今注目の「DX」!デジタルトランスフォーメーションに関する用語や定義をきちんと知ろう!

デジタルマーケティング

公開日:2021.02.17

みなさん、こんにちは。広報担当です。

今回は、普段のニュースなどでも見聞きすることが多くなった「DX=デジタルトランスフォーメーション」についてお伝えしていきます。 私たちの未来の社会全体のデジタル化に関わることだということぐらいは分かるけれど、本来の意味が良く分からない、具体的なイメージが掴めないという方も多いのではないでしょうか。そこで、今回はDXという概念がいつから始まったものなのか、似たような響きの単語との違いやDX事例なども含めて解説していきます。

「DX =デジタルトランスフォーメーション」の定義を理解しよう!

ここ数年の間でメジャーになりつつある「DX」という単語。

政治の世界や企業のコマーシャルなど、あらゆる場面で耳にするようになってきました。今後はさらに多くの場面でこの単語が飛び交うようになると考えられます。また、DXの意味は使う場面によって変わってくるということを覚えておくと良いかもしれません。

ビジネスとしてのDXなのか、社会全体でとらえるものなのか、広義/狭義で意味が異なるので、以下のようにDXを理解しておくと、使う場面によって意味合いを理解しやすくなります。

◆社会全体(広義)では…ウメオ大学教授、エリック・ストルターマンが提唱した「デジタル技術が全ての人々の生活を、あらゆる面でより良い方向に変化させる」というコンセプト。ストルターマン教授の論文では、情報デバイスは個々が単独で機能するだけでなく、背後では相互に通信し、作用していることとしている。情報システムは全体と部分の区別がつかなくなり、全てがつながる世界になることなどを挙げている。

◆ビジネスの場面(狭義)では…デジタルテクノロジーの進展によって劇的に変化していく産業構造と新しい競争原理を機会、または事業継続における脅威と捉え、対応していくべきだという考え方ビジネスにおいてのDXは、こちらの使われ方をしている事が多い。チャンスとピンチ、どちらの意味も含んでいるが、スタートアップやベンチャー企業がデジタルテクノロジーを使った新規事業を開発しているのならば、時代の流れとビジネスモデルを掛け合わせることで、絶好のビジネスチャンスになるケースもある。

ここで、改めて経済産業省におけるDXの定義を確認してみましょう。

『企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。』(「DX推進指標とそのガイダンス」※PDF

広義・狭義それぞれのDXの意味に照らし合わせてみると、政府が提唱しているDXは、ITを駆使したツールを導入することによって、組織に変革が起き、ビジネスモデルも転換されるようなイメージです。よって、狭い意味でのDXに近い考え方をしている事が分かります。

DXが注目され始めたのは、2018年のITシステム「2025年の崖」から

実は、「DX」という考え方の始まりは2000年代の初めです。

先ほど広義でのDXの説明で登場した、スウェーデンのウメオ大学教授、エリック・ストルターマンが2004年に提唱したとされています。当時は「デジタル技術が全ての人々の生活を、あらゆる面でより良い方向に変化させる」という、大きな括りで考案されたコンセプトが起源だったのです。

その後、現在のようにDXという単語やDXの推進に向けた対策が一般に広まり始めたのは2018年、経済産業省がITシステム「2025年の崖」というレポートを発表した頃からです。

DXが実現できないことで2025年以降に、最大12兆円/年(現在の約3倍)の経済損失が生じる可能性があるとしたことから、日本でもDXを推進し始める流れになりました。

さらに2020年は、コロナウイルスが世界的に流行し、現在も日本やその他多くの国で収束はしていません。このような状況から非接触なコミュ二ケーションがあらゆる分野で取り入れられ、ビジネスの仕組みを変革するためのDXだけではなく、医療や教育など、社会全体がDXに向かって急速に進むこととなったのです。

「デジタイゼーション」と「デジタライゼーション」は異なるもの!

