【コラム】漫画や映画・ドラマを通じて医療に親しもう! 医療業界の知識を付けたい人へオススメの作品をご紹介

コラム

2021.11.24

みなさん、こんにちは。広報担当です。今回は、医療に興味を持ちたい方の入門編となるような漫画や映像作品を紹介していきます。医療、と聞くとそれだけで「難しそう…」と思われがちな業界ですが、これまで人気を博した漫画や映画、ドラマにも「医療モノ」はたくさんあります。

今回は、より多くの方々に医療業界に興味を持ってもらいたいという想いもあり、楽しんで見られるエンターテインメントでありながらも医療をテーマにした作品を紹介していきます。ぜひ、作品もご覧になってみてください。

知らない世界だからこそ知りたくなる!? ドラマや漫画でも「医療モノ」は定番人気!

医学や薬学、という単語の響きは何となく堅苦しいイメージがつきもの。例え興味があっても「一般人には難しいのでは…?」と思われがちな業界です。しかし、いつの時代でも連ドラや漫画で人気作品が出てくるのが「医療モノ」。

では、なぜ専門知識が必要な医療を取り扱う作品が話題作になるのか。それは、難しい内容であっても人間ドラマを含めた物語になっていれば理解しやすくなる! という理由もあるのではないでしょうか。

今回はエンターテインメントとして楽しみながら、医療について知ることができる作品を漫画と映像作品に分けてピックアップしてみました。「医者のあるべき姿とは何だろう?」、「MRはこんな仕事をしているのか」、「医療の限界とは?」etc…。エンターテインメントだからこそ、色々な切り口で医療業界の中を知ることができます。(もちろん、創作だからできる設定もありますが)みなさんも空想を広げながら医療漫画や映画・ドラマを楽しんでみてはいかがでしょう。

以下から、オススメ作品と見どころなどを紹介していきます。

医療系オススメ漫画5選!

■「スーパードクターK (1988年) 作:真船一雄」

<あらすじ>

主人公は不世出の天才と呼ばれた青年医師。日本医学界で最高権威の帝都大医学部首席卒業、若くして国際レベルの活躍、執刀技術特Aランク――。しかし、彼はある日忽然と表の医学界から姿を消してしまう……。神技のメス、天才的頭脳、野獣の肉体。それらを全てあわせ持った伝説の医師、その名は「ドクターK」。裏の世界で生きる医師の家系という宿命を背負った主人公KAZUYAが、様々な事故、事件、陰謀、そして病気と出会い解決していく人間ドラマ。

<見どころ!>

・連載当初はKAZUYAの超人的な面が強調されていたが、医学監修を導入して以降、医療問題やそれに携わる人々のドラマを描き出してゆく内容に変わっていったということもあり、その時々の最先端医療についての知識も学べる。

・ブラックジャック的な、お金を積んで最先端医療を…というようなキャラクターではなく、患者を救う為に全力を尽くすという熱い主人公の姿も良い。

・いまだに映像化されていない。だが、『スーパードクターK』は1996年に44巻で終了、1996年~『Doctor K』として10巻までの作品となり、さらに2004年から続編の『K2』が連載中!

■「JIN-仁- (2000年) 作:村上もとか」

<あらすじ>

東都大学付属病院の脳外科医・南方仁は、急患で運ばれてきた男性の脳から奇形腫を摘出するが、その後は頭痛と空耳に悩まされる。やがて、集中治療室から脱走した患者を止めようとした仁は、階段から転落してしまう。意識を取り戻して辺りを見渡すと、そこは侍たちが斬り合う文久2年(1862年)の幕末。攘夷派浪人達に襲われ前頭部に重傷を負った徳川旗本の剣客 橘 恭太郎を、タイムスリップしてきた仁が近代医療により命を救ったことから恭太郎の妹、橘 咲に気に入られた仁は橘家に居候することになる。

やがて仁は、幕末の人々の運命や歴史を変えていることを自覚しつつも、現代から持ち込んだ知識と幕末の人々の協力により、彼らを救うため近代医療を実現していく。

<見どころ!>

・ドラマで知った人も多いと思われる作品。実は、漫画版とドラマ版は結末が違う。気になる方はチェックして欲しい。

・タイムスリップ物ということで、当時の医学知識しかない時代に、近代医学を使って患者を救うというストーリーなので過去と現代の医療の違い、医療の歴史も学べる。

■「医龍-Team Medical Dragon- (2002年)  原案:永井明、医療監修:吉沼美恵、作画:乃木坂太郎」

<あらすじ>

天才的な技術を持つ外科医・朝田龍太郎は、明真大学付属病院を舞台に教授の決定を絶対とする封建的な医局を改革すべく教授選に名乗りを上げた加藤晶、彼女が結成したバチスタチームに招かれた天才外科医・朝田龍太郎、バチスタチームの中で才能を開花させていく研修医・伊集院登の3人を軸に、医局や現代日本の医療を取り巻く諸問題についてメスをいれる医療漫画。

