次のトレンドは「生成AI」による営業支援! 属人性の高いMR業務の効率化にも期待

コラム

2024.02.22

「生成AI」で営業業務を効率化する方法

みなさん、こんにちは。広報担当です。今回は「生成AI」で営業業務を効率化する方法について紹介していきます。生成AIの利用を営業の業務に展開していくにはどうすれば良いのか、また、活用するとどのような効果があるのか。特にこれからMR業務の効率化を図りたいと考えている方は、ぜひチェックしてみてください。

生成AIは属人性の高い業務と好相性!

今回は、「生成AI」を営業支援に取り入れて活用していく方法について解説します。
従来のAIが得意とする作業といえば、ルールに沿って行う単純作業や統計データに基づく数値予測などがありますが、「生成AI」は従来のAIよりさらに高度な作業を可能にした人工知能システムです。例えば、文章や画像作成のようなクリエイティブな作業が可能なことで注目を集めています。

そして、このクリエイティビティの高さを活用し、生成AIは営業活動の効率化に貢献するツールとして活躍し始めています。
生成AIは、文章や画像作成のような作業だけではなく、人によって結果が異なるような “属人性”が高いデータを扱うのも得意です。そのため、BtoB営業に関連する業務と相性が良いとされており、以下の一覧にあるような商談をするための電話内容やDMの文章案の作成、クライアントへの提案内容の作成、さらにその先の営業に関するあらゆるプロセスで活用されることが見込まれています。特にBtoBの営業では、高単価の商材やサービスを取り扱うため、商談が長期間にわたることが多くなります。購入が決定するまでに顧客のニーズを詳細に分析したり、新たな提案をしたりする場合などは生成AIを取り入れることでより効率化でき、そこから生み出された時間や浮いたコストを顧客とのコミュニケーションなどへ転用し、利益を生み出すことが期待されています。そして、この潮流とともにMR業務の効率化を促進するツールとして、今後の製薬業界での活用も予測されます。

AI(ChatGPT)の価値

BtoB営業に導入するメリットや費用対効果の検証ポイントは?

■BtoB営業での活用可能性

そもそも、BtoBの営業に生成AIを導入する流れになった背景には何があったのでしょうか。実は、大手企業などでは、営業部門の生産性が特に低いという課題を持っていました。そこで、クリエイティビティの高い作業ができる生成AIを営業部門で活用することによって課題にアプローチできるのではないか? ということからツールが開発され始め、実際に活用に踏み切った企業が成果を出したことでさらに注目を集めることになりました。
具体的には、営業という業務が『属人性が極めて高い職種』であることを利用して、活用していくというものです。例えば、新人でもトップセールスマンが商談で使ったヒアリング内容を元に生成AIに学習させて示唆を出したり、アクションを考案したり、メール文面を作ることで購買意欲を高めて商談を成立させ、売上に繋げていくような使用方法も考えられます。営業担当者が書類作成や社内会議などに費やす「非コア業務」の時間は、1日の業務の60%以上を占めているといわれているため、その時間の中に生成AIを組み入れることは顧客とコミュニケーションをする「コア業務」の割合を増やして効率化に貢献することに繋がります。

■費用対効果の検証

生成AIを活用したいというだけではなく、利益に繋がるかどうかも確認しなくてはなりません。
ChatGPTがリリースされた頃は、大企業や予算のある企業が新しいテクノロジーとして、とりあえず導入してみるという状況でした。当時は生成AIを“流行り物”として扱うような感覚で活用は二の次でしたが、現在は業務で活用するならば費用対効果を検証したうえで取り入れていくというフェーズへ移行されつつあります。
今後、自社内に生成AIを導入して利益に繋がるかどうかをチェックする場合には、以下の視点で費用対効果を確認してみましょう。