よく使われるDX関連の単語の中で「デジタゼーション」や「デジタイゼーション」という単語を聞くこともあるのではないでしょうか。一文字違いの言葉なので、同一視している方も多いかもしれませんが、こちらもそれぞれ意味は異なるものです。

「デジタイゼーション」
単なるデジタルへの変更を指す。デジタル化された新聞や広告、紙の書類が電子化されることなど。今まで本屋で店員を通して買っていた本が電子書籍となり、店頭に行かず、店員を介すことなく購入できる仕組みのようなイメージ。人がやっていたものを機械化することで業務効率を上げて、コスト削減することを目的にしたもの。

「デジタライゼーション」
デジタルツールによって業務フロー全体が最適化でき、組織の生産性を高めるノウハウ蓄積ができる状態。例えば、オンラインで会社説明会の様子を録画・管理し、上司や先輩からの振り返りやフィードバックもオンラインを通して体系的に行う。また、そのフィードバックもデジタルデータとして保存、今後の会社説明会の教材として活用し、社員一人でも自己学習ができる研修プロセスが整えられるなど。

こうしてみるとDXに関わる言葉は似ているものが多く、また、複数の意味を持っていたりします。頻繁に使われ始めて間もないせいもあると思いますが、打ち合わせの場などでは意味合いを事前に確認し、認識を揃えてから使用すると良いでしょう。

私たちの日常にあるDXや医療を支えるDX最新事例!

今は既にさまざまな分野でDXが取り入れられ始め、デジタルテクノロジーによってもたらされるメリットが感じられるサービスがたくさん登場しています。

ここでは医療業界にこだわらず、DXを活用しているサービスの事例をいくつかご紹介していきます。

◆ソニー損保「GOOD DRIVE(グッドドライブ)」

AI活用による運転特性連動型自動車保険。スマートフォンで計測した運転特性データをもとに事故リスクを推定し、結果に応じて保険料を最大30%キャッシュバックするというもの。

◆日立グローバルソリューションズ 単身高齢者向け見守りサービス「ドシテル」

部屋の壁などに設置した活動センサーを利用し、離れて暮らす単身高齢者の体調や活動量をスマホでいつでも確認できるサービス。活動量に応じ想定される動きを解析し、アバターによるアニメーションを表示する。実際の人体や部屋の様子の画像ではないため、プライバシーにも配慮した見守りサ-ビスになっている。

◆株式会社 家庭教師のトライ「Try IT」

中学生・高校生向けのハイクオリティな映像授業サービス。PC・スマホ・タブレットを通じ、生徒自身が受けたい授業を時間や場所を問わずに利用できる。家庭教師事業で培ったノウハウと、どのような生徒がどのようなタイミングでどのように学習しているのかという行動調査データを基に、テスト前にポイントを効率よく学習できる仕組みや学習を継続的に続けることができる設計を実施。リリース後、公式の会員登録者数は100万人を超えた。

上記で挙げたものはほんの一部の事例ですが、保険料のキャッシュバックや遠隔でできる高齢者の見守りなど、私たちの暮らしにも大きなメリットが感じられるサービスになっています。このように、日常生活に直結したDXはさらに増えて行くのではないでしょうか。

また、医療業界のDXもかなり活発な動きを見せており、次々にDXを取り入れたサービスやアプリケーションなどが開発されています。

以下からは、医療に関するDXの取り組みをご紹介します。

◆Ubie株式会社:AI来院事前問診「ユビー(Ubie)」

AIによる事前問診による、診療の効率化/充実化を同時実現する。一人あたりの初診問診時間が1/3になり、年間で約1,000時間の業務時間削減に繋がる。医療者のカルテ記載業務の大幅な効率化、患者からの伝え漏れ防止・医療者の聴取漏れ防止の両面で診療の充実化もサポートできる。病院/クリニック問わず、全ての電子カルテと連携は相談が可能。さらに、院内でのコロナ感染拡大防止への関心が高まる現在は、「ユビー(Ubie)」を導入することによって、院内滞在時間減少や、患者満足度の向上が期待できる。

◆大塚デジタルヘルス「MENTAT®(メンタット)」

精神科電子カルテに特化した「データ分析ソリューション」。数値化できない症状や治療の経過のデータを自動的に統合・分析してデータベース化することができる。これまでデータベース化が困難とされていた精神科電子カルテが、自然言語処理技術を用いて整理・分析することで医療現場や病院経営に役立つ情報として分かりやすく提供できる。