<見どころ!>

・「白い巨塔」的な要素のある漫画。権力闘争の話をフィクションとして楽しめる。

・バチスタ手術などの医療の要素も取り込まれているが、それさえも大学病院内での出世のためであったりするので、いわゆる医療の要素で感動させるモノではない。それがこの作品の面白さでもある。

■「ブラックジャックによろしく(2002年) 作:佐藤秀峰」

<あらすじ>

斉藤英二郎は超一流私大附属病院に勤務する1年目の研修医。彼が目にする日本の大学病院や医療現場の現状を通して臨床研修制度の不条理さ、医局の都合により歪められる医療、健康保険制度の矛盾、患者や家族との葛藤などを経て主人公の成長してゆく姿が描かれている。

<見どころ!>

・研修医の立場を通して、医療の理想と現実のギャップが描かれている。金儲けのために診療報酬の高い交通事故の患者を選んで受け入れたり、無駄な手術も行われていたり…。

・実は研修医というのは月給も数万円と恐ろしいほどに安く、当直などで収入を稼がなければならない等、立場的に弱く理不尽な思いをしている事が分かる。

・先ほどの医龍の主人公とは違い、理想に遠い現実に立ち向かおうとしている姿も応援したくなる。

■「 Dr.コトー診療所 (2000年) 作:山田貴敏」

<あらすじ>

五島健助は優秀な医師で、東京の大学附属病院に勤めていたが、とある理由から離島の古志木島の診療所に赴任する。島は3ヶ月の間無医村状態で過去に良い医師が来たことがなかったからか、あまり歓迎されない。また、4ヶ月前から来ていた看護師の星野彩佳から、診療所に来る患者は少なく、来ても応急処置だけを受けた後、船で6時間かけて本土の病院へ行くことを聞かされる。実際になかなか患者が来ない中、島に来るときに運んでもらった漁師・原剛利の息子が最初の患者となり、五島はこの息子を見事な手術で助ける。原は、お礼として診療所に看板を贈るが、名前を間違えられていて、看板は「Dr.コトー診療所」となっていた。

それ以後、五島は多くの患者の治療とその人柄により、島民の信頼を得ていくことに。

<見どころ!>

・こちらもドラマで知っている人も多い作品。離島医療の現状が描かれている。

・主人公の五島は、腕のいい医者でありながらも医者に期待しない島民になかなか信用されない。患者の方が強いという力関係になっており、そんな中でも諦めずに治療に挑む姿や、徐々に心を開いていく島民の姿にも心打たれる。

医療系オススメ映像作品5選!

■映画「孤高のメス(2010年)」

<あらすじ>

大鐘稔彦のベストセラー医療小説を映画化。1980年代を舞台に患者のたらい回しなど現代の医療問題に鋭く切り込む衝撃的な医療ドラマ。実際に医療に携わる大鐘稔彦の同名小説を基に、地方の市民病院に勤務する外科医が旧弊な医療現場で、当時法律ではまだ認められていない脳死肝移植にまで挑むさまを描く。

<見どころ!>

・オペ看護師の目線で描かれていて見やすい。十分な医療設備が揃わず、患者に満足な医療を提供できない地方の市民病院に赴任してきた主人公・当麻医師は、患者を救うことにしか興味がない人物だが、彼のキャラクターを通して理想的な医師の姿が感じられる。彼のオペによって患者が救われるシーンでは医療の素晴らしさが伝わってくる。

・ストーリーの語り部になっているオペ看護師は手術嫌いだったが、彼女もラストには手術を好きになっている…というのも成長が感じられて良い。また、手術のシーンはかなりリアル。その分、脳死肝移植のシーンが成功した瞬間の感動やリアリティが伝わる。

■映画「人魚の眠る家(2018年)」

<あらすじ>

東野圭吾のミステリーを映画化。愛するわが子の悲劇に直面し、究極の選択を迫られた夫婦の物語。娘が脳死状態となった後に、「人工知能呼吸コントロールシステム」を装着する手術を受けさせる。さらに、筋肉に電気信号を流し手足が動かせるようになり筋肉量も維持していく。そうして、ただ眠っているような姿のまま成長していくが、脳死したはずの人間が動くことに対して気持ち悪いと感じる人もいて…。

