デジタルマーケター必見! 上級Web解析士も活用する戦略の立て方や施策の運用方法を解説

コラム

公開日:2023.11.15
更新日:2024.06.14

分析・課題抽出の次のステップ!
目標達成に向けた効果的なウェブ解析の流れとは

前回に続いてウェブ解析の方法について解説していきます。前回は分析と課題抽出について説明しましたので、以降の作業のやり方や作業のポイントなどを紹介します。ウェブ解析の全体の流れを掴みたいと思っている方は、ぜひ、前回の記事(上級ウェブ解析士もおすすめ!実務に役立つ分析手法と課題抽出のポイントを紹介)と併せてチェックしてみてください。

後半は⽬標達成に向けた戦略を⾏動に移すフェーズ!

前回に引き続き、ウェブ解析の方法を解説していきます。今回は分析を終えた後のフェーズ、戦略立案から施策のPDCAを回していくまでの実践的な内容となります。

ウェブ分析の一連の流れの中で今回解説していく部分は、下図の右側の赤枠となります。

ウェブ分析の一連の流れ

※参考:「上級ウェブ解析士とは」https://www.waca.associates/jp/course/swac/ 

前回の内容をおさらいすると、マーケティング戦略に入る前にさまざまな分析を通して現状整理をし、自社の課題をピックアップするというところまで説明しました。この時点では、自社の立ち位置や競合との関係、マクロ環境にまで目を向けて多角的な視点で分析をしたデータが完成している状態となっていますが、後半ではそのデータを元に戦略を練り、実行に移していく段階になります。

戦略⽴案から施策を実⾏するまでの流れを確認

戦略立案~施策実行までの流れ 戦略立案→戦術立案→KPI設定→マーケティング改善提案→ウェブ解析提案

【戦略と戦術の違い

現状整理と課題抽出の次のステップは「戦略立案」です。その前に、まずは“戦略”と“戦術”の違いを把握してから取り組んでいきましょう。似た響きの言葉なので混同してしまいがちですが、明確な違いがあります。
戦略とは、企業の目的達成に向けた方向性を策定したものを意味しています。例えば、アパレル企業の場合「日本一有名なファッションブランドになる」というような目的があり、そのうえで「レディースファッションに力を入れる」という戦略(方向性)が決まります。次に、どのような方法でそれを実現するかを決めるのが戦術(施策)です。「インフルエンサーを起用したSNS運用をする」、「ECサイトのアイテムを充実させる」、「表参道のファッションビルに出店する」etc…。他にも色々な方法が思い浮かぶのではないでしょうか。ということは、戦略は時代に左右されない普遍的なものですが、戦術はその時々に合わせてやり方を変更できるという違いがあることがお分かりいただけると思います。

【戦略立案~改善提案の流れ】

■戦略立案
ここから実際に戦略を立てていくステップになりますが、戦略は何を根拠に立てればよいのか? ユーザーに選んでもらうためには、ユーザーの動向を分析した根拠あるデータが必要です。そこで、前回作成した分析データが役に立ってきます。
市場、自社、競合他社のマーケティング環境を網羅的に分析した「3C分析」、外部環境が自社に与える影響をマクロ的な視点で分析した「PEST分析」、自社でコントロールすることができるミクロ視点の要素で分析した「5フォース分析」、自社をとりまく環境を多角的に捉えて分析した「SWOT分析」……さまざまな切り口で分析をしています。
これらの結果から、どのような層の人が顧客になりうるのかを絞り込んでターゲットを把握しましょう。ターゲットとは、どのような属性の人物に商品やサービスを提供するのかを決定するために潜在顧客からニーズや特性に応じてグループ分けしたものです。ここまでのデータが揃えば、自社の強みや弱みが表面化してきます。そのため、どのようなマーケティング戦略が必要なのかも自ずと明確化されていきます。

■戦術立案
立案した戦略をどのように実現していくのかを決めるのが戦術立案のフェーズです。戦術を立てていく際に役立つフレームワークや、ユーザーの視点を得るために役立つ設定作りについて説明していきます。

〈4P/4C分析〉
・4P分析
この分析方法は、マーケティング戦術を立案する際に用いるフレームワークです。
4P分析は、“企業側”の視点がベースになっており、Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(販売促進)の4つのマーケティング要素で「どのような製品を、どのような価格で、どの流通経路で、どのように販促していくか」ということを明らかにします。

・4C分析
こちらは、“顧客側”の視点がベースになっています。Customer Value(顧客価値)、Cost(経費)、Convenience(顧客利便性)、Communication(コミュニケーション)の要素を組み合わせて、顧客への最適なアプローチを検討していきます。また、分析の際には明確なターゲット設定があった方が分析しやすくなります。戦略立案の際に決定したターゲットを元に、商品購入やサービス利用をするターゲットの視点に立ったアプローチを検討できます。

・マーケティングミックス
そして、より効果的なマーケティング戦術を考案していくために、企業目線で考えた4P分析と顧客目線で分析する4C分析の両方を組み合わせたマーケティングミックスを取り入れ、使用可能な複数の手段を組み合わせて戦略を立てていきましょう。