・現状のワークフロー分析
 その業務にどのくらいの時間とコストがかかっているかを把握する。

・各プロセスでの導入効果(削減効果)の分析
 生成AIを使った場合、どれ位の時間やコストが削減できるのかをチェックする。

・各導入効果の積み上げ
 最終的にどれくらいの削減効果が出るかを計算し、導入コストに対する価値を判断する。

■生成AIの組織導入のハードルと対策

セキュリティ面に関して不安があり、導入のハードルが高いという状況でストップしている企業も多いかもしれません。よくあるのは、ChatGPTを使用した場合、自社で入力した内容がChatGPTの学習内容として使われてしまうことを懸念しているというもの。このような場合は、Webではなく、API経由のツールを使うことや、ChatGPTがアウトプットした内容をチェックする体制を構築すれば対策できます。また、生成AIを導入したにも関わらず使われないツールにならないよう、導入だけではなく、使い方の面も含めて設計することも大事です。

・セキュリティ、信頼性の不安
 機密情報を安心して入力できる環境の導入、ダブルチェックなどを含めた運用設計にする。

・導入後の利用率が低い
 使いやすいシステム設計を心掛け、ツールの使用方法を実際に使うメンバーにしっかりと共有する。または、業務のワークフローの一環として導入し、意識せずに使えるようにする。

営業活動に貢献する生成AIツール事例

生成AIツール、導入事例紹介

すでにリリースされている生成AIツールや、実際に導入した企業の事例をピックアップしてみました。製薬企業で導入する場合、MR業務のどのプロセスで効率化につながるのか、具体的な利用シーンをイメージしてみましょう。

日清食品ホールディングス

日清食品ホールディングス株式会社は、日本マイクロソフト株式会社が提供する Azure OpenAI Service と Microsoft Power Platform を活用して独自開発した対話型 AI「NISSIN-GPT」を、日清食品グループの国内事業会社 (一部を除く) の社員約 3,600 人に向けて公開しています。

こちらの事例では、セキュリティに配慮した対話型 AI を業務に活用することで営業工数を20%削減することに成功しています。費用対効果の検証をしながらさまざまな使い方を洗い出し、資料を作るサポートや商談の議事録作成を自動化して1人当たり年間で約400時間、全体の20%相当の工数削減に繋がったとのことです。

日清食品ホールディングス「セキュリティ対策を施したMicrosoft Azure上で独自システムを開発!

対話型AI「NISSIN-GPT」をグループ社員3,600人に向け4月25日(火)に公開」

Notta

Notta株式会社が提供する「Notta」は、自動的に音声を文字起こしできるツールです。
高精度な音声認識とAI要約機能によって1時間の音声を5分で文字起こしができるため、文章作成の時間を効率化できます。会議などの音声やテキストデータから重要なポイントを抽出し、簡潔な要約を作成するだけでもかなりの作業時間の短縮に役立つのではないでしょうか。商談内容の確認や議事録の作成、チームメンバーとの情報の共有も時間を掛けずに済みます。

Notta: 自動文字起こしサービス

Sales Marker

株式会社Sales Markerが提供する「Sales Marker」は、「AIセールス」によって商談化率や成約率など、組織全体の成果向上につなげるツールです。約500万法人の企業データベースとインテント(興味関心)の組み合わせから、ニーズが顕在化している企業を見つけてマルチチャネルから多角的なアプローチが行えます。自動で的確なターゲットに最適なタイミングで効果的にアプローチができるため、商談の獲得成功率を劇的に向上させることが可能になります。

Sales Marker(セールスマーカー)

製薬業界への生成AIの導入・運用支援は私たちにお任せください!

製薬業界の生成AI導入・運用支援はメンバーズにお任せください!

今回は、生成AIの営業支援の可能性やツールについて紹介しました。製薬業界においてMRの業務も属人性が高い業務であり、売上に直結するものでもあります。MR業務の効率化とデジタル化は製薬企業の共通の課題ですので、今後の業務支援として生成AIツールの活用も視野に入れてみてはいかがでしょうか。

これからデジタル活用が企業の成長を大きく左右していく製薬業界では、生成AIを取り入れた業務スタイルがスタンダードになることが考えられます。また、生成AIはツールの進化も早いため、変化に柔軟に対応できる組織やチームであることも必要になってくるのではないでしょうか。実際にやるべきことが判明していても、それに対応する人材を確保するところからのスタートになると、実業務に着手するまでに時間が掛かることも懸念されます。

メンバーズメディカルマーケティングカンパニーでは製薬業界に特化した生成AIの導入・運用支援を行っておりますので、スピーディーに生成AIの活用を進めたい企業さまはお気軽にお問い合わせください。