【デジタルマーケティング基礎知識】徹底した「KPI」設定がカギ!マーケティングを成功に導く、正しい「KPI」設定とは?

データドリブン

2021.01.12

みなさん、こんにちは。広報担当です。

今回は「デジタルマーケティングの基礎知識」の2回目として、マーケティング活動の中でも重要な要素の「KPI」の設定に触れていきます。

現在、日本全体でデジタル化の必要性が日々高まり、医療業界のマーケティングにもデジタルの知識は欠かせないものとなってきましたが「単なるデジタル化」だけでは、先を見据えたデジタルマーケティングとはいえなくなりつつあります。 今回は、「単なるデジタル化」から抜け出し、デジタルマーケティングの成果を確実なものにするために「KPI」に何を設定すべきかについて解説していきます。

KPI設定はデジタルマーケティングの必須要素!まずはKGI/KPIを正しく把握しよう。

製薬会社では、現在も変わらずコロナ禍の中でのデジタル化への対応を急いでいる状況が続いています。デジタル化を急ぐのは良いことですが、それによって各社のマーケティング実績が確実に上がっているという訳では無いのが現状のようです。

デジタル化の対応としては、製薬会社のMRが直接訪問を制限されたことをきっかけに、これまで注力してこなかったWEB サイトをリニューアルしたり、担当医師にセミナー情報のメールを送る、ウェビナーを実施するなどが挙げられます。しかし、それらの対応をしているのに効果が見えてこないという場合には、アクションプランと目的・目標が噛み合ってないということが考えられます。

デジタルマーケティングによって効果を上げていくためには「KGI(Key Goal Indicator)」や「KPI(Key Performance Indicator)」をしっかりと設計する必要があります。特に「KPI」は、マーケティングプランを立てる時に、何を設定するべきかしっかりと決めておく必要があるのです。

そこで、マーケティング用語としてセットで使われる「KGI/KPI」と併せて「目的/目標」の意味を改めて確認してみましょう。

「目的」とは…最終的に目指すもの。変更しない。
「目標」とは…目的を達成するための指標。目標が達成できない場合、変更することもある。

これらの意味を含めて考えると、目的に対してそのことが達成できたかどうかを判断する指標が「KGI」。そして、目的を達成するまでには目標があります。その目標を達成したか判断する指標が「KPI」です。「KPI」は、いわば「KGI」を達成するために必要なプロセスということになります。

また、デジタルマーケティングを始めたばかりの方は、こちらのシリーズの連載1回目もチェックしてみてください。基本的なマーケティングの知識や用語について解説しているので、ブログの内容が理解しやすくなります。

MMブログ:デジタルマーケティングはじめの一歩!新任担当者がおさえるべき基礎知識&用語

ゴールは1つでも、ゴールへ到達する方法は複数。最適なマーケティングプランを選ぼう!

ここからは「KGI/KPI」の違いを押さえたうえで、KPIを何に設定すべきかを考えていきましょう。まず初めに目的・目標を明確にすることで、デジタルに対応するマーケティングのプランが具体的になっていきます。

マーケティングプランの「目的」と対になる「KGI」は、条件によっては複数設定できてしまうので、意図に沿った数値を考えて設定する必要があります。

例えば、「処方する薬を増やしたい」という「目的」の場合、処方してくれる医師の数を増やすのか、医師の数はそのままに一人あたり(施設あたり)の処方量を増やすのか。この部分を見極めておかないと、数だけ同じように増えても内訳は違うということになります。「KGI」は最終的なゴールの部分なので軸がぶれないよう、慎重に検討しましょう。

また、KGIが明確に設定されているのに、それが上手く達成できない原因は、KGIに到達するまでの手段や、達成できなかった時の要因へ目が向けられていないというケースもあります。KGIを達成するためには、やみくもに目的に向かって進むのではなく、その過程で確認できる指標(KPI)を段階的に検証しながら着実に進みましょう。

ここで指標となる「KPI」設定の考え方は、「KPI」は「目的」に到達するためにチェックすべき重要なインジケーター(指標)であるということです。

例えば、デジタルマーケティングのKPI設定としてよくあるのは、インターネットによる検索数や、サイトのPV数などを指標にしています。 以下から、KPIの設定までの流れについて詳しく解説していきます。

「戦略ストーリー」をハッキリ描ければ、アクションプランは見えてくる!

