【イベントレポート:後編】生成AIサミット-Vol.2開催!業務活用を阻む5つのハードルと対策を解説

DX事例

公開日:2024.08.09
更新日:2024.08.28

生成AI活用の導入を阻む5つのハードルと対策

今回は、7月17日に開催されたオンラインセミナー「生成AIサミット」のイベントレポートの後編をお届けします。前編に続き、メンバーズ外部顧問 池田朋弘氏と生成AIプロジェクト統括の彦坂プロデューサーのトークセッション内容をお伝えしていきます。

生成AI活用の導入を阻む5つのハードルと対策とともに私たちメンバーズメディカルマーケティングカンパニーの取り組みもご紹介していきますので、ぜひご覧ください。
前編はこちら

メンバーズやMMの取り組みも生成AI活用のヒント!

7月17日(水)にオンラインで開催された『生成AIサミット-Vol.2』で行われた、トークセッションの後半をお届けしていきます。本イベントは、『生成AI×ビジネス活用の最先端を学ぶ一日』として、さまざまなゲストスピーカーとトークセッションが行われ、前回の倍以上となる3,000人以上が参加しました。

イベント当日は、メンバーズメディカルマーケティングカンパニーよりAIプロジェクト統括の彦坂圭プロデューサーが登壇し、主催者である池田朋弘氏(メンバーズ外部顧問、YouTubeチャンネル「リモートワーク研究所」運営 株式会社Workstyle Evolution代表取締役)とトークセッションが行われました。

『生成AIはこんなに便利なのに、なぜ使われない?導入を阻む5つのハードルと対策とは~メンバーズのDX現場支援の事例に学ぶ〜』をテーマに、生成AI活用のフロントランナーとして製薬・ヘルスケア企業、その他幅広い業界の案件を手掛けた経験を元に、これらの対策・具体的なアプローチを詳しく解説していきました。前編に引き続き、生成AI活用の導入を阻む4つ目のハードルと対策から説明していきます。

【4】現場実践ナレッジが未整理

■よくある課題
・「便利そう」と思っても、なかなか「使ってみよう」には至らない。
・目の前の業務で忙しく、使いこなすまでの熱意がない人が多い。

生成AIに関するプロジェクトがいくつも取り組まれ、事例も数多く創出されているいま、それを組織全体で共有しなければせっかくの成功事例のナレッジも浸透せず、他のプロジェクトで活用させるチャンスもなくなってしまいます。

課題:現場での活用事例がないため、活用が進まない

この課題の対策としてメンバーズの事例がピックアップされていました。メンバーズでは、社内ポータルを活用し、生成AIの活用事例について社員が共有できる環境を構築しています。その中でメンバーズグループのあるカンパニーの「全社員の90%が生成AIを業務で活用している」という事例も共有されており、プロンプト活用の一覧などからも知見を広められるようになっています。

他にも、社内コンテスト(DGTリーグ:案件ごとにナレッジや取り組みを共有し、素晴らしい取り組みを全社で表彰する)を定期的に開催し、このようなコンテストが先端テクノロジーに対するアプローチを加速させ、社員のモチベーションアップに繋がっていることにも触れています。生成AIの取り組みや成果について競い合いながら社員の興味を自然に高めて盛り上がる仕組みを作り、活用を促進する工夫に繋げています。

■対策のポイント
現場での実践ナレッジを共有化し、具体的な活用事例と導入効果を明確に伝える。

事例:社内コンテストの実施

【5】業務プロセス導入が不十分

■よくある課題
・利用可能な生成AI環境はあるが、そのままでは業務プロセスに導入しきれない。
・一部のメンバーしか利用していないため、チーム内に格差が生じている。

最後のハードルは、既存の業務プロセスのどこに生成AIが入るのかを明確にしないことで導入されなくなってしまうケースです。このような実際の運用に関する課題をどう乗り越えていくかについて、通信教育・出版などの事業を行うベネッセコーポレーションさまのWebサイト運用業務プロセス改善の事例を用いて説明しました。

