
私たちの顧問であり、株式会社メディカル・インサイトの代表取締役社長を務める鈴木氏の勉強会レポートの後編です。
前回に続いてワクチン接種をテーマに、新型コロナ、インフルエンザワクチンについて解説してもらいました。当時、広がっていたワクチンの噂話の経緯や真相なども知ることができます。
2024.09.03 今回は、私たちの顧問であり、株式会社メディカル・インサイトの代表取締役社長を務める鈴木氏が開催する勉強会にて「子宮頸がん(HPV)ワクチンを打つかどうか」をテーマに語ってもらいました。 私たち個人個人にも関係する内容とし […]
前編はこちら
【勉強会:前編】子宮頸がん(HPV)ワクチンを打つ?打たない?
勉強会の参加者

2018年中途入社
営業
佐塚さん

2022年新卒入社
Webディレクター
清水さん

2022年新卒入社
Webディレクター
中野さん
必ず防げなくとも、感染&重症化リスク低下のメリットは大きい!
後半は、前半の子宮頸がん(HPV)ワクチンのお話に続いて、コロナとインフルエンザのワクチン接種についてです。
これは、私たちの健康にも関わるホットな内容ですよね。引き続き、よろしくお願いいたします
清水さん・中野さん「よろしくお願いします」
では、コロナウイルスとインフルエンザのワクチンの話に行きましょうか。短期的に発症するウイルス感染を防ぐワクチンという意味で、この2つは同じ括りになりますので。
また、HPVワクチンはほぼ確実に感染を防げるのですが、この2つは接種したらまず感染しないです…とは言えないワクチン。そこも共通していますね。ワクチン接種したのに、コロナやインフルエンザに罹る方は普通にいらっしゃいますが、それはアンラッキーでしたね、ということで、ワクチンに効果がないわけではないのです。
例えば、治験で『コロナのワクチン接種をした1万人の内、1千人がコロナに罹患した。接種をしなかった1万人の内、2千人がコロナに罹患した』…となれば、ワクチンの効果はあって、感染のリスクを半分減らせたと言えますよね。
このように、ワクチンはきちんと治験の結果を経て、世の中に出てきていますので。完全に感染を防げるものではなくても、リスクは下げられるのだという理解をするのがまずは大事です。あとは、罹患しても重症化しなくて済むというメリットもあります。それも大事な観点ですよね
治験の流れは、多くの人に知ってもらいたい事でもありますね
で、問題は副反応。コロナのワクチンでは、発熱や頭痛、倦怠感は普通にある。私の周りにも2日間ぐらい寝込んだという方もいます。ですが、それ以外の副反応はデータでもそれほど出ていません。あとは、接種する価値がその人にとってどれだけあるかという事です。
僕がコロナウイルスのワクチンが出始めた当初から言っているのは、高齢者は間違いなく必要。というのは、高齢になればなるほど感染すると相当な確率で重症化し、亡くなるケースも多い。一方で、若年者や子どもが感染しても、糖尿病などの併発疾患がなければ重症化リスクはほとんどない。
要するに、その方の年齢や状態などによってリスクが大きく異なるのです。インフルエンザの場合は、子どもが重症化するリスクは高いですが、コロナウイルスはそうではない。なので、20代ぐらいまでのワクチン接種には、当人にとってそれほど必要性はないのではと思っています
子どものワクチン接種をラクにする経口薬が欲しい!

