【インタビュー:前編】デジタルネイティブ世代のMRに訊く!MR業務のデジタル化の現在と未来予測

インタビュー

公開日:2023.06.13

みなさん、こんにちは。広報担当です。今回は、大手医療機器メーカーに勤務2年目、若手MRさまへインタビューを実施しましたので、その模様をお届けします。実際の仕事現場でのデジタル化がどれくらい進んでいるのか、デジタル化の中で感じている便利さや不便さも含めてお話をしていただきました。現場のリアルな声が聴ける貴重なインタビューとなっていますので、ぜひ、ご覧ください。

デジタル過渡期のMRのお悩みはデジタルとアナログの混在!

―― 今回は、大手医療機器メーカーの若手MRさま(以降、記事内ではAさん) へのインタビューです。MMからは、Aさんと大学時代のご友人という事でAさんを紹介してくれた営業の清水さん、現場の声を知りたいということで、営業の佐塚さんにも参加してもらいました。それでは、よろしくお願いいたします。

佐塚さん・清水さん「よろしくお願いします!」

Aさん「よろしくお願いします」

佐塚さん「せっかくなので、現場MRさんと本社とのマーケティングのギャップ感、2年目の若手MRさんが感じているデジタルに対する期待度などもお聞きしたいですね」

Aさん「かしこまりました!」

――ここ数年はDXが注目され、医療・製薬業界でもデジタル化を推し進めていますが、ご自身の周囲ではデジタル化を感じていますか? 偏りがあったり、または、全く進んでいないと感じる部分などについて教えていただけますでしょうか。

Aさん「実際の肌感としては、営業周辺は遅れているのかなと思っていて。もっともっと推進して行ける部分はあるんじゃないかと感じながら働いています。ただ、デジタル化している部分も確かにあって、その一つが営業管理のツールですね。本部が営業の内容を把握できる、そういったシステムを導入したり……という点ではDXまではいかなくとも、デジタル化の風潮があります。他にも同じ営業管理ツールを使用している製薬企業さんもあるというのは、営業をしていて耳に挟む事もありますね。ただ、ウチは扱う製品が非常に幅広くて。私は医療機器の担当なんですが、心臓に使う機器から看護師さんが使うシリンジのように細かな製品まで扱います。そういった部分で、ツールの機能を全製品に渡って使いこなすのが難しいのかな、という部分はあります。色々な製品があって、担当者もたくさんいるので、商談内容などの書き方もバラバラだったり……。まとめていくのも大変なのかなと」


―― 営業管理ツールを使ってはいるけれど……ということですね。なかなか悩ましいですね。

Aさん「逆にアナログという所ですと、社内の事務処理で経費精算などはエクセルを使って送っていたりしますね。また、医療業界ならではだと思うのですが、医療機器は代理店さんと『この値段で検討いただけませんか?』という価格調整のやり取りが発生します。そこで、会社内での相談の仕方だったり、代理店さんへの提示の仕方だったりはそれぞれで異なるのですが、ウチでは会社内での相談をしてから代理店さんに落としていく流れになっています。そこで本部とのやり取りはファイルにデータを入れて送っていたり、専用システムなどは無いので、とてもアナログチックだったりしますね(笑)」

―― 企業として長期間ルール化しているならば、変えるのは確かに難しそうです(笑)。

Aさん「しかも、代理店さんにとっては価格の部分は利益に関わりますから、細かく見たい部分ではあるのですが、もし、その過程で情報が洩れたら代理店さんとの関係にも影響がありますよね。アナログだからこそミスも多くて、新人は慣れるまでに時間も掛かりますし、どうにかならないのかなと感じたりします」

―― デジタルが部分的に進んでいたり、いなかったり凸凹しているのが感じられます。企業規模が大きいからこそ、一斉に変えていくといっても大変なのでしょうね。

Aさん「本社としてデジタル推進はしていきたいというのは感じ取れますが、ただ、やはりそれは現場には浸透しきれていない感があります。比較的年齢層が高い企業でもありますから、若手とベテランでも受け止め方が違うのかもしれません」

扱う製品によってはリアルな活動が欠かせない! 

―― お仕事のスタイルではリモートワークも取り入れていらっしゃるのでしょうか?

Aさん「コロナ禍になってからリモートワーク自体は普及したという感じではあるのですが、やはり基本的に外回りと直接面談するというのが仕事になってきますので、基本は出社しています。扱っているものも医療機器や医薬品なので、簡単に自分が持ち帰って扱えるものではありませんから」

―― 話は変わりますが、医療機器を扱う企業のMRさんがよく見るWebサイト等はあるのでしょうか?

