製薬企業が運用する医療従事者向けサイトを弊社社員が独自に調査したものから内容を一部抜粋してお伝えしていきます。
自社で医療従事者向けサイトを運用している方はトレンドや動向も含めて参考にしていただける情報です。新規会員獲得など運用にお悩みの方は、ぜひご活用ください。
HCPサイトのトレンドや動向が気になる方はチェック!
私たちメンバーズメディカルマーケティング(以下MM)では多くの製薬企業さまのサイト運用に携わっているため、業界のコンテンツのトレンドを定期的に調査し、動向をウォッチしています。
本調査は、MM社員が国内・外資の大手製薬企業約20社をピックアップ。医療従事者向けサイト(HCPサイト)で実施されている施策を独自に調査し、トレンドや効果的であると思われる施策を10個にまとめたものです(2024年9月時点の調査結果を元に作成)。
また、調査結果の詳細では施策の特徴とともにメリットおよびデメリットにも触れていますので、それらも参考にしてみてください。
▼こんな方におすすめ
・製薬企業の医療従事者向けサイトで実施されている施策が知りたい
・他社の動向が気になるけど、調べる時間がない……
・新規会員獲得や回遊率向上のために有効そうな施策が知りたい
今回は調査した中から3つピックアップしてみました。
独自調査で発見したHCPサイトの特徴
1.HCPサイトTOPに会員登録のメリットを紹介
A社のHCPサイトではファーストビューにカルーセルバナーとバナーを2箇所掲載し、講演会の配信や最新のニュース、資材オンライン発注など会員限定コンテンツを紹介していました。
カルーセルバナー下のコンテンツスライダーにも会員限定コンテンツのカテゴリーが表示されており、バナーの中に内容を説明するテキストも少し入っているため、興味のあるものをフックにして会員登録へ誘導できる構成になっています。
また、サイトの右下に追従バナーを設置することでユーザーがスクロールをした場合の導線が確保されているのもポイントです。こちらをクリックすると会員サイトの案内ページが表示されますが、限定サイトのメリットやコンテンツ内容も分かりやすくまとめられており、会員登録の後押しに効果的です。
B社では、HCPサイトTOPに会員登録を促すボタンがあるところはA社と同様ですが、最下部に会員登録を促すバナーが設置されており、その中に記事の閲覧やセミナー予約管理、MRへの連絡など会員登録のメリットを一文で端的に記載しています。文中に“会員登録の所要時間〇分”と記載することで登録のしやすさも強調されていました。
【メリット】
■会員獲得の促進
・限定コンテンツを周知することで新規会員の登録動機となり、会員数の増加が期待できる。
・登録によって専門的な情報やリソースを得ることができると周知することでターゲットとなる医療従事者の関心を引きつけられる。
■会員ログイン率の向上
・会員限定コンテンツを明示することで、サイトの訪問者に対してログインする動機付けが強化される。
【デメリット】
■既存会員にとって不必要な情報の可能性あり
・メリットを掲載することでHCPサイトTOPのデザインやレイアウトが複雑化し、既存会員が必要な情報を見つけにくくなる可能性がある。
・知っている情報が何度も表示されることで煩わしく感じる可能性があるため、掲載箇所に配慮が必要。新規会員と既存会員の双方が必要な情報に迅速にアクセスできるようサイトの情報構造を整理し、ユーザーインターフェースを最適化できると良い。
2.生成AI活用コンテンツの発信
注目されている生成AIに関するコンテンツを医療従事者の活用方法として伝えるコンテンツにしているHCPサイトもあります。一部のみ非会員でも閲覧できるようになっており、こちらの記事の内容はChatGPTの初心者にとって分かりやすく、次の記事を読みたくなるような構成になっていました。
一部の記事以外は会員限定コンテンツとなっていますが、メール文章の作成や患者さんとのコミュニケーションのロールプレイングの練習、勉強会の発表資料の作成など、普段の業務内で使うことを想定したChatGPTの活用方法を紹介しているようです。
