ビジネスを促進する生成AI活用!データ分析の手順やポイントを解説

生成AI

公開日:2024.08.29

生成AIを適切に取り入れ業務効率化!メンバーズの生成AI業務活用の事例をご紹介します

今回は、私たちメンバーズメディカルマーケティングカンパニー(以下、MM)の生成AIを用いたデータ分析についてお伝えしていきます。
業務への生成AI活用は広がり続けており、適切に取り入れることで業務効率化が格段に進んでいきます。生成AIの業務活用の事例を知りたい方は、ぜひこちらも参考にしてみてください。

ビジネス成果を最大化する生成AIの可能性を追求!

さまざまな業務に導入され、少しずつ活用範囲を広げ続けている生成AI。

業務効率を上げるだけではなく、成果物のクオリティも保てることから活用がさらに加速していくことが予測されます。
これまでにもお伝えしてきたように、MMはメンバーズのグループ企業として医療・製薬企業への生成AI導入を支援しているカンパニーであり、医療・製薬業界への生成AIの導入や運用支援を行い、プロンプト開発やデータ分析にも取り組み、ビジネス成果を最大化する生成AIの可能性を追求し続けています。

今回は、私たちの業務で実際に行われている生成AIの活用事例について知っていただくために、生成AIを用いたデータ分析のやり方についてご紹介していきます。

※こちらの記事でも生成AIに関するサービスや事例について紹介しています。

生成AIを用いたデータ分析に注力!

営業データと紐づけたウェビナーデータの統計分析を生成AIで行う方法

MMには生成AIを用いたデータ分析を専門とする担当者がおり、生成AIを駆使しながらさまざまなデータ分析を手掛けています。本記事では業務活用の事例として「営業データと紐づけたウェビナーデータの統計分析を生成AIで行う方法」について解説します。

ウェビナーは特にコロナ禍以降、多くの医療・製薬業界の営業ツールとして導入されて現在に至ります。ウェビナーを実施することで潜在顧客に対して適切な情報や価値を提供し、見込み顧客と良好な関係を築きながら購買意欲を高めて顧客へと育てていくリードナーチャリングの役割も担います。すでに医療・製薬業界ではウェビナーが強力なマーケティングツールとなっていることを実感されている方も多いのではないでしょうか。

しかし、ウェビナーの成功は単なる参加者数だけでは測れません。
実際のビジネス成果に結び付けるためには、ウェビナーの参加者データとその後の営業活動のデータを結び付け、詳細な分析を行うことが重要です。生成AIを活用した分析を業務に組み込んでいくことによってこれまで手間のかかっていたデータ統合や分析が効率化され、より深いインサイトを得ることが可能になります。

生成AI分析の事前作業と分析ステップ

ここから実際の分析ステップについて順を追って説明していきます。

【ステップ1】: データの収集と前処理

まずは、ウェビナーの参加者データと営業活動のデータを収集することから始めていきましょう。

このプロセスではデータを適切に整理する「データクレンジング」を行います。Zoom等のウェビナーに使用したプラットフォームや営業支援システムのCRM/SFAから必要なデータをエクスポートし、それらのデータを処理します。

データクレンジングは具体的に以下のようにして行います。
・半角と全角が混在するデータを統一する(例:全角に揃える)。
・余分な空白や重複の削除。
・入力規則が異なるデータの修正、削除、置換。
・表記の統一(例:日付や数値のフォーマットを揃える)。

細かな作業ですが、データクレンジングはとても重要であり、これを行うことによってデータが分析に適した形となり、分析結果の正確性が高まります。

そして、データクレンジングの後はウェビナー参加者のデータと営業活動のデータを統合します。統合は、両方のデータセットに共通するフィールド(例えばメールアドレスなど)を使用して行います。ここで統合されたデータセットにより、各参加者のウェビナー参加状況とその後の営業活動のデータを一元化して管理することができるようになります。

【ステップ2】: 生成AIによるデータ分析

次に生成AIを利用してデータ分析を行っていきます。
実際の分析にはデータに適した分析手法を選ぶ必要がありますので、分析の前にさまざまな分析手法の特徴を調査しておきましょう。今回は、「相関分析」と「セグメント別分析」を用いて説明します。