課題:業務プロセス導入が不十分

ベネッセコーポレーションさまのWebサイトの運用において、時間が掛かる、社員のスキルにばらつきがある、制作物のイメージが公開までにずれてしまうなどの課題がありましたが、生成AIやノーコードCMSを活用し、業務フローの抜本的な見直しをすることでコスト削減、制作期間を半分以下にまで短縮させることができました。

■対策のポイント
業務プロセスを可視化する。
業務適用しやすいように専用の環境を構築する。

※以下の記事でも詳しく解説しています。

〈まとめ〉生成AI業務活用を阻む5つのハードルの対策

最後に、彦坂プロデューサーは生成AI業務活用を阻む5つのハードルへの対策のポイントを以下にまとめました。

【1】セキュアな利用環境が未整備 ⇒ セキュアな利用環境を提供する
【2】システムのUI/UXがイマイチ ⇒ 使い慣れたUI/UXを提供する
【3】プロンプト設計力の不足 ⇒ プロンプト設計力を上げる
【4】現場実践ナレッジが未整理 ⇒ 事例発掘・共有化の徹底
【5】業務プロセス導入が不十分 ⇒ 業務プロセスへ本格適用していく

そして、今回ご紹介してきたことは特別な対策ではなく、業務を進めるうえで当たり前にやっていくべきことであり、そこを疎かにせず「凡事徹底でやり切ることが大切」だと語り、セッションを締め括りました。

MM独自の「生成AIアンバサダー」の取り組みとは?

チャレンジ精神とプロンプトエンジニアリング力のあるメンバーでMM独自の「生成AIアンバサダー」の取り組みを推進しています。

トークセッションの中で、私たちメンバーズメディカルマーケティングの取り組みについても触れていましたので、そちらもご紹介していきます。

私たちは、生成AIプロジェクト統括の彦坂プロデューサーを中心に社内で「生成AIアンバサダー」の取り組みを推進しています。これは、前半でご紹介した案件の成功例を元に自社内でも再現できないかという事でスタートしたものです。

現在、プロンプトエンジニアリング力のある10名ほどのメンバーを「生成AIアンバサダー」として位置付け、プロンプトを実際につくりながら生成AIを使うことでこんなメリットがあるということを伝えつつ、生成AIのような先端テクノロジーに感度の高いメンバーを増やしています。

また、こういった取り組みを運用していくうえで彦坂プロデューサーは「生成AI活用の波に乗りたい!」、「生成AIで事例を創出したい!」という本人の意欲を大切にしているとのこと。自らチャレンジしたいと考えている社員に積極的にメンバーになってもらうスタンスで参加者を募っています。

ビジネスの可能性を拡大させる生成AI活用に踏み出しましょう!

注目の生成AIやデジタルマーケティング支援についてのご相談は、お気軽にメンバーズへ!

前回の2倍の参加者数となった「生成AIサミット-Vol.2」。ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。今回参加されなかった方も、生成AIに注目が高まり続ける理由やビジネスの可能性が拡大していく未来を感じ取っていただけたのではないでしょうか。

製薬業界のみなさまもぜひ、ご紹介した内容から少しでもご興味を持たれましたらお気軽にお問い合わせください。また、本ブログにて今後のイベント開催についてもお知らせしていきます。

その他、製薬企業へのデジタルマーケティング支援についてご相談がありましたら、こちらからお問い合わせください。

イベント登壇者

イベント登壇者 彦坂 圭

彦坂 圭/Hikosaka Kei
職種: プロデューサーマネージャー
入社年:2012年
経歴:メンバーズ入社後、経営企画室で業績管理スキームの構築・推進に従事した後、SNSや広告支援を行う部署にて様々な業界のマーケティングを支援。2021年からは製薬・ヘルスケア業界特化カンパニーにて、大手ヘルスケア企業の患者向けサービスの会員獲得から活性化の戦略策定から実行支援をリード。また生成AI活用を前提とした業務フロー構築を通した、実効性のある生成AIの組織定着の支援を行う。

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