Aさん「医療機器専門の……というようなものは無いと思うんですけれど、情報収集の場としては日経メディカルさんとか、そういったメディカル関連の雑誌を読んだり、サイトに会員登録をしてメルマガを読んだり……というのをしていますね。あとは、協会や団体が運営しているホームページで発行しているニュースレターを読んだり。病院薬剤師会とか、がん関連のWebサイトとか、公式なものを使用して情報収集しています」

―― では、MRさん同士やチーム内など、内部の情報のやり取りや営業活動中の連絡手段は何を使用されていますか?

Aさん「PC上で済むやり取りはMicrosoft Teamsの機能を使ってミーティングやチャットをします。活用しているのか、と言われるとちょっと分からないですが(笑)。外回り中、チーム内、長規模のやり取りですと社用携帯のショートメールや電話が多いですね。上司への相談や代理店さんとの連絡も携帯電話で通話やショートメールでします」

―― 携帯電話を活用するのは、いかにもMRさんという感じがしてカッコいいですね! あと、SNSの情報発信には制限はあると思いますが、情報収集や閲覧のみなども含め、SNSはお仕事で活用する場面はあるのでしょうか?

Aさん「基本的にSNSをお仕事で使う人は少ないのかなとは思います。その理由としては、当然ですが医療はエビデンス重視なので、れっきとしたデータと確証のある情報を提供するのが一番大事なので。もしも、SNSの情報を信用して嘘の情報をお伝えしてしまうと信頼関係が壊れてしまいます。なので、SNSにも確証のある情報も無い訳ではないと思いますが、多くは無いと思うのでオフィシャルなサイト等を使っている方が自分も含め多いのではないかと思います」

信頼性の高い情報であればYouTubeも参考になる!


Aさん「ただ、医療関係者の方への情報提供と、自分の知識として収集したい情報というのは違うと思うので、自分が知識を付けるために使うツールとしてYouTubeを観る、というのはあります。例えば、『エコーの使い方はどうやるんだろう?』とか調べたりします(笑)。医療関係者の方も副業的にYouTubeをやってらっしゃる事も多いようです。そういう方の動画から看護の知識を付けたり、在宅医療の器具が実際にどう使われているんだろう? と思った時には、実際に動画で観た方が分かりやすいですから。『こういう風に使うんだな』とイメージを掴んで、実際の面談に活かしている……といったことはありますね」


―― 面白いですね! 発信元がハッキリしていれば、SNSでも便利に使えるトコロもある、と。

Aさん「医薬品担当者の方にも聞いたんですが、医薬品担当者の方もYouTubeを観ているようで。私も受けていますが、MRの資格試験の基本情報や知識はYouTubeに情報がコロコロ転がっているので(笑)、そういう場面で使っていると聞きましたね」

―― 案外多くのMRさんや医療従事者の方が知識を吸収するためにYouTubeを活用しているかもしれないですね……!

Aさん「これは医療業界の営業の特徴なのですが、営業をして製品を売っているMRより、お客さまの方が知識豊富という部分があります。普通は逆ですよね。私たちは製品については詳しいですが、業界全体の知識についてはお客さまの方が知識を持っていらっしゃいます。極端に言えば、業界についての知識ゼロのMRがお客さまへ営業を掛けに行くこともある……と。そういうスタンスになるので、お話をしている最中に知らない専門用語が出て来て、『確認します』『調べておきます』というような場面があったら、それを持ち帰って調べるような機会も多いです。そんな時にもYouTubeからサッと調べて知識を得たりもしますね」

―― デジタル、リアルを含めた情報の信頼度の位置付けをお聞きしたかったのですが、ここまでにお話して下さったところを元にすると、もう大体が出そろった感じですね。

Aさん「そうですね。海外・日本で発行されている文献しかり、定期的にガイドラインが発行されている刊行物は信頼度が高いものとしています。例えば、感染管理の治療に関して、アメリカのCDCという疾病管理予防センターが発行しているガイドラインとか、そういった正式なものがありますので、医療従事者の方もそれを逐一チェックしています。そこで『ここではこういう機器を使えばいいんだな』『あの病院はこの機器を使っている』というように、使われている医療機器などの情報を入手しています。私たちもそこから『この製品はいかがですか?』という風に営業に繋げることもできますし。あとは医学誌を読んだり、学会やセミナーに参加することで信頼性のある情報を入手します」

―― インタビューはまだ続きますが、前半部分はここまでとなります。後半では、業務支援ツールをどのように使っていきたいか、実際に活用しているアプリなどを通して若手MRさんのリアルな声にさらに迫っていきます。また、業界の未来をどう捉えているか、今後の展望なども語っていただきました。次回もぜひ、ご期待ください!