
メンバーズメディカルマーケティングカンパニー(以下、MM)による「生成AI」の業務活用の事例を紹介します。今回は、Webサイト構築プロジェクトの提案作業の効率化を実現した事例です。実際の作業の手順も解説しますので、みなさまの業務にもお役立てください。
生成AIなら短時間で高品質な提案資料を作成!

生成AIの導入や活用について、自社で使う場合にどこから始めて良いか分からないと悩んでいませんか?
今回はそのような状況でお悩みの企業さまのために、私たちが実際に手掛けた生成AIのご支援事例を紹介していきます。本記事でご紹介するのは、Webサイトの分析や資料作成に関する活用方法なので、Webサイトの運用をしている企業さまであればすぐにお試しいただける方法です。新たな施策の提案やサイトリニューアルが必要になった場合など、サイト改善のさまざまな場面で応用できると思いますので参考にしてみてください。
ご紹介するのは、Webサイト提案に掛かる時間を70%削減できたという事例です。約60分 掛かっていた作業が 約18分まで短縮できたため、かなりの業務効率化に貢献していることがお分かりいただけると思います。こちらは、疾患啓発や複数ある治療法の選択をサポートすることを目的としたWebサイトの構築案件の提案資料の作成時に導入した方法です。競合他社サイトの良い/悪い点を定性的に分析して要因を明らかにして、サイトの方針をまとめるパートがあったため、生成AIを活用して行いました。
プロジェクトの背景や取り組みの詳しい内容について以下から解説していきます。
【背景】
本プロジェクトに取りかかるにあたり、日々の業務の中で提案資料を作るには十分な時間を確保することが難しい状況にありました。さらに、定性的な分析の観点や提案資料としての作成ポイントをまとめるとしても、ある程度の経験がないと作業することができません。出来るだけ短時間でクオリティとしても十分な内容で仕上げたいにも関わらず、作業者のスキルに依存するしかないため、一定レベルのアウトプットを作成するには時間が掛かっていました。
<課題>
・他タスクがあったり期限が短かったりと、提案準備に充てられる時間が限られていた
・Webサイトの定性的な分析や提案資料作成の経験が少なかった
【取り組み内容】
上記の課題を踏まえて生成AIを活用した作業に置き換えてみました。
作業の手順やプロンプトの一部をご紹介しますので参考にしてみてください。
取り組んだ作業は以下の2つです。
1. Webサイトのキャプチャを添付して生成AIに良い/悪い点を評価し、それぞれの要因も考案するように指示
2. どのようなWebサイトを提案するか、分析で得た内容をもとにイメージをまとめたものを提示し、提案に沿った言い回しにするよう指示
<作業手順>
■STEP1:対象Webサイトのキャプチャをフルページで撮影
↓
■STEP2:ChatGPTに良い点/改善点を質問
↓
■STEP3:必要に応じて返答の気になる点(印象、具体的な改善策など)について追加質問
↓
■STEP4:資料に記載するテキストをより豊かな表現にしたり整えたりする場合は、別の言い方の案を複数出すように依頼
↓
■STEP5:納得できるまで繰り返してブラッシュアップする
<プロンプト&回答例>※実際には何度か指示を繰り返しているため、以下はプロンプト作成時の参考としてください。
1このWebサイトのキャプチャについて、良い点/改善点をアドバイスしてください。
→ このWebサイトの良い点/改善点をいくつか挙げます:
1. タイトル
・解説
2. タイトル
・解説 ……
2-1「〇〇〇」という分析結果より、「△△△」という方針にしたいのですが、言い換え案をそれぞれいくつか出してください。
→ 以下のように言い換えることができます:
1. ーーーーー
2. ーーーーー ……
2-2下記〇点を端的にまとめてください。・~~~ ・~~~ ・~~~
→ 以下のようにまとめることができます:
ーーーーー
【成果】
取り組みによって以下の効果がありました。
■分析作業と資料作成の時間短縮に成功
生成AIなしで行った時の想定時間の約70%を削減(約60分 → 約18分)できた。
※この約60分は、根拠も含めた分析結果のアウトプットと資料に記載するテキスト考案の時間も含める。
■作業者のスキルに依存せず、一定のレベルの高さのアウトプットが可能に
分析結果で気になる点を追加しながら質問することでさらに深い分析結果を得られた。テキストは複数の案を提示してもらうことで、提案によりふさわしく説得力のある言葉にブラッシュアップできた。

成果から分かるように、生成AIを使うことで属人的な作業から解放されます。これまで個人のスキルや経験に依存していた作業が、個人に依存せずにチーム全体で対応できるというのは大きなメリットです。特に作業手順の『■STEP2:ChatGPTに良い点/改善点を質問』の部分は、人が作業をすると個人差が出るので、ここに生成AIを入れることで作業がスムーズに進んでいることが分かります。もちろん、成果物を最終的に担当者が確認するパートは残す必要がありますが、作業者を選ばずにある程度必要な資料を作成するまでの作業を誰かに依頼することができれば属人的な作業を無くし、効率化できます。
※その他、MMの業務改善の記事はこちらでもご紹介しています。

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生成AIで業務の属人化リスクを軽減!

MMの生成AI活用事例として、今回はWebサイトの提案に関する使い方をご紹介しました。
業務のスピードを上げるだけではなく、クオリティの向上にも役立つツールなので、特定の人に依存している業務が多く困っているという場合は、生成AIを組み入れることができる業務かどうか調査するところから始めてみてはいかがでしょう。
また、生成AIについて技術を効果的に活用できる人材が確保できない企業さま、AIの結果の検証や信頼性、セキュリティに対する不安があるという企業さまもいらっしゃるかもしれません。MMは医療・製薬・ヘルスケア業界に特化した生成AIの導入・運用支援を行っておりますので、自社業務で生成AIを活用したい企業さまはお気軽にお問い合わせください。
この記事の担当者

寺戸 彩菜/Terado Ayana
職種:ディレクター
入社年:2019年