「生成AI」の活用で業務改善! 運用コスト4割削減、制作期間を半分以下に短縮したメンバーズ支援事例をご紹介

コラム

2024.02.07

生成AIを活用した業務効率化のポイントとは?

みなさん、こんにちは。広報担当です。今回は注目が高まり続ける「生成AI」について、メンバーズによる支援実績を紹介していきます。幅広い分野で生成AIの業務利用が始まり、自社での導入を検討している製薬業界の方もいらっしゃるのではないでしょうか。業務改善の一例として、ぜひチェックしてみてください。

成功事例から生成AI活用のイメージを掴む!

業務改革や人手不足を解消する技術として注目度が高い「生成AI」。続々と大手企業などによる生成AIの業務利用が始まっていますが、活用イメージが漠然としている方も多いのではないでしょうか? 今回は、メンバーズの生成AI活用の成功事例を紹介していきますので、業務効率化のポイントやどのような作業ができるのかなどをチェックしていきましょう。

ピックアップする事例は、株式会社ベネッセホールディングスさまをご支援したプロジェクトです。こちらは、生成AIを活用したWebサイト制作・運用改革によりコスト4割削減、制作期間を半分以下に短縮したというもの。本プロジェクトは、『最新技術である生成AIなどを駆使して根底から今の業務を見直しベネッセとメンバーズでともに力を合わせて新しいWebサイト運用をつくる』という目的に向けてスタートしました。その中で、生成AIを活用しながらどのような施策で取り組み、デジタル改革に繋げていったのかについて詳しく解説していきます。

※本事例のダイジェスト版は、下記のテキストリンクからご覧いただけます。
【生成AI活用支援】ベネッセホールディングスさま

業務課題に対応した生成AI活用の施策とは?

Webサイト運用効率化 ー改善施策ー

今回のご支援事例は、Webサイト運用効率化のプロジェクトなので、製薬企業でサイト運用に携わっている方は改善シーンをイメージしやすいかもしれません。

この事例でクライアントの業務課題としてピックアップされていたのは、以下の3点です。

・制作工程に時間がかかる
・社員の制作スキルにばらつきがあり、品質が担保しづらい
・公開までに手直しを繰り返していくため、デザインイメージがずれていく

規模の大きな企業ではWebサイト運用に関わる人数も多く、コミュニケーション量も増えるため、これらはよく起きがちな問題です。メンバーズは、これらの課題に対して有識者を含めて業務プロセスを可視化、生成AIに限定せずに活用できるツールなどを調査。その後、「業務フローの見直し」、「生成AIの活用」、「ノーコードCMSの活用」という改善施策のご提案をし、それぞれ実行していきました。

■施策:業務フローの抜本的見直し

コンテンツのリリースまでに約8週間を要していたため、リードタイムの長さは本プロジェクトの中で大きな課題の1つになっていました。そこで、時間を短くするためにどの作業に時間が掛かっているかを特定し、プロセス内で生成AIに置き換えられる作業を組み入れたことによって、右側の図のようにリードタイムを8週間から3週間まで短縮することに成功しました。

改善するにあたり、今まで通りに運用ができること、制約が増えないこと、コンテンツ品質を下げないこと、クライアントの文化やリテラシーに合わせることなどを踏まえ、これまでの運用で培ってきた経験をもとに最適なソリューションの選択・業務プロセスにて設計を行っています。

施策例:業務フローの抜本的見直し

■施策:テキスト生成AIツールの導入

ライティング作業には、新たに生成AIを活用したツールを取り入れました。
こちらで使用されるテキスト生成AIツールは、ベネッセさま専用に開発したものです。また、未公開情報の漏洩を防ぐため、ChatGPTのAPIを利用して学習に使われない工夫も行い、セキュリティ面でも安心・安全に使っていただけるよう配慮した仕様となっています。

そして、ライティングの課題であった能力のばらつきや、ユーザーへ教材の価値が伝わりづらい表現になってしまわないよう、ツールを活用することで最適なコピーを開発・標準化できるようにしました。
使い方は、左側のDMの情報をテキスト生成AIツールに入力するだけというシンプルな作りです。約10秒でキャッチコピー案や教材説明文が出力されます。ChatGPTが応答を生成するためのプロンプトも組み込まれており、さらにベネッセさまの“企業らしさ”まで表現できるように工夫されています。

これによって、「工数削減」と「担当者に依存しない品質の担保」を可能にし、担当者によって長くなってしまったり、伝わりにくい表現にならずに最適な文字数のコピー案として生成することができます。

