマホにインストールして利用者登録。

2.薬局でもらうQRコードを読み取って薬の情報を登録。

3.登録したデータをサーバーに送信、病院や薬局側は本人の許可を得たうえでデータの閲覧が可能に。

【アプリのメリット・デメリット】

■メリット

 ・スマホにインストールされているので、急に医療機関に行く時も忘れにくい。

 ・家族の情報も管理が可能。子どもや高齢の親などの情報も管理できる。

 ・服薬時間を知らせるアラーム機能など、プラスアルファの機能を活用できる。

■デメリット

 ・アプリアップデートなどのメンテナンスが必要。

 ・高齢者や小さな子どもなど、スマートフォンの操作に慣れていないと導入が難しい。

デジタル化には常にメリットだけでなく、デメリットもつきまとうものです。しかしながら、紙ベースの手帳は医療機関や調剤薬局へ持っていくのを忘れるというケースが多いのも事実。旅先での急病・災害時など、いざという時に備えて常に持ち歩けるアプリへの移行を検討してみるのも良いかもしれません。

おくすり手帳も健康に関する重要な情報。データ管理の在り方を改めて考える時代がやってきた!

みなさんも「おくすり手帳」の役割を考えながら、今後の手帳の管理方法について考えるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。

また、紙ベースの「おくすり手帳」は、若い年代は、高齢者に比べて保有率が低い傾向にあるようです。年齢的に健康な人が多いという事もあるかもしれませんが、スマートフォンを使いこなす若年層のアプリ使用率が今後どれくらいまで上がって行くのか。また、若年層以外のアプリ使用率についても調査していきたいと考えています。

ブログでは、みなさまの健康に役立てるよう、医療や健康に関する情報も定期的に発信していきます。 ※本記事の医療情報や内容は現時点(2021年11月)で確認できるものとなっています。今後の法改正などにより内容が変わるおそれがある点にご注意ください。

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