生成AIの活用方法を探っている医療従事者も多いいま、会員登録を促すコンテンツとして導入しているのは市場の動向を反映した戦略的施策といえます。
【メリット】
■医療従事者の業務効率化をサポート
・生成AIを活用することで医療従事者の業務効率化が期待できるコンテンツとして掲載。
■魅力的なコンテンツの提供
・2024年9月現在、生成AIのコンテンツを提供している製薬会社は少ないため、他のHCPサイトとの差別化を図れるコンテンツとなっている。
・生成AIに興味を持っている医療従事者の方の会員登録/再来訪の促進が期待できる。
【デメリット】
■継続的な更新の必要性
・生成AI技術は急速に進化しており、最新の情報を常に追い続ける必要があるため、運用チームのコスト増加の懸念がある。
■品質管理の難しさ
・生成AI×医療情報の正確性を保つために専門家の監修が必要。信頼性を担保するための体制を整えることが重要。
3.LINE公式アカウントの紹介
HCPサイトTOPの目立つ場所にLINE公式アカウントの登録ボタンを設置しておくことで登録を促し、LINEを通じてHCPサイトへの導線として活用することができます。LINE登録を促すためにHCPサイトでは公式LINEにはどのような機能があるのか、どのような情報発信がされるのか等、LINEを使うメリットも丁寧に紹介しておくと良いでしょう。
LINEはアカウントをユーザーが開設されていることが前提ではありますが、多くの方が日常的に利用しているメッセージングアプリであるため、医療従事者にも比較的気軽に登録を促しやすいです。
また、LINE単体を運用することによるメリットに注目してみると、お友達登録によって1to1のコミュニケーションが実現できることにあります。1to1のコミュニケーションは顧客満足度の向上に繋がりやすいため、顧客とのエンゲージメント強化に活用していきましょう。実際に導入している企業では、会員登録後にLINEと連携することでセミナーの予約、会員限定機能等、便利な機能が使用できます。
【メリット】
■来訪率の向上
・LINEは日本の月間利用者数が9,200万人(2022年3月時点)と、日本では、5人のうち3.5人以上が利用しているツール。開封率は約60%と言われており、メルマガよりも効果的。
・医療従事者も多くが普段から使用していることが想定されるため、LINEを通じた情報でHCPサイトへの来訪率向上が期待できる。
■チャット機能
・LINEのチャット機能を活用することで、医療従事者からの質問に迅速に回答することが可能になる。
【デメリット】
■運用コスト
・LINE公式アカウントの開設は無料だが、月毎のメッセージ配信数によっては費用が発生する。またコンテンツ企画やメッセージ・画像作成の運用コストも必要。
■過剰な通知による離脱リスク
・メッセージの頻度が高すぎるとユーザーが通知を煩わしく感じてブロックされるリスクあるため、配信頻度や配信内容の質には注意が必要。
■セキュリティリスク増加
・LINEを通じて個人情報や機密情報を扱う場合、プライバシーやセキュリティの問題が生じる可能性があるため、適切なセキュリティ対策が必要。
施策全10選は資料ダウンロードでチェック!
今回は、大手製薬企業の医療従事者向けサイトのオススメ施策10選から一部をご紹介しました。
自社サイトに取り入れられそうな施策があれば、ぜひお試しください。
【独自調査:後編】大手製薬企業の医療従事者向けサイトのオススメ施策10選
2024.11.06
前回に引き続き製薬企業が運用する医療従事者向けサイトの調査結果から内容を一部抜粋してお伝えしていきます。この調査は、大手製薬企業のサイトを中心に弊社独自の視点で調査したものです。自社で医療従事者向けサイトを運用している方 […]
また、ご紹介した調査内容の続きは以下の資料からご覧いただけます。
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この記事の担当者
土屋/Tsuchiya
職種:Webディレクター
入社年:2022年
経歴:新卒入社後、Webinar運用案件→サイトリニューアル案件に従事。サイト構築ディレクターとしてWF作成や、ページ進行管理を担当。