「KPI」「KGI」という単語だけに目を向けてしまうと、専門的なマーケティング用語なので難しく捉えがちです。しかし、「KPI」や「KGI」を設定することは、自分たちが実現したい「戦略ストーリー」を描くこととほぼ同じ意味合いです。目的を達成するための指標に対して、それをどんな風に達成していきたいのかをストーリー仕立てにして置き換えてみると取り組み易いのではないでしょうか。

例えば、ストーリーとして考えた戦略は、以下のような形で表現できます。

『薬の処方量を増やすためには〇〇が必要である。それを実現するために、担当MRは、〇〇や〇〇という方法をとることで〇〇が増え、医師は自社の製品を選んでくれるようになる。よって、患者さんへの薬の処方量が増えていく』

単なる数値目標より、こちらの表現にした方がアクションプランのイメージも湧いてくるような気がしませんか。 次に、作成したストーリーを基に、以下のような手順でKPIを設定したアクションプランを考えていくことができます。

1. 目的は「薬の処方量を増やす」
2. KGI/KPIの選択肢を絞れるよう、前提となる条件(使う手段or使わない手段など)も決めておく。
3. 目的を達成する手段には何があるか、考えられる選択肢を出していく。
・ウェビナーの開催
・担当MRからのeメール送付
・WEBサイトコンテンツ作成、追加
・DM郵送、電話による連絡 等
4. 上記から最適なアクションプランを選び、KPIの指標を設定する。

アクションプランの数値をシミュレーション!KPIを達成させるロジックを組み立てよう

具体的なアクションプランが決定したら、それを実行した場合にどのような結果になるかをシミュレーションしてみましょう。

例えばウェビナーを実行することにした場合、最終的なKPI(参加人数)を達成するためにプロセスごとの目標値を設定していきます。具体的な数値を出すことによって、仮説・検証・改善の運用サイクルが見えてきます。

「ウェビナー実施」という手段に対しては、申し込みまでに「案内メール送付数」、「開封数」、「申し込み数」のように段階的に数値をチェックできるプロセスがあります。

【アクション】
案内メールの送付 (10,000人)
      ↓
プロセス:1 開封率5%(500人)
      ↓
プロセス:2 案内サイト閲覧率20% (100人)
      ↓
プロセス:3 申し込み率10% (10人)

このように、1つ1つの段階でパーセンテージを確認すれば、KPIを達成するための適切な打ち手を考えることができるようになります。

数値目標の設定とシミュレーション(または、実績の確認)が出来たら、達成に向けて「質」と「量」を上げるための施策を立てていきましょう。施策は仮説の数値を基にしながら現状を鑑みて対応策を考案し、効果を上げる運用へつなげるようにしていきます。

例えば、申込数の目標に未達の場合、「案内メール送付の総数を10,000人から15,000人に増やす」「案内メールを2回送る」という方法も取れますし、プロセス1の段階で開封率を上げるために「メールの件名を魅力的なワードにする」などでも対応できます。

例として、ウェビナー申し込みのKPIシミュレーションから導き出した仮説で考えてみると、

【仮説】
デジタルに強い医師の場合は、担当MRからの直メールによってウェビナーの申込みをしてくれる。

【考えられる状況】
・医師が受け取るメールの数が多いため開封してくれない。
・MRが対面訪問でしかコンタクトとれず、メールアドレスを知らない医師もいる。
・メールを送付できる全体人数を把握していない。招待者に対する参加者の割合が掴めない。

【状況に対する対応策】
・案内メール送付の総数を10,000人から15,000人に増やす
・送付数を増やすために連絡用として医師のメールアドレスを聞いておく。
・気づかれるように案内メールを2回送る
・思わず開いて見たくなるようメールの件名を魅力的なワードにする
・一斉メールを送付した後でMRが電話でフォローする。
・WEBサイトの会員登録をしてもらうことで情報をそちらからも取得できるようにする。

このような対応策が具体的に出てきます。 数値をチェックできるプロセスが途中にあることで、どのタイミングで数値が落ちているのか、必要な対応策も判明しやすくなります。

「単なるデジタル化」で成果は出ない!KPIの設定&計測で最適なマーケティング効果を!

さまざまなデジタル対応をしてきたのに、なぜか結果が出なかったという方も、その理由が見えてきたのではないでしょうか。

デジタルマーケティングで到達したいゴールが見えているならば、まずは自分たちが描く「戦略ストーリー」を作ってみましょう。ストーリーに基づいてKPIを設定していくことで、達成するべき数値やアクションプランが見えてくるはずです。

デジタルマーケティングの専門知識を持った人材が揃わない、デジタル化への対応を急いでいるなど、デジタルマーケティングでお困りのことがあれば、メンバーズメディカルマーケティングカンパニーへお問い合わせください。