ただ、社会全体で見た時には、多くの方が接種した方が大規模な流行を防げますよね。例えば、お爺さん、お婆さん、お父さん、お母さん、その子どもが一緒に暮らしていた場合は、やはり子どももワクチンを接種していた方が家庭内でコロナウイルスが蔓延するリスクを下げることはできると思います。
リスクの大きさが人それぞれ置かれた立場で異なってくるという意味で言えば、日本はコロナのワクチン接種を強制するわけではなく、個人に任せているのは良いことだなと思いますね。結核(BCG)やはしかなど、ある意味“強制感”が伴うワクチンとはそこは結構違います。
記憶がないような小さい頃に接種しているワクチンもあるし、自由意志で接種するものもあるのがワクチンの面白い点です。ちょっと取り留めのない話になってしまいますが、僕がワクチンに対して思うのは、こんなところでしょうか
ちょっと質問よろしいですか?
ワクチンは、必ず注射で打たなければならないのですか?みんな注射は嫌いじゃないですか(笑)。ウチに3歳の娘がいて、注射では泣かないのですが、我慢して泣かないだけなので
良い質問ですね!確かに飲み薬のワクチンは聞いたことがないですね。
理由は知らないのですが、基本、飲み薬は消化管から吸収してもらわないといけないのですが、そこでロスがあるというか、十分量入るには難しいところがあるのかもしれません。でも、飲み薬のワクチンがあったらいいですよね
それができたら、病院に行ってワクチンを打ってもらうという必要が無くなったり、高齢者の方々もオンライン診療が発展していけば、薬の配送サービスを使って外出をせずにワクチンを受け取れるのかなと。
ちなみに、ワクチン接種は予防医療になるのですか?
ワクチン接種こそ、予防医療と言えますね。
例えば、生活習慣を変える、運動をする、食生活を変えるとか、それも予防につながる話ですが、ワクチン接種はダイレクトに感染症を防ぎますよね。
なので、感染症の予防医療が、イコール、ワクチン接種と考えていただければ
健康に関するデマ情報にはどう向き合うべきか?
あとは、デマや風評被害が出ないようにデジタルメディアに期待することは、鈴木さんの中に何かありますか?
これは難しいですね…ホットな話題ですが。
僕のスタンスとしては、デマを潰すというより、ある程度デマが出てしまうのはしょうがないと思っていて。正しい情報をちゃんと出す、見る人に興味を持ってもらえるように出すというのが大事だと思います。
僕がメルマガなどで発信するのはその想いがあるからです。とは言え、情報を出した後は、読み手の判断に委ねられてしまいます。あまりこういう言い方をしたくはないですが
そうですね…
実際、れっきとした医師免許を持つお医者さんですらインチキ医療のような事をやる方もいますから。『副作用も無く、がんが消える!』とか謳うような、効きもしないがんのエセ免疫療法を高額な自由診療で行なっているクリニックとか。
そういう意味では、今はGoogleの検索ロジックが変わったのは大きいですね。ある程度信頼性の高い情報が検索上位に来るようになったので、それは良かったなと。
なので、信頼性のある情報を目立たせるようにする、というのがあるべき方向性かなと思います。デマを無くすことはできないですし
そうですね。存在していても辿り着けないようにする、と
その話をすると…メンバーズのチームのみなさんはご存知のように、医療用医薬品はブランド名を出して広告宣伝することって出来ないんですよね。だけど、街のドラッグストアで売っている薬はブランド名を出してバンバン宣伝している。それはどうなの? と思いませんか(笑)。
ちなみに、世界の中ではアメリカとニュージーランドだけは、医療用医薬品のブランド名を出した広告が可能なんです。その他の国は法律的にNG。凄くアンバランスだと思うので、何か上手い方法が考えられないのかとは思いますね
完全に同意です…!
製薬会社が実施する治験の信頼性は高い!

私からも良いですか?
コロナウイルスのワクチンは、mRNA、遺伝子ワクチンじゃないですか。
実は、コロナウイルス以外は防げない身体になるワクチンで、製薬企業の方はワクチン接種をしていない…なんていう話もテレビか何か聞いたことがあって…あれはデマですか?
良くあるタイプのデマですね(笑)。
製薬企業の社員、医者、みんなほとんど打っています。
そもそも、コロナのワクチン接種をした人が、風邪や他のバンバン罹っているというエビデンスがあるのかという話ですよね
ということは…コロナウイルスが流行し始めの頃に、そんな話があること自体、変ですよね(笑)。
治験もしていないのに、『遺伝子を変えるというのはそういう事だ!』と、理論上だけでデマが広がっていく
そういった検証も含めて、治験をやる訳です。
ワクチンを接種した人、しない人を集めてコロナウイルスに罹らないかどうかを見ているだけではなくて、他の感染症はどうか、血圧などのバイタルの変化はどうかも追っていきます。
予期せぬ副反応がないかどうかというのは、新薬やワクチンの治験で検証する重要な部分なので、製薬会社も費用をつぎ込んで見ています
そうですよね
それから、長期的に見て影響はどうなの?
という事を言う人も居て、それは検証されていないという意味ではそうだとは思うんですが、ロジックとしては、ワクチンの成分が体の中にずっと残る訳ではないですし、それ程心配する必要はないんじゃないかと思います
あと、素朴な疑問なんですが、予防接種がマストになる条件というのは何ですか?
一義的には法律の制定ですね。結核予防法とか。
勿論、その前にはワクチンの感染予防効果が証明されていることが必要ですが。
法律化されているかは分からないですが、僕が子どもの頃は水疱瘡、おたふくかぜ、この辺りは一度は罹るもの…という感じだったのですが、今は赤ちゃんの頃にワクチンを接種するようになっているのではないかと思います
そうなんですね。でも、罹りましたけれどね(笑)
では、そろそろ時間なので…今回はこの辺で終了にしましょう。みなさん、本日はありがとうございました!
清水さん・中野さん「ありがとうございました!」
―― 今回の勉強会レポートはここまでとなります。ワクチン接種にまつわるデマの真相を聞き、個々のヘルスリテラシーの大切さを実感した方もいらっしゃったのではないでしょうか。
また別のテーマの勉強会が開催されたらブログでもレポートしていきますので、楽しみにお待ちください。