施策例:ベネッセ専用テキスト生成AIツールの導入

■施策: ノーコードCMSの導入

ノーコードツールの「STUDIO」を使うことで、PowerPointで編集し、簡単にWebページの更新ができるようにしました。これによって、公開までにデザインイメージが異なってくるという課題が解決でき、制作チームとクライアントの間で作成と確認を繰り返すコミュニケーションの回数を減らせます。

Webページの更新は、従来フロントエンドエンジニアが行っていた作業ですが、専門知識がなくともページ構成を編集することができ、先ほどの「テキスト生成AIツール」で生成したコピーも活用しながら作業指示・確認・修正の一元管理ができるようになりました。

施策例:ノーコードCMSの導入

業務プロセス改善の成功ポイントをチェック!

生成AIを活用した施策によって、制作時間を約8週間から3週間に大幅に短縮、運用コストを4割ほど削減することに成功し、クライアント企業のビジネス成長を促進するための新たな業務プロセスを再構築できました。さらに、肥大化していた運用体制の最適化によって、今後は時間・コスト・人的リソースを優先度の高い施策などに充てることができます。

そして、これらの施策をチェックしたうえで、生成AIを使った業務プロセス改善に取り組もうとしている企業さまに事前に押さえておいていただきたいポイントがあります。

特にまだ生成AIを導入していない企業さまは、生成AIの機能に対して期待を高く持ちすぎているかもしれません。ChatGPTなどを使えば何でも出来るようなイメージが独り歩きしていますが、現状は1つの指示で全ての作業が完成できるようなツールではないということを念頭に置いておきましょう。あくまで特定のプロセスの効率化に役立つツールとして機能するものなので、業務ごとにツールを使い分けたり、組み合わせたりしながら業務プロセス全体を再構築するという使い方が望ましいです。

これらを踏まえ、生成AIを使った業務プロセス改善の成功ポイントをまとめると…

1.目的、目標の明確化
生成AIを導入したうえで、「何をしたいか」をハッキリしておく。コストダウン、社員のスキルアップなど、その目的や目標によって何をどう使うかが大きく変わってくるため。

2.生成AIありきではなく、各プロセスの最適解を考える
生成AIに限定しないプロセスも考慮する。生成AIは何でもできるツールではないため、業務プロセスを改善する際に最適なツールは何であるかを考える。

3.誰でも使えるUI/UX
生成AIは、使う人や使い方によってアウトプットが変わりがち。使う度に結果が変わらないようにWeb画面のUIと裏側のプロンプトの組み方を標準化することが大事。

また、今回の検証プロセスに掛かった所要時間は、わずか2か月ほどでした。
これまで業務プロセスや運用を再設計する場合、大企業や大規模な運用案件は現状調査から始まり、プロジェクト要件や各ステークホルダーへの承認、外部パートナーとの調整・コミュニケーションなど、数ヶ月から1年以上かかるところを、約2か月でプロジェクトを導入・実行に移すことができました。
その理由は、削減予定のコストの再投資によりプロジェクトのコストを抑え、プロジェクト設計・構築チームには、運用を熟知したクライアントの社員さまやクリエイターをアサインした点にあります。これによって、業務を自分たちでデザインすることでコミュニケーションが円滑になり、リスクは最小限に抑えて既存の運用チームにスムーズに移行できました。

PoC成果について

製薬業界への生成AIの導入・運用支援は私たちにお任せください!

製薬業界の生成AI導入・運用支援はメンバーズにお任せください!

今回は、メンバーズの生成AIの支援事例について紹介しました。製薬業界の事例ではありませんが、業務改善は業界問わず共通の課題です。本事例を参考に生成AI導入後、業務内で活用するイメージを具体的に描いてみてはいかがでしょうか。

これからデジタル活用が企業の成長を大きく左右していく製薬業界では、生成AIを取り入れた業務スタイルがスタンダードになることが考えられます。また、生成AIはツールの進化も速いため、変化に柔軟に対応できる組織やチームであることも必要になってくるのではないでしょうか。実際にやるべきことが判明していても、それに対応する人材を確保するところからのスタートになると、実業務に着手するまでに時間が掛かることも懸念されます。

メンバーズメディカルマーケティングカンパニーでは製薬業界に特化した生成AIの導入・運用支援を行っておりますので、スピーディーに生成AIの活用を進めたい企業さまはお気軽にお問い合わせください。

次回は生成AIを営業業務で活用する方法ついて紹介していきます。