〈ペルソナ〉
Webサイトの訪問者に近い、架空のユーザーを作り上げていきます。
フルネームと年齢、居住地、勤務先と役職、年収、家族構成、興味関心、WebやSNSとの関わり方など情報収集の主な手段まで具体的に設定していきましょう。顔写真なども使って“本当に実在している”かのように設定することがポイントです。さらに、何に困っているのか、悩んでいるのか、悩みを解決する期限やそのために使える費用、悩みが解決したことで得られることなども設定していきます。具体的なユーザー像を作り上げ、『ユーザーの視点』で物事を考えられるようにすることがペルソナ作成の目的であり、ユーザーのニーズをしっかりと把握した施策の提案にも繋がっていきます。

〈カスタマージャーニー〉
ペルソナを作成後、さらにユーザーの動きを時系列で可視化したものとして、カスタマージャーニーを作成していきます。
まずは、作成したペルソナの悩み事と、それらの解決方法(どんな行動を取ってもらうか)を、具体的なストーリーとして組み立てていくようなイメージです。さらに、そのストーリーをカスタマージャーニーマップ上に、購買に至るまでのフェーズごとにタッチポイントや行動、顧客の感情や思考などを書き出して時系列で一覧に並べていきます。この作業をすることによって、ユーザーがWebへ接触するタイミングが見え、それに合わせて取るべき施策が見えてきます。
ペルソナの情報をより深い感情や時系列で掘り下げることがカスタマージャーニー作成の目的です。また、作成したペルソナやカスタマージャーニーをチームで共有し合うことで、ユーザーの行動にまつわる感情や行動について共通認識が持てることもメリットの一つです。

出来上がったペルソナやカスタマージャーニーは、パワーポイントなどでまとめておくと管理しやすくなります。

■KPI設定 
KPI (Key Performance Indicator) は、Webサイト運用の課題を解決するためのヒントを数値目標で表したものです。目的 (KGI: Key Goal Indicator) を達成するための指標で、目標が達成できない場合には変更することもあります。

今回は、ロジックツリーを用いてKPIを策定していく方法で解説していきます。ロジックツリーとは、課題解決のフレームワークです。樹木が枝分かれするように、課題をツリー状にして分解することで、課題の原因や解決方法を論理的に導き出していく方法です。使用されるツリーの種類も「要素分解ツリー(Whatツリー)」、「原因追究ツリー(Whyツリー)」、「問題解決ツリー(Howツリー)」と、いくつかありますが、ここでは「KPIツリー」を例にして考えてみましょう。最初にKGIがあって(幹)、それに対して必要なKPI(枝葉)の要素をツリー状にして展開しながら数値で測定できる指標を導き出していきます。指標が施策の具体的な行動に結びつくまで分解できたらロジックツリーは完成となります。

■マーケティング改善提案
ここまでに導き出した分析内容や戦術を提案書としてまとめ、目的・目標、予算や工数、スケジュールなども合わせて一覧にし、施策を実行できるように具体化していきます。

詳細な記載内容は企業や扱う商品などによって異なりますが、以下の要素を入れた提案書を作るようにしましょう。予算などを論理的に説明しやすくなるようなデータがあれば適宜追加します。

・改善の背景、現状分析
・課題
・サイト改善の目標
・具体的な施策
・予算と工数、スケジュール
(制作会社に依頼する場合、見積もり金額も)
・予想される効果

■ウェブ解析提案
施策の効果測定方法について検討します。改善前と効果を比較するために何をするか、どれくらいの工数や予算が掛かるか、以下の項目を用いて具体的に提示していきます。

・解析の概要
・サイト解析の指標
・予算と工数、スケジュール
・予想される効果

Webサイトは“施策”と“改善”をセットにして最適化して運用します。施策に対してPDCAサイクルを回して改善を行い、最適化をする……という繰り返しを行います。また、Webサイトの改善には、アンケート回答やSNSの情報といった感覚で判断する定性分析だけではなく、ページビュー、ユニークユーザー、エントリーフォームに到達したユーザーなどの計測値を元にした定量分析をしていきましょう。

⼿順と⽬的を理解して確実な効果改善を⽬指しましょう!

デジタルマーケティングの困りごとは、お気軽にメンバーズへ!

ウェブ解析の一連の流れを掴んでいただけたでしょうか。
作業の手順だけではなく、その目的まで理解しておくことで、方向性にブレの無い施策が導き出せるようになります。「何のための作業だろう?」と立ち止まった時、目的に立ち返るとどんな答えを出すべきなのかがハッキリするかもしれません。ぜひ参考にしてみてください。

ご紹介した方法は業界問わず使える内容ですが、使用するフォーマットなどは企業ごとに異なることが想定されます。これらの内容を基本的な考え方として参考にしながら、自社の内容に合わせてアレンジしつつ活用してみましょう。また、MMには製薬業界のデジタルマーケティング運用に特化したメンバーが揃っていますので、業界に特化した知識を持ちつつ、今回ご紹介したウェブ解析にも対応することができます。他にも、デジタルマーケティングでお困りのことがあればお気軽にお問い合わせください。