■相関分析

相関分析は、2つのデータの関係性を調べる際に使われる手法です。仮説検証や顧客の行動パターン、市場の動向などを理解する際に適しています。
今回のケースでは、相関分析を用いて「ウェビナー参加者の行動」と「営業成果」の関係性を明らかにしました。これによってウェビナーの参加時間が長いほど営業活動の成功率が高いかどうかなどを調べることができます。

■セグメント別分析
セグメントは、年齢、業種、企業規模、役職など特定の基準に基づいて細分化したグループという意味です。セグメント別分析は、そのセグメントごとに詳細な分析を行う手法です。
例えば、業種や役職別に分析を行うことで、特定のセグメントに合わせた効果的なアプローチが明らかになります。さらに、他のセグメントとの比較をすれば利益に繋がりやすい(繋がりにくい)セグメントも発見できます。これにより、ターゲット層に応じた最適な営業戦略を策定することができます。

【ステップ3】: 分析結果の可視化とレポート作成

次は分析結果を可視化していきましょう。分析結果は、わかりやすく可視化することが重要です。グラフやチャートを用いて視覚的に理解しやすい形に整理しておくことで関係者全員がデータのインサイトを共有しやすくなります。
また、定期的なレポート作成も運用業務に組み込んでいきましょう。レポート作成により定期的な報告業務が効率化され、営業チーム全体での共有も容易になります。

【ステップ4】:生成AIを利用した自動化とインサイトの提供

最後に生成AIを利用した自動化とインサイトの提供をします。
生成AIを利用することでデータ更新と分析の自動化ができるため、担当者や関係者は常に最新のデータに基づいたインサイトを得ることができ、意思決定の効率化にも繋がります。
また、生成されたインサイトは営業活動の最適化にも役立ちます。例えば、どのタイミングでフォローアップするのが効果的なのか、どのセグメントに対してどのようなアプローチが最も成功するかなど、具体的な戦略を導き出すことができます。
上記のステップで人の手のみで分析するより迅速にインサイトを抽出することが可能になります。この分析結果を基にマーケティング部門や営業部門にインサイトを提供し、具体的な戦略を導き出しながら新たな成果に繋がる提案を行っていきましょう。

※分析手順のポイント
実際にデータ分析を経験されている方はデータクレンジングの重要性をご理解いただけると思いますが、生成AIを使った分析といっても、いきなり分析に取り掛かれるわけではありません。
まずは事前作業としてデータの整備をしてデータの「質」を高めておくことが重要です。このステップが後々の分析結果にも響いてきますので、この作業も含めて慎重に行いましょう。

生成AIの活用で戦略策定や意思決定を効率化!

幅広い業務に活かせる生成AIをさらに一歩踏み込んでデータ分析に対応させる!

今回は、生成AIを駆使したデータ分析についてご説明しました。
生成AIは幅広い作業に活かせますが、さらに一歩踏み込んでデータ分析に対応させることでさまざまなインサイトがスピーディーに得られることがご理解いただけたのではないでしょうか。

本記事では分析の一例として「営業データと紐づけたウェビナーデータの統計分析を生成AIで行う方法」をご紹介しましたが、製薬企業のみなさまも自社で保有しているデータを改めて洗い出し、何らかのインサイトを導き出す際のデータとして使えそうなものがありましたら、生成AIを活用した分析にチャレンジしてみてはいかがでしょう。
時間をかけずに新たな営業やマーケティングの戦略を引き出し、次のサービス開発などに繋がるアイデアまで発見できるかもしれません。意思決定に役立つ分析なども迅速に対応できるようになります。ぜひ活用してみてください。

また、データ分析の際にリソースが不足している、分析の方法を詳しく知りたいなど、他にも作業の手順で困りごとがございましたらお気軽に私たちまでご相談ください。

今後も生成AIの活用についてさまざまな事例をお届けしていきます。

この記事の担当者

この記事の担当者 野本 優

野本 優/Nomoto Yu
職種:プロデューサー
入社年:2023年
経歴:システム開発会社にてECパッケージ開発ディレクターを担当。後の2018年に独立し、PM/PMO・データアナリストとして幅広い役割にて様々な業種を支援。2023年からメンバーズ入社。現在は製薬・医療機器企業の医師向けサービスの会員獲得に向け、データ基盤構築~活用を支援。数字による可視化が大好きで、幅広い知識・経験を活かして、クライアントの課題解決に尽力しています。

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