【取締役インタビュー】会社設立の背景にある、医療業界への想い

インタビュー

2019.09.11

みなさんこんにちは。広報担当です。早くもメンバーズメディカルマーケティングがスタートしてから6ヶ月が経ってしまいました。

今回は広報から、メンバーズメディカルマーケティング設立の背景やこれからのミッションについてどう考えているのか? 役員にインタビューを行い、医療とデジタルマーケティングが作る未来への想いを語ってもらいました。

(プロフィール) 長野清哉 株式会社メンバーズメディカルマーケティング 取締役

2013年株式会社メンバーズ入社。2014年動画マーケティング支援を目的とした株式会社MOVAAAに設立メンバーとして参画。2016年6月代表取締役就任。以降動画およびコンテンツの制作から広告まで、業種業界問わず企業のWebマーケティング施策を支援。長年、法人向けの新規開拓や数多くのシステム構築に携わった経験から、顧客理解をしたプランニングを得意としている。製薬会社向けマーケティング支援は2017年1月より関わり、戦略プランニング・マーケティングデータ分析・疾患啓発サイト構築・医療従事者向けサイト構築など幅広くプロデューサー・プランナーとして顧客のマーケティングを支援。2019年4月より現職。

― まず初めに、メンバーズメディカルマーケティング設立の経緯を教えてください。

2019年4月に始まった会社…という事になっていますが、実は以前から製薬会社向けのマーケティング支援をやっていました。

当時は、親会社であるメンバーズの中で業種に特化したチームを作りたいという話があって、そこでコンテンツ作りに特化していたMOVAAA(社名変更前の会社。メンバーズメディカルマーケティングの前身)からアプローチしてはどうか?ということになりました。

最初は業界ルールや用語などが全く分からず上手く行かない時期もありましたが、日々勉強と改善をすることでお客様を次第に増やすことができました。

また、近年ニュースなどでも取り上げられているように、医療業界は多くの課題を抱えているという現状にも関心を持ち始めました。

年間の国民医療費が国家財政を圧迫していることや、地域の医療格差、医師の過重労働などもあります。しかし、実際問題、それらを解決に導く取り組みはさほど進んでいません。

そこで、私たちがコンテンツマーケティングで培った技術を活かし、製薬会社、医療従事者、患者間をデジタルコミュニケーションでつなぐ役割をし、社会課題の解決に少しでも貢献できれば…と考え始めたのです。

そういった医療業界を取り巻く環境も鑑みて、さらに専門性を高めた集団になろう!ということで、2019年4月にメンバーズメディカルマーケティングがスタートしました。

 

― その中で、医療業界の課題に気付いたそうですが、これはどのようなことでしょう?

案件に携わっていくと、自分たちが知らない医療や、製薬業界について初めて知ることがあり、同時に課題が多いことにも気づきました。弊社が着目しているのは3つです。

1つ目は「患者の医療リテラシー」です。

医療用医薬品は自分で購入することができませんので、お医者さんに処方してもらいます。

どの薬を処方するかは、医療知識を基にお医者さんが判断します。ですので、製薬会社の営業担当(MR=医薬情報担当者)は、お医者さんを中心にコミュニケーションをとります。

すると、製薬会社は直接的な利益につながらないので、患者さん向けの情報発信は二の次になって、患者さんには薬の情報が入ってこない。結果、薬や疾患についてのリテラシーが上がらないということになってしまっています。

薬についての正しい知識を持たなければ、治ったと勘違いして勝手に服用をやめてしまったり、「薬を飲めば治る」と思い込んで必要ない薬を希望する患者さんもいます。

それが重なれば医療資源の過剰な消費になりますし、医療現場の長時間労働にも繋がってしまいます。

このような現状こそが日本の医療水準は高いのに、国民の医療リテラシーは低いという矛盾が生まれる原因になっているのではないかと考えています。

2つ目は、難病や希少疾患は確定診断まで時間が掛かるということです。

現在、国の指定難病は331種類ありますが、その中には診断に数年かかる疾患もあります。そうなってしまう理由としては、まず、症状が出る場所と原因の場所が違うという症状の複雑さがあります。

そして、専門医が少ないこと。専門医が少なければ、その症状の専門医でないお医者さんには正確な診断が出来ず、患者さんは次々に病院を巡り続けてしまうことになってしまいます。

3つ目は、製薬会社の営業活動方法についてです。

現在も製薬会社の方々は、お医者さんの元へ実際に足を運ぶというやり方で情報提供活動をしています。

よくある話らしいのですが、とある製薬会社の営業担当者は、お医者さんへ直接会えるまで1時間待ち、やっと話せても時間は5分だった…ということもあったのだとか。

医局の勉強会の資料も紙が使用されていたり、全体を通してデジタル化された活動が少ないようです。

そんな現状でありながらも、お医者さんも必要な情報をインターネットを通じて探すなどしていますので、情報を取り巻く環境にギャップがあると感じています。

― その現状から、どんな目標や実現したいことが見えてきましたか?

現代は患者さん自身も、「もしかして、私ってこの病気なのかな?」と思えばインターネットで調べているんですよね。

けれど、それらのサイトは更新頻度が低く、内容もテキスト中心で見やすさや理解しやすさなどについては考慮されていないものが存在しています。

そんな時に分かりやすいサイトがあれば、早期発見・早期治療につなげることができる。

結果、患者さんのQOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)を下げないで済む、そんな世界の実現を、製薬会社のWEBサイト制作を通じて貢献したいと思っています。

先ほど、医療業界は今でもデジタル化された活動が少なく、リアルマーケティング中心であることをお伝えしましたが、その業界に変革を起こし、マーケティングのあり方を変えるのが私たちのミッションです。

そして、患者さんが抱えている疑問や悩みに答えられる情報を提供しつつ、製薬会社のビジネスゴールも達成し、デジタルコミュニケーションを最も創出する企業として成長していくことが私たちのビジョンです。

― 自社の“強み”はなんでしょう?

見た目の良いサイトや面白いコンテンツが作れて、マーケティングやSEOも分かっている…。という会社はあります。私たちはそこに加え医療に特化したサービスを提供していることに価値があると思っています。

通称「薬機法」と言われる、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」が分かっていないと、その表現が正しいかどうかも分からないし、言われたものを作るだけ…になってしまうんですよね。

私たちは、MOVAAA時代から培ってきたコンテンツ制作力、マーケティング、医療業界の知識があります。

見た目が良いだけのサイト作りや、製薬会社の視点に偏りすぎても良いサイトにはなりません。バランス良くポイントを押さえているのが私たちの強みですね。

 

― 最後にメッセージを。

立ち上がったばかりの会社ですが、医療業界をデジタルマーケティングで支援していきます。ぜひ、ご期待ください!

― ありがとうございました!

次回は引き続き、長野取締役のインタビューによる、メンバーズメディカルマーケティングのサービスのご紹介を予定しています。