<見どころ!>

・もしも、脳死した家族が居たら、簡単にそれを「死」として受け入れられるだろうか? しかも、それがまだ小さな子どもだったら、植物状態になっても「生かしたい」、「生きている」と思うのが家族なのでは。

・当事者か、当事者でないかで見方が大きく変わってしまう作品に思える。また、寝たきりになってしまった場合の延命治療に対して、どう対応してあげることが遺された家族にとって良いのかを考えさせられた。

■ドラマ「白い巨塔(2003年)」

<あらすじ>

山崎豊子原作の同名小説のテレビドラマ化作品。嫉妬が渦巻く医学界の実態と生命の尊厳を描く。主人公の財前五郎は食道外科を専門としている医師。天才的なオペの名手であり、ゆえに実力主義で自信家。師弟関係にあった東とは、教授選をきっかけにいがみ合う仲になり教授就任の妨害を受ける。しかし、義父・財前又一の強力な援助により、徐々にしたたかな政治力を身につけ、結果として教授へと上り詰めていくが…。

<見どころ!>

・何度もリメイクされているが、こちらは最も人気が高かったリメイク作品。主役の唐沢寿明さんも主人公の冷徹な財前医師を見事に演じているように感じる。

・ある意味では、主人公を通して医師の冷たさや権力志向であることが分かり、病院の「裏側」を見せつけられる。さらに、医者であっても癌に侵される最期や、母親のため純粋に医師を目指していた人物が変貌していく様子が切ない。

■ドラマ「ドクターX~外科医・大門未知子~」

<あらすじ>

天才的な腕を持ちながら組織に属さず、病院を渡り歩くさすらいの女外科医。群れを嫌い、権威を嫌い、束縛を嫌い、専門医のライセンスとたたき上げのスキルだけが彼女の武器。外科医の3Kといえば「きつい」「汚い」「危険」。勤務環境の過酷さや訴訟リスクから医師不足が報じられている現在、特定の病院や大学医局に属さない「フリーランス」の医師が増加傾向にある。医療と金、医局と人脈が切り離せない中、米倉涼子が演じる一人のフリー女医の戦いを描く必見の連続ドラマ。

<見どころ!>

・2021年10月クールでシリーズ第7弾目! 医療モノでありながら毎回わかりやすい説明や同じ構成のストーリーになっていて、キャラクター設定だけインプットしていれば、誰でも「水戸黄門」のように安心して楽しめる。

・肩肘張らずに見られる、エンターテインメント感満載のドラマ。まず、主人公の米倉さんの「大門未知子」というキャラクターが爽快。権力に媚びずにオペの腕だけで生き抜いている所がカッコイイ。さらに、オペシーン以外でも親しみやすさ全開で笑えるシーンも多い。医療モノということを忘れそうになるほど。

■ドラマ「コウノドリ」

<あらすじ>

産婦人科医にフォーカスを当て、「生まれてきたことの意味」「命を授かる奇跡の素晴らしさ」と、“命が誕生する現場”に関わる人たちを丁寧に描く、あたたかいヒューマンドラマ。産婦人科に加え、新生児科、小児科、救命救急などのチーム医療をテーマに、お母さんと赤ちゃんの命をあずかる医師たちの奮闘ぶりや、今までのテレビドラマではほとんど描かれることのなかった出産に関するリスクやアクシデント、現場が実際に直面している様々な社会問題も盛り込んだ、新しい切り口の医療ドラマ。

<見どころ!>

・こちらは漫画版が原作。産婦人科医の物語なので医療現場の大変さも伝わり、さらに、主人公も含めてそれぞれの個性を活かしたドラマが繰り広げられている。脇役のエピソードやキャラクターも良い。

・命が誕生する場面の感動的なエピソードが多いが、綺麗ごとだけではないと考えさせられる設定も多い。産婦人科医の居ない助産院での出産や、乗り越えなければならない悲しい現実を抱えている母親なども描かれている。患者一人ひとりのエピソードにリアリティがあり、どの話にも感情移入させられる。

きっかけは何でもOK! 楽しみながら医療に親しもう!

エンターテインメントから医療を知ることも、医療を身近に感じる方法の一つです。過去の作品も含め、現代に至るまで良質な漫画やドラマはたくさん存在しています。医学書や専門書を読むことに限らず、漫画や映画・ドラマの作品が医療に対して興味を持つきっかけであっても良いと考えています。

多くの方が医療に親しめるよう、今後もさまざまな切り口から医療や薬についてのコラムも紹介していきます。