【コラム】これさえ読めば大丈夫!医療費控除を知ろう

コラム

2021.01.26

みなさん、こんにちは。
メンバーズメディカルマーケティングカンパニーの諸岡です。

突然ですが、「医療費控除」ってご存じですか?
聞いたことはあるけど使ったことはない、という方も多いかもしれません。

そんなあなたもこの記事を読めば大丈夫!
ぜひ、医療費控除をしっかり活用して、賢く節税してください。

医療費控除とは?

医療費控除とは、1年間に10万円以上の医療費を支払った場合に所得が控除され、所得税が安くなる制度。

この10万円の中にはご自身だけでなく、扶養しているご家族の医療費も含めることができます。

医療費控除でいくら戻るの?

年収400万円の人を例にすると、かかった医療費が15万円の場合は1万円、かかった医療費が30万円の場合は4万円、かかった医療費が100万円の場合は18万円が、医療費控除により戻ってきます。

【かかった医療費】【戻ってくるお金】
¥150,000¥10,000
¥300,000¥40,000
¥1,000,000¥180,000
(例)年収400万円の場合

医療費控除の対象

医療費控除の対象となるのは、

病院での診療費・治療費・入院費(健康診断などを除く)
医師の処方箋をもとに購入した医薬品の費用
治療に必要な松葉杖など、医療器具の購入費用
通院に必要な交通費(自家用車やタクシーを除く)
歯の治療費(保険適用外の費用を含む)
子供の歯列矯正費用
治療のためのリハビリ・マッサージ費用
介護保険の対象となる介護費用
妊娠・出産にかかる費用
不妊治療費

など、多くのものが対象となっています。

※詳しくは国税庁WEBサイト(No.1122 医療費控除の対象となる医療費)でご確認ください

これだけ対象範囲が広いとなると、1年間で10万円以上支払っているご家庭も多くありそうですね!

医療費控除を申請する準備

医療費控除を申請するには、対象となる医療費の領収書を家族全員分保管しておく必要があります。

領収書がないと、医療費を支払った証明になりませんし、支払った医療費を自分で計算することもできません。

また、確定申告後5年間は領収書の保管が必要です。

Excelなどで医療費の明細表を作成し、保管の際に都度入力しておくことで、より申請が楽になりますよ。

医療費控除の申請方法

医療費控除の適用を受けるためには、「医療費控除の明細書」に必要事項を記入し、確定申告書に添付して所轄税務署に提出する必要があります。

国税庁ホームページの確定申告書等作成コーナーを利用すれば「医療費控除の明細書」のほか、「確定申告書」等も作成することができます。医療費控除の明細書の内容が自動で確定申告書に反映されますので便利です。
確定申告書等の作成はこちら(国税庁 確定申告書等作成コーナー)

「医療費控除の明細書」のみを作成する場合は、以下をご利用ください。
医療費控除の明細書様式【PDF/202KB】のダウンロードはこちら
医療費控除の明細書様式【Excel/589KB】のダウンロードはこちら

申告書を提出してから1~2ヶ月程度で指定の口座に入金されます。

【必要書類】【入手方法】
医療費の支払いを証明する領収書など事前に保管しておく
源泉徴収票勤務先で配布される
本人確認書類手元にあるマイナンバーなど
医療費控除の明細書確定申告等作成コーナー
確定申告書A確定申告等作成コーナー

医療費が10万円に満たない場合も控除が受けられる?

医療費控除制度の特例に、セルフメディケーション税制というものがあります。

医療費控除よりさらに身近な制度で、薬局やドラッグストアで購入できる医薬品を1年間で12,000円以上購入した場合、12,000円を超えた額が所得控除の対象となり、所得税が安くなります。
こちらも扶養しているご家族の分も含めることができます。

ただ、すべての医薬品が対象となっているわけではなく、スイッチOTC医薬品と呼ばれる医薬品のみが対象です。

対象となるスイッチOTC医薬品は、下記マークで識別できます。

ただし、このマークは掲載が義務化されているわけではなく、マークが付いていなくても対象となるOTC医薬品もあるため店頭で確認するとよいでしょう。

セルフメディケーション税制の申請方法は?

こちらも医療費控除と同様、確定申告で申請できます。
スイッチOTC医薬品購入時のレシートを保管しておくようにしましょう。

セルフメディケーション税制申請時に気を付けたいのが、医療費控除制度との同時利用はできないことです。

どちらの制度を利用するほうがお得になるか計算できるツールなどもあるので、よりお得な制度を選んで申請するようにしましょう!

最後に

医療費控除は、高額な医療費の出費があったときに税金が軽減される、ありがたい制度です。

確定申告書類を作成するという手間はかかりますが、そう難しいものではないので、一度経験してしまえば次回からはすんなりと申請ができるようになるはずです。

「面倒そう」「難しそう」などと思わず、ぜひ積極的に活用してみてください!


※本記事の情報や内容は現時点(2021年1月)で確認できるものとなっています。今後の法改正などにより内容が変わるおそれがある点にご注意ください。