◆個人健康情報管理「PHR(Personal Health Record)」活用

PHRは、患者が自らの医療や健康情報を収集し一元的に保存する仕組みで、そのデータを医療機関に提供するなどして活用する。急激な少子高齢化、人口減少が進む日本で医療従事者、患者それぞれの負担を軽減するための仕組みや予防医療にまで役立つものとして注目されている。

PHRについては、数年前から各省庁も取り組みを進めており、PHRサービスの普及展開に向けて必要なルールの在り方などの検討が進んでいます。現在では、以下のサービスモデルが検討されています。

1.妊娠・出産・子育て支援PHRモデル
母子への効果的な健康支援、迅速な救急医療の実現、データ二次利用による疾病予防研究へ活用。

2.疾病・介護予防PHRモデル
個人の介護リスクスコアを評価し、個人・地域の状況に応じた適切な介護予防サービスを提供。

3.生活習慣病重症化予防PHRモデル  
疾病管理事業者による人的サービスと組み合わせて糖尿病の重症化を予防。

4.医療・介護連携PHRモデル
医療機関、訪問看護・介護施設の情報、個人の血圧・体温等のデータをPHRとして本人のスマホに保存し、転居先や避難先で提示・活用し、診療や介護サービスを適切に提供。 (引用:総務省のPHRに関する取組「PHRサービスモデルの概要」※PDF)

新しい生活様式にDXはベストマッチ!コロナ禍は医療業界がDXへ踏み出すチャンス

上記の事例からも、現在のようなコロナ禍の時代には距離や時間を超えたコミュニケーションや非接触のツールにはメリットがあることが理解いただけたのではないでしょうか。また、デジタルを取り入れるのが遅いとされていた医療業界も、今はDXを推し進めるチャンスでもあります。先ほどの事例なども参考に、自社のDX開発を進めてみませんか。

また、大手コンサル企業、マッキンゼー・アンド・カンパニー社の調査では、DXの推進に成功する企業は、次に挙げる5つの特徴があると伝えています。

  • 1.デジタルに精通している適任のリーダーを各部署に配置している
  • 2.将来の労働力の変化を見据えて、全体的な組織能力を向上させている
  • 3.新しい働き方を導入し、従業員の生産性を向上させている
  • 4.日々デジタルツールを導入するなどして、社内をアップグレードし続けている
  • 5.新しいデジタルシステムをむやみに導入せず、旧システムも見直しながら徐々に新体制へと移行させている

上記を参考に、DXを推進する具体策として以下のようなアクションが挙げられます。

【DXに特化した人材を配置する】
1.~3.の内容は、デジタルに精通した人材を現場に置くことがポイント。社内でDXに強い人材が確保できない、DX対応を急ぐ場合には外部人材という形式も視野に入れる。

【データの活用はDXによって加速される。データ分析はより重要に】
「4.日々デジタルツールを導入するなどして…」とあるように、DX推進にあたってはデータ分析がより重要になる。デジタルのデータが蓄積される時代なので、効率的な分析をすることでマーケティングの成果を上げたり、顧客分析、サービス向上に役立つ。そのためにもツールに習熟し、レポーティングなどは綿密に行う。

【DX関連の開発は、ウォーターフォールよりアジャイルとの相性が良い】
さらに「4.日々デジタルツールを導入するなどして…」を参考に開発をするならば、「アジャイル型」で開発を進めるのが最適。日本のシステム開発で多く使われてきた「ウォーターフォール型」では、現状のデジタル化のスピードには追いつけなくなる恐れがあるため。スピーディーな対応が必要な場合には、パーツごとに細かな単位でPDCAを回せる「アジャイル型」を取り入れる。

医療を快適に導くカギはDXにある!DXの困りごとは私たちへご相談ください!

DXの定義や活用事例を知ることでDXへの理解が深まり、より快適な社会となる未来が想像できたのではないでしょうか。

しかし、医療現場に必要とされるDXをスムーズに開発できる人材は想像以上にまだ少なく、DXを実現させるための専門的な人材が足りていないという問題もあります。

医療に関わるDXを推進したいが人材の確保が難しい、自社のデジタル推進について相談したいなど、デジタルに関する困りごとなら私たちに何でもご相談ください。メンバーズメディカルマーケティングカンパニーのプロフェッショナルが、「医療」と「デジタル」の両面からみなさまをサポートし、医療の問題を解決するDXをスピーディーに実現していきます。